波に乗るハリス米副大統領 バイデン氏後継も視野
By Jeff Mordock – The Washington Times – Wednesday, November 16, 2022
ハリス副大統領は16日、インド太平洋地域への1週間の外遊に出発した。ホワイトハウスは、バイデン米大統領が2024年の選挙に出馬しない、またはできないとなった場合の正当な後継としてのハリス氏のイメージにさらに磨きをかけようとしているようだ。
スタッフが頻繁に入れ替わり、テレビインタビューでも苦戦するなど副大統領としての厳しいスタートだったが、数カ月ぶりに活躍の場を見つけ出したようだ。
実際にワシントンの政治家らは、政府高官らがハリス氏を国内、国外の舞台で前面に出そうとしているのを目の当たりにしている。
ワシントンのシンクタンク、民主主義研究所のディレクター、パトリック・バシャム氏は、「今後上がってきそうな他の候補に、ハリス氏が次の打席に立つ可能性が高いから、今回は見送ってほしいというメッセージを送ろうとしている」と述べた。
ハリス氏は、妊娠中絶に関して政権の窓口の役割を果たしている。中絶の問題のおかげで民主党は、先週行われた中間選挙で大敗を回避できた。ハリス氏は民主党支持に気が進まない国民をだまして、中絶を受けられるようにするための戦いへの支持を集めた。
9月には日本に派遣され、外交的に大きなリスクはあったが、中国との緊張を高めることなく、台湾への米政権の支持を表明することに成功した。ハリス氏の上司、バイデン氏はこの問題で、何度も足をすくわれている。
バイデン氏が再選出馬するかどうかを決めていない中で、ハリス氏が大統領選出馬を表明することはない。だが、バイデン氏が出馬しないと決めた場合、ハリス氏が民主党予備選での有力候補の一人となるとの見方は根強い。
バイデン氏は、2024年の再選出馬の意向を表明しているが、決定は来年初め以降になる。支持率は低く、依然として、今後の見通しは立たず、今月、誕生日を迎えて、80歳になる。党内の一部からは1期で終わるとの見方も出ている。
ハリス氏はNBCニュースとのインタビューで、大統領職への意欲について聞かれると、2024年の出馬には触れず、バイデン氏の再選に尽力すると述べた。
「(バイデン氏が)出馬すれば、自信を持って一緒に戦う」
セントルイス大学法科大学院の副大統領史の専門家、ジョエル・ゴールドスタイン氏は、副大統領が、政権1期目で大統領職を継ぐ準備をするための戦略は存在しないと指摘。ほとんどの副大統領の政治家としての将来は、大統領が再選されるかどうかに懸かっていると述べた。
しかし、バイデン氏の年齢が事態を複雑にしている。
ゴールドスタイン氏は、「この点が、ハリス氏にとって副大統領として2期目も務めることになるかどうかをめぐって、不安要因となっている」と述べた。
ハリス氏は、自身の外交政策の正当性を補強するためにアジア太平洋地域に向かっている。一方でバイデン政権は低い支持率にあえいでいる。