バイデン氏は、選挙活動ではなく「地下室」に戻ることで再選を望んでいる
By Seth McLaughlin – The Washington Times – Sunday, April 16, 2023
バイデン大統領は、再選戦略を検討する中で、「控えめの方が効果大」というアプローチにこだわる気配を見せている。
バイデン氏は、「地下室戦略」と呼ばれるように、2020年の大統領選では目立たないようにした。パンデミックによる都市閉鎖の期間中にデラウェア州の自宅にこもることで、トランプ前大統領が政治的な酸素を吸い尽くし、最終的に自ら破滅を招くようにした。
バイデン氏は、大統領就任後も同様のアプローチを取り、記者会見や選挙運動のような活動を避けている。しかし、80歳を迎えた米国最高齢の同大統領は、再選を目指して出馬する意向を表明している。
民主党のストラテジストであるT・J・ブコルツ氏は、バイデン氏は前回、物議を醸し混乱を呼ぶ現職に挑んだため、パンデミックを利用できたと述べる。
そうした状況は変わってしまった。現在の現職であるバイデン氏は、経済の実績に責任を負っている。
「民主党は内心では、バイデン政権が現状うまくいっておらず、新たな計画が必要だという懸念があると思う」とブコルツ氏は述べる。「バイデン氏のチームは世論調査結果を見て、戦術的な面で2020年に起こったことが再現される可能性は低いと気付いている」
一方、民主党のストラテジスト、ブラッド・バノン氏は、バイデン氏が再選を果たすためにさらなる取り組みをする必要があるとの懸念を一蹴した。
バノン氏は「実際には、共和党は自滅している」と述べた。「だから、彼らが自らに損害をもたらしている時に、なぜ介入する必要があるのか? 2020年にうまくいったし、今回もうまくいっている」
バイデン氏のアプローチに対する疑問には、必然的に年齢や能力の問題が含まれる。同氏の失言や身体、政策面でのつまずきは、その感覚を高めている。
バイデン氏は14日、再選挙への出馬の決断について「比較的近いうちに」発表すると述べた。同大統領は、アイルランド訪問を終える間際に、記者団に「すでに決めている」と語った。
「その判断はもうついている。比較的近いうちに発表するつもりだ」と述べた。「ここへの旅は、何ができるかという楽観的な思いを強めただけだ。すでに言ったように、私は再出馬する計画だ」
バイデン氏に危機感が欠けているように見えるのは、民主党の候補者指名におけるライバルが今のところ少数で、脅威にもなっていないからだ。具体的には、自己啓発作家のマリアンヌ・ウィリアムソン氏と、政治王朝の血筋を持ち反ワクチン活動家として知られるロバート・F・ケネディ・ジュニア氏だ。
世論調査では、民主党はバイデン氏の年齢と失言の多さを理由に、より若い人物を好むとされているが、代わりとなる明確な候補は存在しない。
バイデン氏は当初、年明けすぐに立候補を表明すると予想され、その後は2月の一般教書演説の際に表明するとの噂も流れたが、いずれの予想も時期尚早であった。
現在では、バイデン氏が秋まで発表を延期することで、選挙戦の争いに巻き込まれず、現職の利点を生かすことができると考える人もいる。
バイデン氏はまた、誰が選挙戦の指揮を執るかもまだ発表していない。一方、党の指名争いをする共和党候補は、バイデン氏が2024年に弱い相手になると考えている。