下院議長、債務制限の議会取引をホワイトハウスに督促
By Haris Alic – The Washington Times – Monday, May 22, 2023
連邦議会・下院のケビン・マッカーシー議長は月曜日、6月1日までに連邦政府の債務不履行を回避するために、債務限度額の引き上げをめぐるバイデン大統領との議会取引を週末までに完了するよう警告した。
「本当は先週末までに完了させるべきだった」、マッカーシー議長(カリフォルニア州、共和党)は言う、「それを可決して上院に引き渡すには、今週中に一定の協議を終えなければならない」と言明した。
ジャネット・イエレン財務長官は、6月1日までに31.4兆ドルの債務上限が引き上げられなければ、政府は一部で支払い不能に陥る可能性を警告してきた。そうした緊急性があるにもかかわらず、上院は休会しており、五月最後の月曜日に当たる「戦没将兵記念日」まで議場に戻らない。
上院の民主党は休会を短縮できるだろうが、法案を議場通過させるには約一週間が必要だ。
「先週末までに完了させるべきだった」と語ったマッカーシー議長は、「さらに困難になろうが、議会通過の可能性は残っている」と語った。
マッカーシー議長の発言は、月曜日にホワイトハウスでバイデン大統領と会談することが決まった時点で出された。同会談は大統領が先週、日本でG7先進国首脳会議でワシントンを離れてから初めてのものになる。
大統領が留守中に、政権高官と下院・共和党議員らとの協議は数回決裂した。
マッカーシー議長によれば協議の決裂は、ホワイトハウスが支出削減に直ちに応じようとしないことが原因だ、と指摘した。共和党は焦点の予算で、最低でも1300億ドルを目指していて、少なくともその半額は、未消化のコロナウイルス関連の資金を取り消すことでねん出できると見込んでいる。
「今晩でも明日でも合意は可能だ」、マッカーシー議長は言明した。「私が明示してきたように・・・昨年度より歳出を減らすべきだ。」
ホワイトハウスは、来年度の国内向け歳出・防衛関連支出を横ばいに保つことを提案している。それでも政府当局によれば、インフレのせいで実質的な歳出削減に相当する、という。
下院・共和党は、防衛、国境警備、退役軍人給付の支出増を要求している。同党議員たちは支出削減の対象として、福祉関連と、「ウォーク主義にかぶれた行政事項」に焦点を当てるよう主張してきた。
お互いに、相手側が設定目標を勝手に動かしている、とか、劇薬のような対抗策を上程しようとしている、などと非難しあってきた。
下院・共和党は、先月可決した債務制限法の規定より厳しい「フード・スタンプ(補助的栄養支援プログラム)」取得に当たっての就業要件を提案している。さらに移民問題と国境警備に対処する一連の法案を推進している。これらは保守強硬派の優先事項で、下院のきわどい過半数を背景にした議長ポストを維持するには、彼ら強硬派の支持が欠かせない。
この状況についてホワイトハウスのカリーヌ・ジャン・ピエール報道官は、「議長グループの提案は大きな後退で、議会両院の通過を望むべくもないような、極端に党派性の強い要求を含んでいる」と批判した。
民主党側は税金の抜け穴を閉鎖して、富裕層の税率引き上げを提案している。大統領はまた、処方薬の価格交渉で医療保険制度の権限強化を共和党側に提示した。
民主党内のグループである進歩的民主派は、社会福祉政策の支出を削減せずに歳入を増やし、予算の赤字を削減する方策として、こうした政策案を長いこと温めてきた。だが共和党は両方の政策を拒否してきた。