中国 軍事基地利用を想定、「一帯一路」建設の各地港湾-米研究機関報告

(2023年8月4日)

2018年1月2日、スリランカのコロンボで、中国の野心的な「一帯一路」構想の一環として始まった「コロンボ・ポート・シティ」プロジェクトのためにインド洋を埋め立てた土地に立つ中国人建設作業員。(AP Photo/Eranga Jayawardena, File)

By Bill Gertz – The Washington Times – Wednesday, August 2, 2023

 世界各地に張り巡らされている中国の港湾ネットワークは将来、平時・戦時を問わず軍事基地として使用される可能性がある――。米ウィリアム・アンド・メアリー大学の研究機関「エイドデータ」が最新報告書で中国の海洋覇権の拡大に警鐘を鳴らした。

 報告書は、2000年から23年までの中国の公式海港データを基に作成された。それによると、中国は世界的な経済進出に伴い、発展途上国の123カ所の民間海港に299億ドルを投資。その中には46の低・中所得国の78港湾が含まれる。

 「世界への野心―中国の港湾進出と将来の海軍基地化に秘められた意味」と題された報告書は7月下旬に公表され、「中国が軍事力強化を進める中、国外での海軍基地設置は、世界の舞台に戦力を展開するための優先事項となっている」と指摘している。

 報告書によると、中国は世界的なインフラ整備計画「一帯一路」を利用して資金を提供し、港湾施設を建設しており、最終的には将来の軍事拠点となり得る。これにより、人民解放軍海軍(PLAN)は「平時・戦時を問わず」これらの港湾施設を利用できるようになるという。

 報告書はまた、「国外での海軍基地設置は、一帯一路などに見られるような中国の世界的な権益の拡大を見れば理にかなっている。海軍基地はまた、輸送のための航路を守り、貿易と外交を促進するための鍵でもある」と指摘している。

 現在、中国国外では唯一の海軍基地が東アフリカのジブチにあり、中国が資金を提供し、建設・運営している商業港に隣接している。

 海軍基地建設の可能性が指摘されているもう一つの民間港は、スリランカのハンバントタにある。報告書によれば、ハンバントタ港への中国の投資は、国外の港湾としては最大であり、この港はインド洋を望む戦略的に重要な位置にある。

 アフリカの大西洋岸にある赤道ギニアのバタ、パキスタンのグワダル、カメルーンのクリビ、カンボジアのリアムでも、中国が港を海軍基地に転用する可能性があると指摘されている。南太平洋のバヌアツ、モザンビークのナカラ、モーリタニアのヌアクショットにも中国海軍基地が建設されるのではないかとみられている。

 さらに報告書によると、中国がロシアのウクライナ侵攻を支持していることから、米政府は中国が国外の港湾を海軍基地に転用する可能性について監視の目を強めている。

 また、報告書は「(PLANは)沿岸部隊から外洋海軍へと進化し、世界への戦力展開に野心を強めている」と指摘。「PLANの増強には空母の建造も含まれ、国外での持続的な海上作戦の展開に対して長期的な野心を持っていることを示している」と強調している。

 中国は現在、有力な海洋国家であり、世界中の海で商業的、軍事的に強い影響力を持つとみなされている。世界の沿岸の商業インフラの多くが、中国企業によって建設、管理されている。中国は現在、商船の建造では世界第3位、商船の保有量では同2位を誇っている。

 紛争が起きれば、中国の商船は動員され、軍事目的に利用される可能性が高いと報告書は指摘している。

フィリピン沿岸警備隊が提供したこの写真には、2025年10月12日(日)、南シナ海のフィリピンが実効支配するティトゥ島(地元ではパグアサ島と呼ばれる)付近で、中国海警局の船舶(右)がフィリピンのBRPダトゥ・パグブアヤに向けて放水砲を発射する様子が写っている。(フィリピン沿岸警備隊提供、AP通信経由)

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