バイデン氏の虚言が増加 記憶障害の兆候か

(2023年8月29日)

日本の岸田文雄首相、韓国の尹錫烈大統領との共同記者会見で発言するジョー・バイデン大統領(2023年8月18日金曜日、マサチューセッツ州サーモント近郊の大統領官邸キャンプ・デービッドにて)(AP Photo/Alex Brandon)

By Jeff Mordock – The Washington Times – Friday, August 25, 2023

 バイデン大統領はこれまで、まったくの捏造とまではいかなくても、話を誇張することがよくあったが、記憶違いがこのところ増加している。

 精神衛生の専門家によれば、この記憶違いは、認知症と関連する神経障害である「作話」の兆候かもしれないという。

 精神科医のタンベール・アーメド博士は「作話は認知症に関連した記憶喪失と密接な関係がある。物語を語ろうとしても、脳がそのスペースを埋めることができず、自身を守るために話を作るようになる」と述べた。

 アーメド氏は、バイデン氏の症状を評価したことはないが、作話を示す証拠は「かなり多い」と述べた。

 バイデン氏は今月、ミルウォーキーでの演説で、祖父の死、鉄道会社アムトラックの車掌との会話、父親の教育、ピッツバーグでの橋の崩落の目撃談など、すでに間違いであることが分かっている話を繰り返した。

 その1週間後、バイデン氏は選挙資金集めのパーティーに出席し、アムトラックの話を繰り返し、さらに1960年代にデラウェア州で同性カップルに遭遇したという作り話を披露した。この話は証明も反証も不可能だが、ワシントン・ポストを含む複数のファクトチェッカーは懐疑的な反応を示した。

 バイデン氏は先週ハワイで、山火事の被害者を前に、自身も火事に遭って妻、愛車のコルベット、猫が危なかったことがあったという話をした。当時の報道では、火災はキッチンのボヤで、およそ20分で鎮火したとされている。

 共和党などは、バイデン氏が明らかにうそをついていると非難している。支持者の中には、バイデン氏の年齢が再選の妨げになるのではないかと懸念する者もいる。

 バイデン氏は80歳で、現役の米大統領としては最高齢。2期目を果たせば、退任時には86歳になる。

 エコノミスト/ユーガブが先月行った世論調査では、無党派層の45%がバイデン氏の健康と年齢が「職務遂行能力を著しく制限している」と答えた。影響を与えていないと答えた無党派層はわずか11%だった。

 同じ民主党のディーン・フィリップス下院議員(ミネソタ州)は、高齢のバイデン氏は仕事の負担に耐えられないとしている。フィリップス氏は民主党大統領候補への挑戦を模索している。

 ホワイトハウスはコメントを求めたが、反応はなかった。バイデン氏は、年齢について尋ねられると、2期目を務めるのに十分健康で元気だと主張する。

 それを証明するかのように、バイデン氏はネバダ州のタホ湖で休暇を過ごしていた23日、ピラティスとスピニングのエクササイズクラスを受講した。バイデン氏は、記者団にエクササイズの様子を確実に伝えようと、「この1時間半、ワークアウトしていたんだ」と話した。

 バイデン氏が2月に受けた年次健康診断の後、主治医は異常なしと診断した。5ページにわたる医師の報告書には、バイデン氏が認知症に関連した変化を検出できるような精神的認知能力評価を受けたとは書かれていなかった。

 ニューヨーク・タイムズは、共和党のケビン・マッカーシー下院議長(カリフォルニア州)は今年の予算交渉の際、バイデン氏の思考は冴えていたと同僚議員に語ったと報じた。

 有権者は、バイデン氏の虚偽の話に懸念を持つべきであり、国民を欺くだけでは済まなくなると主張する人々もいる。

 カリフォルニア州ビバリーヒルズの法医学精神科医でメディアにも登場するキャロル・リーバーマン博士は、バイデン氏を直接、診察したことはないが、作話をしている可能性があることを認めた。神経学的障害である作話はあまり研究されていないものの、一種の記憶違いであり、偽の、捏造された、あるいは歪曲された記憶を生み出す。一般に、認知症やアルツハイマー病など、他の脳疾患と関連付けられる。

 リーバーマン氏は「バイデン氏は、自身がしている話が、すでに間違いであると分かっていることに気づいていない。気づいていれば話すことはない。これが作話だ。その話を事実だと思い込んでいるので、そのようなことを言うべきではないと指示する脳の部分が欠けている。この話が事実だと確信しているからこのようなことが起きる」と述べた。

 作話とは、脳内に偽の記憶を作り出し、事実ではない話を作り上げることだ。罹患者は人をだますつもりはなく、自分の話が正確だと心から信じている。

 作話の内容は空想的で奇怪なこともあるが、たいていは実際の出来事を歪曲しているだけだ。虚偽の話を作り上げても本人には何の得にもならないため、「正直なうそ」と呼ばれることもある。

 症状は通常、脳が話の空白を埋めようともがいている時に、言葉として出てくる。自分を守るために、脳が偽の記憶を作り出すと専門家は言う。

 この作話に罹患している人の割合は不明だが、高齢者や心的外傷後ストレス(PTSD)、睡眠不足、ストレス、脳損傷に苦しんでいる人に多い。

 脳への血流障害が判断力、記憶力、その他の思考プロセスに影響を及ぼす血管性認知症を患っている人の間でも、作話はよく見られる。バイデン氏は心房細動を患っており、脳卒中のリスクは5倍に、認知症のリスクは2倍になる。

 オーストラリアのニューサウスウェールズ州にあるヒルズクリニックを拠点とするアーメド氏は、「バイデン氏の病歴は分かっている。血管疾患の病歴がある。認知障害を起こしたという数年にわたる証拠がある。これらのことから、バイデン氏は心臓血管性認知症の可能性が高く、そのために、記憶喪失を作話でごまかしている可能性がある」と語った。

 ヒューストン大学クリアレイク校のキンバリー・ドッドソン教授(犯罪学)は、バイデン氏がなぜでたらめな話を繰り返すのか、その理由を知ることは不可能だと指摘。バイデン氏の検証を行ったことはないが、その話の一部は作話に似ていると述べた。

 ミルウォーキーでバイデン氏は元アムトラック車掌のアンジェロ・ネグリ氏に、副大統領としてエアフォース2で100万マイル飛んだが、それはアムトラックで移動した距離より少なかったと伝えたという話を繰り返した。

 バイデン氏はその話をした後「神に誓って本当の話だ」と語った。

 ネグリ氏は1992年にアムトラックを退職し、バイデン氏がエアフォース2で100万マイルを達成する2年前の2014年に亡くなったため、この話は間違っていることがはっきりしている。

 バイデン氏が大統領としてこの話をしたのは、その1週間後の選挙資金調達パーティーを含めて少なくとも10回目に及ぶ。

 ドッドソン氏は、「バイデン氏がこの話を繰り返すのは、それを完全に信じているからだろう。もし作話しているのなら、自分の記憶に完全に自信を持っており、変わることはない。作話している人に、それに反する証拠を提示することはできない。自分の現実を信じているからだ」と述べた。

 今月のバージョンでは、バイデン氏はネグリ氏がまだ生きていると信じているようだった。バイデン氏は、「迷惑をかけることになるから」名前は出さないと言っていた。

 リーバーマン氏は、バイデン氏のキッチン火災の話には作話の兆候が見られ、認知症の可能性もあると語った。バイデン氏は、少なくとも115人の死者と数百人の行方不明者を出したマウイ島の山火事と比較しながら、この話をした。

 「それが事実であろうとなかろうと、バイデン氏の中ではその話をしないように自分に言い聞かせることができなかった。これは認知症の兆候だ。自分の台所の火事と、この人たちが経験した悲劇を比べることは、あまりに無神経で、侮辱的であり、正しい判断ができていないということだ。自分で止められなかったことは、さらに悪い」

 これほどひどくないケースもある。バイデン氏は、2022年1月にピッツバーグで起きた橋の崩落を目撃したとミルウォーキーで聴衆を前に語った。だが、バイデン氏がミルウォーキーに到着したのは橋が崩落した数時間後のことだった。

 ドッドソン氏は「検証はしていないが、作話である可能性はあると思う。個人的な利益のためにこの話をしているわけではないからだ。個人的な利益のために作話することはない」と述べた。

 作話は、動脈瘤や深刻な心の傷などの障害と関連することもある。バイデン氏は1988年に二つの命にかかわる脳動脈瘤を患った。1972年の自動車事故で妻と娘を失い、2人の息子も重傷を負った。2015年には末っ子のボー・バイデン氏を脳腫瘍で亡くしている。

 また、バイデン氏は最近、ミルウォーキーで、祖父が自分の誕生6日後に亡くなったと語った。公的な記録では、誕生から1年以上後だ。

 バイデン氏はミルウォーキーで「(父親は)大学に行けなかった」と述べたが、実際にはジョンズ・ホプキンス大学に1年間通っている。

 アーメド氏は、「これらは確かに作話だ。話のメインの部分を加えているわけではないというのがその理由だ。空いたスペースを埋めているだけで、ほとんど意味がない。これによって作話である可能性はさらに高まった」と述べた。

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