米共和党討論会で注目のラマスワミ氏、他候補たちの批判の的に

(2023年9月10日)

2023年9月1日(金)、ニューハンプトン州ハンプトンでの選挙期間中、カラスに挨拶する共和党大統領候補ビベック・ラマスワミ(AP Photo/Reba Saldanha)。

By Seth McLaughlin – The Washington Times – Monday, September 4, 2023

 初の米共和党大統領候補者討論会で若手実業家のビベク・ラマスワミ氏が注目をさらったことを受け、今度は同氏が鋭く激しい批判の矢面に立たされるようになった。

 トランプ前大統領のような常識にとらわれない言動とミレニアル世代のスタイルを併せ持つラマスワミ氏は、有権者を引き付ける一方で、他の候補者たちから世間知らずで危なっかしい人物というレッテルを貼られるなど批判を浴びている。

 討論会で特に批判の口火を切ったのは、マイク・ペンス前副大統領だった。

 「ラマスワミ氏は口を開くたびに、うそをつくか、米国にとって非常に危険な政策的立場を表明する。それは非難に値する」。ペンス氏のデビン・オマリー報道官は、ワシントン・タイムズ紙にこう語った。

 38歳の実業家であるラマスワミ氏は、トランプ氏以外の候補者の中では最も行動的であり、トランプ氏が討論会に欠席したことで、ペンス氏、ニッキー・ヘイリー元国連大使、クリス・クリスティー元ニュージャージー州知事らの注目の的となった。

 ラマスワミ氏のトリシア・マクローリン報道官は、ラマスワミ氏がライバルたちを怖がらせていると語った。

 「政府はあまりにも長い間、われわれにうそをついてきた。ラマスワミ氏はアウトサイダーの立場から隠されていたことを声を大にして訴えている。米国民に真実を明らかにしようとしているのだ」と、マクローリン氏は語った。

 「ペンス氏やクリスティー氏、ヘイリー氏、カール・ローブ氏(ブッシュ元大統領の顧問)らエスタブリッシュメントたちの生き方や取り決めにとって、これは直接的な脅威だ」

 このメッセージによってラマスワミ氏は全米の予備選世論調査で、ロン・デサンティス・フロリダ州知事に続く3番手に躍り出た。トランプ氏には大きく引き離されている。全米調査のほとんどで、トランプ氏の支持率は他の候補者の合計を上回っている。

 それでもラマスワミ氏は「米国を再び偉大にする(MAGA)」の旗を次の段階に引き上げるのに、自分が最適の立場にいると訴えている。

 ラマスワミ氏が勢いを持続できるかどうかはまだ分からない。特に共和党有権者には、新たな魅力的な候補者の下に集まっては、その新参者をつぶしてまた次の候補者に移っていくという歴史があるからだ。

 2012年の共和党候補指名争いがそうだった。指名争いはアイオワ州党員集会からスタートするが、同州の有権者は、リック・サントラム、ミシェル・バックマン、ハーマン・ケイン各氏ら、最終的に指名を獲得したミット・ロムニー氏以外のすべての選択肢を試したようだった。

 16年は、共和党有権者はトランプ氏と一対一で対決できる最良の人物を探し求めたが、やがて諦めてMAGAという破壊的な勢力を受け入れた。

 新参者はまた、メディアの厳しい監視の目にさらされる。

 ニューヨーク・タイムズ紙は、ラマスワミ氏の 「明確な無知」を批判する論評を掲載。アトランティック誌は同氏の外交政策を 「ファンタジー」と呼んだ。音楽アーティストのエミネム氏までもが注目し、選挙運動での同氏のラップ音楽の使用停止を求めた。ラマスワミ氏は「アイオワ・ステート・フェア」(米国最大級の農業・産業博覧会)で、エミネム氏のラップ音楽を披露した初の大統領候補となった。

 ラマスワミ氏の勢いを示すもう一つの指標は、トランプ氏がラマスワミ氏を副大統領候補に起用することに前向きであると宣言したことだ。以前その役割を担ったのはペンス氏だった。

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