トランプ氏の被選挙権剥奪訴訟は最高裁まで行く可能性

(2023年9月17日)

2023年9月9日土曜日、アイオワ州エイムズで行われたNCAAカレッジフットボール、アイオワ州立大学対アイオワ州の試合前に、アイオワ州立大学の農業友愛会アルファ・ガンマ・ローを訪れ、手を振るドナルド・トランプ前大統領。(AP Photo/Charlie Neibergall)

By Alex Swoyer – The Washington Times – Monday, September 11, 2023

 法廷ウオッチャーたちによると、ドナルド・トランプ前米大統領を2024年の投票対象から排除しようとする争いは、最高裁まで行く可能性がある。判事が政治的争いに巻き込まれた場合、どのような判決を下すかは不透明だ。

 米各地で起こされた幾つかの訴訟で、トランプ氏の被選挙権を剥奪すべきとの主張が繰り広げられている。特に反トランプ派が憲法修正第14条3項に基づき同氏を投票対象から外すことに成功した場合、最高裁はこの種の訴訟に注目することになるだろう。

 南北戦争後に成立したこの条項は基本的に、米連邦政府に対して反乱や暴動を主導した者は公職に就く資格を失うと定めている。

 イリノイ大学シカゴ校のスティーブン・シュウィン法学教授は、「最終的には最高裁に持ち込まれると予想する。最高裁の構成を考えると、恐らく最高裁は『有権者が決めるべきだ』などと主張することで、被選挙権をトランプ氏に残す方法を見つけるだろう」と述べた。

 シュウィン氏によると、裁判所はこの件を「政治的問題」として審理拒否する可能性があるという。

 また同氏は、「裁判の成り行き次第では、どちらに転ぶか分からない。これだけ聞くと、何も分からないように聞こえるかもしれないが、その通りだ。トランプ氏に関わる多くのことがそうであるように、われわれはまさに未知の領域にいる」と語った。

 連邦判事は今月、フロリダ州の税法専門弁護士が憲法修正第14条に基づいてトランプ氏の被選挙権剥奪を狙った訴訟を棄却した。この訴訟はトランプ氏が2020年大統領選で敗れた後、反乱をあおったと主張していた。

 オバマ元大統領が任命したロビン・ローゼンバーグ判事は、この弁護士は連邦裁判所で訴訟を起こす具体的な法的損害を負っていないと指摘した。

 トランプ氏を支持する集団が2021年1月6日に、連邦議会がバイデン大統領の当選を認証するのを阻止するために議事堂に乱入するという暴動が発生したことを受け、法学者たちはトランプ氏が大統領選に出馬できるかどうかを議論してきた。

 ハーバード大学のローレンス・トライブ名誉教授は、トランプ氏は再選に向け立候補できないはずだと指摘した。憲法修正第14条は明確であり、トランプ氏のハードルは高過ぎて乗り越えられないと指摘した。

 「あなたには資格がない。以上だ」。リベラル派の法律アナリストであるトライブ氏は、CNNテレビでこう述べた。「現時点ではトランプ氏に対するすべての訴追に反乱が含まれていないが、本当に的外れだ」

 こうした分析に、すべての法律専門家が同意しているわけではない。憲法修正第14条3項は「連邦議会の議員、合衆国の公務員、州議会の議員、または州の執行部もしくは司法部の官職にある者として、合衆国憲法を支持する旨の宣誓をしながら、その後合衆国に対する反乱または暴動に加わり、または合衆国の敵に援助もしくは便宜を与えた者は、連邦議会の上院および下院の議員、大統領および副大統領の選挙人、文官、武官を問わず合衆国または各州の官職に就くことはできない」としている。

 この条項では、下院と上院の3分の2の賛成で再度候補者資格を与えることができる。

 同条項は1860年代以降、数回適用されたことがある。

 トランプ氏は四つの別々のケースで刑事訴追を受けているが、反乱で訴追されたわけでも、有罪判決を受けたわけでもない。

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