ロシアはテロを阻止できなかったのか―元米当局者

(2024年4月7日)

2024年3月23日土曜日、ロシアのモスクワ西端にあるクロッカス・シティ・ホールのコンサート会場付近を警備するロシア軍兵士。少なくとも140人が死亡した3月22日の会場襲撃事件は、ロシアの治安機関の大きな失敗となった。(Alexander Avilov/Moscow News Agency via AP, File)。

By Ben Wolfgang – The Washington Times – Sunday, March 31, 2024

 ロシアがテロ攻撃を知っていながら未然に阻止しなかったのかどうかについての疑問が渦巻く中、元米軍当局者は31日、米国が130人超の死者を出したモスクワのコンサートホールでのテロ事件を回避するのに役立つ十分な情報をロシア側に伝えていた可能性が高いと述べた。

 退役大将のマッケンジー元中央軍司令官は、ABCの番組「ディス・ウィーク」で、ロシアは米国からの警告を基にテロ攻撃を未然に防げた可能性が高いと考えていると語った。攻撃の警告の一つはモスクワのクロッカス・シティ・ホールへの攻撃の2週間前の3月8日に来ており、過激派がモスクワでのコンサートを攻撃しようとしているとはっきりと指摘していた。

 3月22日のテロ攻撃はモスクワ会場でロックコンサート中に行われた。

 マッケンジー氏は31日、「米国はロシアにかなり正確な情報を与えたと思う。IS-K(イスラム国ホラサン州)とこれらすべての組織が抱える問題は、彼らが海外でテロ攻撃を行う際、情報のやりとりをせねばならず、われわれにはそのやりとりを聞く機会がある」と語った。

 「もし実際に提示された情報を聞いていたら、ロシアは今回のテロ攻撃をおそらく回避することができたと思う」

 アナリストは、そのような場合に米国とロシア間の情報共有は難しいものであり、米国は敵に自分の利益を増進させることに使用できる情報を与えることに慎重でなければならないと言う。トランプ大統領の下で国務省のテロ対策調整官だったネイサン・セールス氏は、軍事行動や国内の政治的取り締まり、またその他の活動のために「敵対者はテロ対策を口実に用いることが多い」と最近、ワシントン・タイムズに語った。

 テロ攻撃を受けて一部のロシア当局者は、その主張を裏付ける証拠がないにもかかわらず、IS-Kのテロ攻撃についてウクライナを非難している。ロシアはウクライナ侵攻を正当化するため、テロ攻撃の責任をウクライナに負わせようとした可能性がある。

 ロシアがこのテロ攻撃を利用する方法は他にもある。その一つは、親ウクライナ組織やロシアの戦争努力に批判的なロシア人によって広く使用されているテレグラムのようなソーシャルメディアを取り締まることだ。

 先週発表された国営メディアとのインタビューで、ロシアのペスコフ大統領報道官はテレグラムの創設者パベル・デュロフ氏を批判し、このアプリは「ますますテロリストが用いる道具となっており、テロリストの目的に使用されている」と述べた。

 プーチン氏らロシア高官がクロッカス・シティ・ホールのテロ攻撃を知っていたとする直接の証拠はない。しかし、証拠はその方向を示しているようだ。

 ロンドンに拠点を置く調査組織ドシエセンターは先週、ロシアの事前情報の可能性について新たな疑問を呈した。同センターは詳細な報告書で、モスクワのクロッカス・シティ・ホールへの3月22日の攻撃前に、「ロシアの情報機関はIS-Kを注意深く監視していた」と指摘した。

 同センターによると、「テロ攻撃の数日前、(ロシアの)安全保障会議のメンバーは、タジキスタン市民がロシア領土へのテロ攻撃に利用される可能性があるという警告を受けていた」という。

2015年6月27日土曜日、キューバのハバナで行われた記者会見で、米国上院議員団の一員が米国とキューバの国旗を交差させたピンバッジを着用している。(AP通信/デズモンド・ボイラン撮影)

米国転覆狙い共産主義を推進するキューバ 米国務省が警告

(2026年07月24日)
日本の小泉進次郎防衛大臣が、2026年5月31日(日)、シンガポールで開催されたアジアの年次防衛・安全保障フォーラム「シャングリラ対話」で演説を行った。(AP通信/アハマド・イブラヒム撮影)

小泉防衛相、核巡る議論呼び掛け GCAPやアジア連携も強化

(2026年07月23日)
リトアニアのケストゥティス・ブドリス外相は、2025年4月3日木曜日、ブリュッセルのNATO本部で開催されたNATO外相会議に出席するため到着した際、報道陣の取材に応じた。(AP通信/バージニア・メイヨー撮影)

リトアニア外相、ロシアの破壊工作は「侵略行為」 米軍駐留継続に期待

(2026年07月21日)
新華社通信が公開したこの写真は、2026年7月6日(月)、南太平洋で中国の原子力潜水艦から発射された長距離弾道ミサイルの発射実験の様子を捉えたものだ。(李向超/新華社通信提供、AP通信経由)

中露、スターリンク攻撃計画を極秘協議 軍事協力の実態判明

(2026年07月19日)
フィリピン沿岸警備隊が提供したこの写真には、2025年10月12日(日)、南シナ海のフィリピンが実効支配するティトゥ島(地元ではパグアサ島と呼ばれる)付近で、中国海警局の船舶(右)がフィリピンのBRPダトゥ・パグブアヤに向けて放水砲を発射する様子が写っている。(フィリピン沿岸警備隊提供、AP通信経由)

中国は依然国際法に違反 南シナ海仲裁判断10年で米軍

(2026年07月18日)
新華社通信が公開したこの写真には、2026年7月6日(月)、南太平洋で中国の原子力潜水艦から発射された長距離弾道ミサイルが海面から飛び出す様子が写っている。(李向超/新華社通信提供、AP通信経由)

米、中国のSLBM発射実験を「事前通報が不十分」と非難

(2026年07月13日)
2024年8月4日、ウクライナ国内の非公開の場所に設置されたパトリオット防空ミサイルシステムの上空を、ウクライナ空軍のF-16戦闘機が飛行している。(AP通信/エフレム・ルカツキー撮影、資料写真)

トランプ氏、ウクライナが「パトリオット」製造 専門家は生産開始に数年

(2026年07月12日)
2024年7月3日、カザフスタンのアスタナで開催された上海協力機構(SCO)首脳会議の傍らで行われた会談で、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(右)と中国の習近平国家主席が握手を交わした。(セルゲイ・グネーエフ、スプートニク、クレムリン・プール写真、AP通信経由)

中国企業、ロシア占領下のウクライナに進出 経済的影響力を拡大

(2026年07月11日)
ウクライナの無人システム部隊K-2旅団の兵士が、2026年6月22日(月)、ウクライナのドネツク州前線で、ロシア軍陣地に向けて飛行する前に、中距離ドローンを離陸地点で運んでいる。(AP通信/エフゲニー・マロレトカ)

ウクライナ防衛産業、実戦経験生かし欧州との連携を深化

(2026年07月10日)
2021年9月21日、ニューヨークで開催された第76回国連総会の期間中、総会議場内から見た国連本部ビル。(エドゥアルド・ムニョス/AP通信提供)

中国「民族団結法」施行に抗議、チベット人が米で焼身自殺

(2026年07月07日)
→その他のニュース