「アジアのデトロイト」に中国EVメーカー、工場建設

(2024年5月5日)

2023年9月25日月曜日、タイ・サムットプラカーン県のスワンナプーム国際空港で、タイのスレッタ・タビシン首相(右)と記念撮影をする中国人観光客。(AP Photo/Sakchai Lalit, File)

By Richard S. Ehrlich – – Friday, April 26, 2024

 「アジアのデトロイト」に、新世代のヘンリー・フォードが全く違う所からやって来た。

 輸入電気自動車(EV)の中国メーカーは、タイにおける日米の自動車販売に大きな打撃を与えており、中国メーカーは国内販売と輸出を拡大するため、バンコク近郊でのEV組み立て工場に10億㌦以上を投じている。

 タイは数十年にわたって自動車産業が盛んで、東南アジア最大の自動車製造・輸出国である。米国や欧州、日本の自動車メーカーは、この進化を続ける市場と戦うことを誓っているが、この戦略的な産業における世界的なパワーシフトを味わうことになるかもしれない。

 トヨタ、いすゞ、三菱、ホンダ、フォードなどの自動車メーカーは、ガソリンやディーゼル、液化石油ガスを燃料とする従来の内燃自動車の拡大する国内市場を依然として支配している。

 タイの外資系工場は年間250万台の自動車を生産しており、その多くは輸出向けで、その数は今後も増えると予想されている。中国はタイ国内市場へのEV輸出を開始した一方で、国内外での販売拡大に向け、タイに中国製EVを組み立てる工場を建設している。

 少なくとも8社の中国EVメーカーがタイでの生産投資を承認されている。タイ投資委員会のナリット・テルステラスクディ事務局長は記者団に対し、その中にはBYD、長城汽車、長安汽車、GACアイオンが含まれると語った。EVメーカーの奇瑞汽車は先週承認された。

 中国企業は、低コスト、有能な労働力、米国などによる中国製自動車への割当量を回避する方法に魅力を感じている。

 EVにおける中国の大きな強みは、南東海岸の港湾都市である深●(土へんに川)だ。そこでは、メーカーはEVを製造するための複雑な精密センサー、コンピューターチップ、バッテリー、その他のハイテクハードウエアや部品を手に入れることができる。中国共産党政府は、中国を世界的なハイテク大国にするための長期計画で、EV製造を最優先事項としている。

 最新の投資動向では、BYDと長城汽車がタイの新しいEV生産・組立施設に14億㌦を投資することに合意したと報じられている。

 BYDは3月に開催されたバンコク国際モーターショーで、1回の充電で300マイル(約480㌔)走行できるとされる2万4000㌦のドルフィンEVと、360マイル(約580㌔)走行できる4万4000㌦のシールを展示し、来場者の興味を引いた。BYDは昨年末、EV販売台数世界一のイーロン・マスク氏のテスラを一時的に抜いてトップとなり、世界的に話題を呼んだ。テスラは今年第1四半期に王座を取り戻した。

 奇瑞汽車の契約では、タイ国内および輸出市場向けの車両を生産するため、タイに工場を建設する。中国・蕪湖市に拠点を置く国営企業の奇瑞は、中国第3位のEVメーカーだ。タイ投資委員会は4月22日、2025年にEVとハイブリッド車5万台を生産する予定だと発表した。

 中国の投資家が、飛躍的な成長を牽引(けんいん)している。

 東京に拠点を置く日経新聞は2月、自動車専門メディア「オートライフ・タイランド」の数字を引用して、「2023年のタイのEV販売台数は前年比7.8倍の7万6314台に達した」と報じた。「BYDがEV販売台数の約40%を占めてトップ。中国企業がEV販売の約80%を占め、日本ブランドは1%未満だった」という。

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