選挙戦終盤 災害と混乱に見舞われるハリス氏

(2024年10月8日)

2024年9月30日月曜日、ワシントンに向かう途中、ラスベガスでエアフォース2に乗り込む民主党大統領候補のカマラ・ハリス副大統領。(AP Photo/Carolyn Kaster)

By Susan Ferrechio – The Washington Times – Wednesday, October 2, 2024

 多くの死者を出したハリケーン、大規模な労働争議、世界中で勃発する戦争など、選挙1カ月前のバイデン-ハリス政権を取り巻く危機は枚挙にいとまがない。

 民主党は、ドナルド・トランプ前大統領がホワイトハウスに戻れば混乱を招くと何カ月も前から有権者に警告し、トランプ陣営はこれに強く反発している。

 ハリス氏はこの夏、ミルウォーキーで開かれた集会で、「自由か混沌かの選択だ」と聴衆に語った。

 中東で戦争が勃発し、不法移民が南部の国境を越えて押し寄せ、ジョージア州とノースカロライナ州の住民がハリケーン「ヘリーン」の余波の中でバイデン-ハリス政権に助けを求める中、ハリス氏の主張は有権者の心に響いていない。

 バイデン大統領は2日、連邦緊急事態管理庁(FEMA)が支援物資を届け、洪水で立ち往生した人々を救出するなか、ヘリコプターでノースカロライナ州の被災地を視察した。

 バイデン、ハリス両氏は、政府が不法移民の保護に数百万ドルを費やし、ウクライナに1750億ドルの援助を送っていながら、被災地訪問を延ばし、十分な支援を提供しなかったと批判されている。

 バイデン氏は今週、ノースカロライナ州やジョージア州の壊滅的な被災地にさらに資源を投入するのかとの質問に対し、「全力を尽くした」と答えた。

 バイデン氏は、30日に東海岸のすべての海運を停止させた港湾労働者のストライキを解決しようとしなかった。このストライキは、今後数週間の経済的災厄をもたらす恐れがあるにもかかわらず、バイデン、ハリス両氏はストライキを支持した。このストライキによって、全米のサプライチェーン(供給網)は混乱し、店の棚は空っぽになり、何千人もの労働者が解雇されることになりそうだ。

 トランプ陣営で世論調査を行っているジム・マクラフリン氏は「大統領選は通常、2つのP、つまりピース(平和)とプロスペリティー(繁栄)で決まる。今はそのどちらもない。世界も国も火の車で、火の車でないところは水の中だけだ」と述べた。

 ハリス氏は「そこから逃げることはできない 」と同氏は言う。

 世論調査でトランプ氏とハリス氏の支持率は、選挙を左右すると思われる重要な激戦州でほぼ拮抗している。

 データによれば、有権者は国家と世界の現状を憂慮しており、これらの最重要課題に関してハリス氏を信頼していない。

 ミシガン、オハイオ、ウィスコンシン州で行われたニューヨーク・タイムズ/シエナの世論調査では、有権者に2人の大統領候補についての「最大の懸念」を尋ねた。

 ハリス氏に対する有権者の懸念のうち、13%が経済と移民問題への対応を挙げた。トランプ氏に関しては2%以下だった。

 経済と移民問題は有権者の優先順位の中で最も高く、世論調査は、ハリス氏への支持が、バイデン政権への支持とは無関係でないことを示唆している。

 「この国は間違った方向に向かっている」と答えた有権者は60%にも上り、「正しい方向に向かっている」と答えた有権者は31%だった。

 トランプ氏は不満を持つ有権者を取り込み、ハリス氏を「カオスを招く候補」として描こうとしている。

 選挙集会でトランプ氏は、犯罪者が不法に国境を越え、米国社会で犯罪を犯すことを許しているとして、ハリス氏を非難している。

 トランプ氏は7月、ミネソタ州セントクラウドでの集会で、「超リベラルのカマラ・ハリスは、わが国に犯罪、混乱、騒乱、死をもたらす。私は米国に法と秩序、正義を取り戻す」と参加者に語った。

 1日の副大統領討論会で、オハイオ州のJ.D.バンス上院議員は、バイデン政権下で起きているさまざまな問題を取り上げた。

 「世界の混乱や、アメリカン・ドリームが実現不可能だという感覚を、多くの皆さんが不安に思っていることを私は知っている」

 ハリス氏の副大統領候補で、ミネソタ州知事のティム・ウォルズ氏は、トランプ氏を中東情勢やウクライナとロシアの戦争に対処する能力がない人物として描こうとした。また、トランプ氏は「気まぐれ」で「世界がこれだけ危険に満ちている中で、さらに危険だ」と強調。ハリス氏は、冷静で安定したリーダーシップを発揮すると述べた。

 バンス氏は、イランが今週イスラエルに向けて発射した弾道ミサイルは、トランプ氏が退陣した後、バイデン-ハリス政権が凍結を解除した1000億ドルのイラン資産で賄われたものだと反論した。

 バンス氏は、「(トランプ氏は)実際に世界に安定をもたらし、効果的な抑止力を確立することでそれを実現した」と述べた。

 また、トランプ氏は「力による平和」と、有権者が求めるリーダーシップを発揮するはずだと語った。

 ハリス氏は2日、選挙遊説のスケジュールを中断してジョージア州の洪水被災地を訪れた。ホワイトハウスによると、彼女はノースカロライナ州も訪問する予定だという。どちらも大統領選の勝敗を左右する可能性のある州だ。

 トランプ氏は30日にジョージア州を訪れ、支援物資を配布。バイデン氏が被災地の人々を助けるために十分なことをしていないと批判した。トランプ氏は、バイデン氏がジョージア州のブライアン・ケンプ知事に手を差し伸べなかったと主張したが、これは間違っている。

 バイデン氏はトランプ氏の発言を「無責任」と非難。ケンプ氏は、バイデン氏と話し、州はFEMAから必要な物資を受け取ったと述べた。

 「他にも必要なことがあれば、直接電話してほしいと申し出てくれた。感謝している」

 ノースカロライナ州を拠点とする民主党のコンサルタント、モーガン・ジャクソン氏は、洪水対応で有権者がハリス氏を拒否することはないだろうと述べた。甚大な被害を受けたアッシュビルやその他の町の住民は、水やその他の緊急に必要とされる物資がなかなか届かないと語っているが、今、政府から大規模な援助が流れ込んでいることは、ハリス氏を助けることになるかもしれない。

 ジャクソン氏は「連邦政府が積極的に動いているのだから、ハリス氏は何よりも恩恵を受けるだろう。連邦が介入し、支援していることを人々は評価している。それが彼女を少し後押しする可能性はある」

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