反ハリス運動が激戦州に拡大 イスラム・アラブ社会から怒り-米大統領選
(2024年10月22日)
By Jeff Mordock – The Washington Times – Friday, October 18, 2024イスラム教徒とアラブ系米国人の指導者の連合組織が、カマラ・ハリス副大統領を「ジェノサイド(大量虐殺)容認候補」とする運動を、大統領選の激戦州、ウィスコンシンとジョージアに拡大した。
この組織は「アバンダン・ハリス(ハリスを捨てよう)」。18日にこれらの激戦州に進出することを発表した。また、有権者をハリス氏から遠ざけ、アバンダン・ハリスが支持する緑の党のジル・スタイン候補に誘導するための大規模な活動も計画している。
アバンダン・ハリスのスポークスマン、ハッサン・アブデルサラーム氏は、ハリス氏がパレスチナ自治区ガザの恒久的停戦を積極的に推し進めず、イスラエルへの全面的な武器禁輸の考えを拒否しているため、ハリス氏を支持できないと述べた。
また、ハリス氏がイスラム教徒やアラブ系米国人の有権者にアピールするために停戦の可能性を「ちらつかせる」一方で、ガザの人道危機を止めるためにはほとんど何もしていないと非難。この組織は、ハリス氏を激戦州で負けさせるように「運命」づけられていると主張している。
アブデルサラーム氏はワシントン・タイムズに「大統領と副大統領は、私たちのコミュニティーに対して二枚舌を使い、この大量虐殺戦争に対して曖昧な態度を取ってきた。イスラエルが崩壊寸前の罪のない人々への攻撃を続けるのを許してきた」と語った。
「副大統領は、子供も女も男も火に包まれ、目の前で焼かれているのに、停戦はすぐそこだと主張することで『停戦をちかつかせてきた』。これは(バイデン大統領が)よく使っていた手だ」
アバンダン・ハリス運動は今年初め、副大統領との面会を求めたが、陣営は面会を拒否した。
ハリス陣営の広報担当者は、ワシントン・タイムズのコメント要請にすぐには応じなかった。
イスラム教徒の有権者は、イスラエルを悪とみなす若いリベラル派と協力しており、激戦州でハリス氏にとっては頭の痛い問題となりそうだ。
国勢調査のデータによれば、2020年、ウィスコンシン州での票差はわずか2万だったが、ここにはおよそ4万人のイスラム教徒の有権者がいる。統計分析サイト「538」によると、ウィスコンシン州ではハリス氏とドナルド・トランプ前大統領が同数であることが明らかになった。
マーケット大学の世論調査によると、ウィスコンシン州のイスラム教徒有権者の間でハリス氏は、スタイン氏にリードを許している。ハリス氏はガザの紛争を「大量虐殺戦争」と呼び、スタイン氏はこの紛争を終わらせると繰り返し宣言してきた。スタイン氏のイスラム教徒票は44%で、ハリス氏の39%、トランプ氏の8%を上回っている。
全米のイスラム教徒は4年間、バイデン大統領を圧倒的に支持し、トランプ氏支持の6%に対し86%を占めた。
アラブ・アメリカン・インスティチュートの世論調査によると、アラブ系米国人の支持率は、トランプ氏とハリス氏は42%対41%でほぼ同率。投票に行く可能性のある人では、トランプ氏がハリス氏を46%対42%でリードしている。
世論調査は、トランプ氏が、ガザでの紛争を封じ込められなかったバイデン政権に対するアラブ社会の不満と怒りの恩恵を受けていることを示している。