トランプ、ハリス両氏、海外での米国の役割巡り対立

(2024年10月28日)

学校選択と教育の自由に関するイラスト: Alexander Hunter/The Washington Times

By Editorial Board – The Washington Times – Wednesday, October 23, 2024

 現状維持の支持者にとっては、民主党候補の外交政策スタンスは心地よいだろう。ハリス副大統領は、過去3年半の間に下されたすべての重要な決定の場にいた。

 バイデン大統領はこう説明する。「副大統領として、彼女にできないことは一つもなかった。だから私は、外交政策から国内政策まで、あらゆる責任を彼女に委ねることができた」

 この実地訓練のおかげで、そして国際問題において現在の路線を維持するという彼女の公約のおかげで、350人の外交政策と国家安全保障の専門家がハリス氏を大統領候補として支持した。この中には、2020年の大統領選挙期間中にハンター・バイデン氏のノートパソコンはロシアに仕組まれた偽物だと主張する書簡に署名した専門家も含まれている。

 この経験のマイナス面は、バイデン=ハリス政権の外交政策が不安定なスタートを切ったことだ。2021年8月のアフガニスタンからの米軍撤退は13人の米兵の命を奪い、タリバンにはライフル、ヘリコプター、火砲、爆弾といった強力な兵器を残した。

 ホワイトハウスが民主党の手に戻ると、ロシアはウクライナの領土をさらに奪う自由を得たと感じた。この戦争は泥沼化し、100万人近い死傷者が出たと推定されている。

 バイデン=ハリス政権の国際戦略の第一人者たちは、ロシアを弱体化させる紛争を長引かせれば米国が強くなると考えている。したがって、政権は和平交渉の試みを思いとどまらせ、戦闘を継続させるために1750億㌦の援助を送り込んできた。

 ハリス氏はオバマ元大統領のイラン核合意を復活させたいと考えているが、これはドナルド・トランプ氏が大統領就任時の2018年に離脱したものだ。バイデン=ハリス政権が発足して以来、石油販売に対する制裁執行の緩和と160億ドル以上のイラン資産の凍結解除でイランをなだめてきた。

 新たに潤沢な資金を得たイランは、ガザ地区、イエメン、レバノンの撹乱工作員を再武装させた。昨年、ハマスがイスラエルに侵入し、殺人を犯したことで勃発した危機のために、これらの過激派勢力は再活性化した。

 イスラエルによる報復は、民主党支持層の亀裂を露呈させた。イスラエルの自衛権を支持する人々は、党内のイスラム派閥とはもはやうまくやっていけない。両者をなだめようとするハリス氏の政策は、あるときはイスラエルを擁護し、あるときは停戦を要求するなど、混乱しているように見える。

 先週、FOXニュースのホストであるブレット・バイアー氏から、自身のスタンスを明確にするよう求められたハリス氏はこう答えた。「私は、直近の攻撃ではシチュエーションルームにいて、米国がイスラエルを防衛し支援するために常にしなければならないことを、軍のトップとともに行っていた。イスラエルが自国を防衛し、米国が支援を与えるという責務がある中、イスラエルが攻撃から自国を守るための資源を持てるようにするためだ」

 トランプ氏は、現在の政権の方針が世界をより危険なものにしていると懸念している。「このままでは第3次世界大戦に突入しかねない。ロシアとウクライナを見てほしい。大惨事となっている。中東を見てほしい、あちこちで紛争が勃発している」

 FOXニュースのタウンホールで、トランプ氏は最高司令官として実行したビジョンを示した。「私は軍隊を帰国させた。私はシリアから撤退した。私はイスラム国を倒した。ご存知のように、私は新たな戦争を始めなかった。79年間、このようなことは起こっていない。米国第一でなければならない。われわれは人々を助けるつもりだが、ある国に6万人の兵士、(別の国に)4万人の兵士を駐留させる理由はない」

 トランプ氏のスローガンである「米国を再び偉大に」は、ダボス会議のカクテルパーティーで何が流行るかではなく、すべての決定を米国市民への影響によって評価することで、外交政策の既成概念を打ち破るものだ。

 トランプ氏は2016年の大統領選出馬に際し、民主・共和両党の指導者が推進する誤った海外冒険主義を終わらせる意向を示した。「すべては、西側の民主主義国家になる経験も関心もない国々を西側の民主主義国家にすることができるという危険な考えから始まった」。

 トランプ氏は大統領として、世界の舞台で強さと予測不可能性を示した。彼は独裁者を呼び出し、脅しをかけた。それらの強者たち、特に中国、北朝鮮、ロシアの指導者たちは、一線を越えたら本当にトランプ氏が核兵器を発射するのかと疑った。だからそうしなかった。

 さらに、イスラエルとアラブ諸国との関係を正常化したアブラハム合意もあり、世界は4年間穏やかなものとなった。

 世界の舞台における米国の役割について、これらの異なるビジョンのどちらを選ぶかは有権者次第である。

米新型砕氷船の建造計画に大幅な遅れ 北極圏で安全保障上のリスクに

(2024年12月20日)

ニューヨークの危険な左翼

(2024年12月13日)

ハンター・バイデン氏への恩赦

(2024年12月07日)

性自認巡りハリス氏を批判 トランプ氏の勝因に-調査

(2024年12月03日)

トランプ政権は教育からのマルクス主義者排除目指す

(2024年11月26日)

競争阻害するバイデン政権 スピリット航空が破産

(2024年11月24日)

トランスジェンダーの女性トイレ使用禁止 共和議員が決議案

(2024年11月20日)

トランプ新政権、2期目も「ハネムーン」なし

(2024年11月19日)

強制送還を開始せよ

(2024年11月16日)

トランプ氏再登板は東南アジア各国に利益

(2024年11月15日)
→その他のニュース