アフリカが中東に代わり世界のテロ震源地に

(2025年11月13日)

ナイジェリアのボラ・アフメド・ティヌブ大統領(中央)が2024年9月1日、北京首都国際空港に到着した。(グレッグ・ベイカー/プール写真 via AP)

By Ben Wolfgang – The Washington Times – Monday, November 10, 2025

 トランプ大統領がナイジェリアでの軍事行動を突然ほのめかしたことで、これまで見過ごされがちだった現実が再び注目を集めている。アフリカは米軍にとって特に活発な紛争地域の一つだ。

 国連はアフリカ大陸について「世界のテロリズムの震源地」と説明しており、中東に代わって米国とその海外権益、同盟国を脅かすイスラム過激主義の世界最大の温床となった。昨年だけで大陸内で3400件以上のテロ攻撃が報告され、死者は約1万4000人に上った。

 米国はアフリカ全土に約6500人の兵力を展開させている。小規模だが、現地のテロ組織を積極的に攻撃している。

 米アフリカ軍(AFRICOM)の統計によれば、今年だけでソマリアのアルシャバーブやイスラム国(IS)などのテロ組織に対し、少なくとも89回の空爆を実施した。

 AFRICOMによると、6500人の部隊は「大陸全域」に配備されている。約3500人はジブチのレモニエ基地に駐留している。AFRICOM当局者は、安全上の懸念から、残りの部隊の所在については明らかにしなかった。

 一部アナリストは、アフリカ大陸での米国の取り組みについて、ミッション全体として明確な目標が欠けており、急速に拡大する問題に対処するには不十分と指摘している。

 また、米国の対テロ作戦に、成功の具体的な指標や具体的な目標があるかどうかも不明だ。ピート・ヘグセス国防長官室は、これらの目標と目的を明確にするよう求めたワシントン・タイムズのコメント要請に応じなかった。

 一部アナリストは、トランプ政権の取り組みは不十分であり、アフリカのパートナー軍の中には、米国がテロの脅威に真摯に長期的に立ち向かう意志があるのか疑問を抱いているところもあると警告している。

 かつて国防総省で働き、現在はアメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)上級研究員のマイケル・ルービン氏は「われわれのドクトリンは、命にかかわるような傷をバンドエイドで手当てしながら、一方でモグラたたきをしているようなものだ。存在感はほぼなく、継続性もない。ソマリアにいたとき、(アフガニスタンのイスラム組織)タリバンと結んだような協定をアルシャバーブとも結ぶのかとよく尋ねられた」と述べている。

 ルービン氏はワシントン・タイムズにこう語った。「力の空白をつくらないことを目指すべきだ。空白が生じた時、われわれが行動を起こさなければ、そこは善良とは言えない勢力が埋めることになる。認識すべき問題は、トランプ大統領をコンゴ民主共和国のような場所に引きつけているもの、つまり、膨大な鉱物・金属資源が、同時にISのような組織も引きつけているという点だ」

 こうした背景のもと、トランプ氏はナイジェリアへの軍事行動の可能性に言及した。トランプ氏は最近、フラニ族の過激勢力やイスラム系反政府勢力によるキリスト教徒への残虐な襲撃が急増したことを受け、米軍計画立案者にナイジェリアでの行動準備を指示したと述べた。

 「ナイジェリアが望まないことをするつもりだ。恐ろしい残虐行為を行っているイスラムテロリストを完全に一掃するために、あの問題の国に銃を持って乗り込むかもしれない」

 トランプ氏はナイジェリアを米国の監視リストに「特に懸念すべき国」として追加したことを明らかにするとともに、この国で殺害されたキリスト教徒が昨年3100人と、世界のどこよりも多かったと指摘した。

 国際監視団体「オープン・ドアーズ」によれば、この3100人という数字は世界で殺害されたキリスト教徒の約70%を占める。

暴力の激化

 ナイジェリアで攻撃が激化したことは、アフリカでの米軍の関与が大幅にエスカレートすることを意味する。トランプ氏は、いかなる行動も長期戦ではなく「迅速」かつ「容赦ない」ものになると強調した。

 米国は近年、ナイジェリアで軍事行動を行ってきた。2020年には、ニジェールで武装集団に拉致され、ナイジェリアに連れ去られた米国人フィリップ・ウォルトン氏の救出作戦を米軍が展開した。

 米国はニジェールの主要ドローン基地2カ所に約1000人の兵士を駐留させていたが、同国を統治する軍事政権の要請を受け、昨年これらの基地から撤退した。

 米国はソマリアで、アルカイダ系組織アルシャバーブやIS関連組織を定期的に標的としてきた。

 米軍は、テロ組織に対抗する独自の組織を持たず、脆弱なソマリア中央政府と連携している。

 米国は従来、テロ対策任務を最終的にソマリア政府に完全移管する方針だったが、この方針が今も取られているかどうかは不明だ。

 テロの脅威は、アフリカ大陸東海岸の「アフリカの角」に位置するソマリアに限定されるものではない。

 ニジェール、マリ、ブルキナファソの一部を含むアフリカのサヘル地域は、IS、アルカイダ、「イスラム・ムスリムの支援団」(JNIM)などの過激派組織にとって、世界でも特に肥沃な温床となっている。

 サヘル地域の複数の国で相次いだクーデターはさらなる不安定と混乱をもたらし、これらの組織が影響力を拡大し新たなメンバーを募集する機会を提供した。

 国連によれば、サヘル地域は現在、世界全体のテロ関連死者数の半数以上を占め、過去3年間で年間6000人が死亡している。ブルキナファソは現在、テロ関連死者数が世界最多となっている。

 サヘル地域は最も死者の多い地域だが、テロ集団はアフリカ全域に勢力を拡大している。国連のデータによると、西アフリカでのテロ攻撃は、過去数年間で250%以上も急増した。国際機関によると、アルカイダとISは西アフリカで活動している。コンゴの「民主同盟軍(ADF)」やモザンビークのアフル・スンナ・ワル・ジャマアなどの集団が、暴力をあおっている。

 国連のアミナ・モハメド事務次長は今年初めのスピーチで「テロリズムは、今日のアフリカ大陸全体の平和、安全、持続可能な開発にとって最も重大な脅威だ」と述べている。

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