米海軍、優位性維持へ「ヘッジ戦略」 無人・電子戦システムに重点投資

(2026年5月7日)

ワシントン・タイムズ社動画より。

By Vaughn Cockayne and Guy Taylor – The Washington Times – Friday, May 1, 2026

 米国は現在、中国よりも速いペースで艦船を建造する能力を持っていない。そのため米海軍トップは、より優れた戦力のパッケージ化と無人システムの統合を柱とする次世代ドクトリンを推進し、世界での米海軍優位の維持を目指している。

 米海軍のダリル・コードル作戦部長(大将)は、短期間に造船分野で中国を超えることは、「これまで以上の高い生産速度」が必要となるため、現実的ではないと述べた。

 コードル氏はワシントン・タイムズの「スレットステータス」の独占インタビューで、「中国に対して造船で上回ることはできないし、海軍が抱える他の問題も建造だけでは解決できない」と語った。

 4月30日に公開された動画で「それは戦略としても成立しない」と強調した。

 中国は艦船数で米国を上回っており、中国海軍は約370隻、米海軍は約295隻と推定されている。ただし米海軍は、より大型で先進的な空母や長距離展開能力を持つ艦艇群により、依然として優れた戦力投射能力を維持している。

 それでも、中国の旺盛な造船能力と2050年までに「世界一流」の海軍を構築するという明確な目標を背景に、米国の海軍優位維持能力に対する懸念は米国家安全保障関係者の間で強まっている。

 コードル氏は2月に公表した「米海軍戦闘指針」で、自らの戦略構想を示した。この文書は将来の敵対国に対する殺傷能力の強化と、多様な紛争状況への適応力向上に向けた戦略的指針を示している。

 その中核の一つが、同氏の言う「ヘッジ戦略」であり、無人システムや電子戦システムなど多様な技術への重点投資を通じて、競合国が従来型艦船の建造で持つ優位性を相殺することを狙う。

 コードル氏は「われわれは約300隻の艦船を保有しているが、問題も多い。現在の規模の海軍には任務が過剰だ。空母打撃群に頼るだけでなく、今あるものをより高度なものへと最適化できる方法があるのではないか」と指摘した。

 比較的小規模の米海軍でいかにして、戦略的優位に立つかについて、その一例として、核兵器を搭載した潜水艦を挙げた。艦隊の約8%に当たる14隻の潜水艦が、米国の海上配備核抑止任務全体を担っている。

 また、機動性の高い戦力を組み合わせて脅威に対抗する例として、迅速かつ高リスク任務に特化した精鋭部隊である特殊作戦タスクフォース(SOTF)にも言及した。

 とりわけ重要なのは、将来の戦場で自律型の無人システムを大規模に導入することだと同氏は強調した。特にホルムズ海峡や台湾海峡のような重要地域での活用を想定している。

 コードル氏は、敵の攻勢時に大量の無人戦力を投入し、最大限の損害を与えつつ、米軍および同盟軍が従来型艦艇を展開する時間を確保する「カスタマイズされた無人戦力」の必要性を訴えた。

 「台湾有事だけに限らない。この種の能力はあらゆるチョークポイント(海上交通の要衝)で必要になる。紅海の出口やホルムズ海峡など、どこでも同様だ。当初は台湾問題を念頭に置いていたが、今ではより一般化された構想となっている」

 ただしこの戦略を機能させるには、無人・有人が混在する戦力全体で統一された指揮言語の整備が不可欠だとコードル氏は指摘した。

 また、「ミッションコマンド(権限委任型指揮)」の概念への理解が統合軍内で一貫していないとし、「インハーンスト・ミッション・コマンド・フレームワーク(強化権限委任型枠組み)」の下で段階的な自律性を付与することで指揮官の負担を軽減できると述べた。この枠組みでは、明確な役割と責任に基づき権限が分配される。

 コードル氏はこれについて、「私が無人システムをプログラムしたい場合、そのシステムに任せる自律性のレベルを設定することができる。その方法は、段階的な自律レベルという枠組みですでに出来上がっている。その枠組みを使って、スマート爆弾にどの程度の判断を委ねるのかから、打撃群にどの程度委ねるのかまで、同じ用語体系で統一的に説明できる」と説明した。

 同氏によると、それでも、米国の造船能力、すなわち有事に迅速に艦船を増勢する能力は依然として不十分であり、これは、仮に多様で柔軟な戦略が成功しても深刻な問題だという。

 同氏は、2025年4月に署名された大統領令「米国の海洋優位回復」を評価し、造船業再生への取り組みを支持した。政権はその後、海洋行動計画を発表している。

 同氏は「大統領は、わが国の造船業にルネサンスと復活が必要であることを正しく認識している。商業船だけでなく戦闘艦、補助艦、無人艦も含め、すべてをこれまで以上の速度で建造する必要がある。その実現には大きな改革が必要だ」と強調した。

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