デサンティス氏、アイオワ州で選挙戦本格始動 バイデン氏を狙い撃ち
By Susan Ferrechio – The Washington Times – Tuesday, May 30, 2023
【アイオワ州クライブ】フロリダ州のロン・デサンティス知事は、ドナルド・トランプ前大統領の共和党への支配を終わらせることを目指して、30日にアイオワ州デモインの西にある教会に詰めかけた人々の前で、大統領選への活動を開始。トランプ氏に代わる共和党指導者の姿を有権者に身近に感じてもらうことに成功した。
デサンティス氏は、デモインの西にあるクライブのエタニティー教会で、保守派のキム・レイノルズ知事から称賛を受け、紹介されると、1000人以上の参席者を前に大統領選への本格的な活動の開始を表明した。
バイデン政権は国を衰退に追いやったと主張し、その政策を覆す政策を掲げ、スピーチのほとんどは、共和党の第一の対抗馬であるトランプ氏ではなく、現大統領の批判に向けられた。
「この国は間違った方向に進んでいる。私たちはそれを見、感じている。私たちは、国が進むべき新しい方向を選択しなければならない。米国の偉大さの復活につながる道を選択しなければならない」
44歳のデサンティス氏は、トランプ氏以外の候補者の中で、全米とアイオワ州の両方の予備選挙有権者の間で二桁の支持を得ている唯一の候補者だが、全米で30ポイント、アイオワ州で20ポイント以上、トランプ氏に引き離されている。
出馬表明後の記者会見でデサンティス氏は、「正しいことのために立ち上がる」知事としての実績を訴えることで、トランプ氏支持者をある程度引き離すことができると語った。
「(アイオワ州の有権者は)私がそのために進んで矢面に立とうとしていることがいずれ分かる」
デサンティス氏の選挙戦始動発表には、熱心な支持者や、犯罪捜査や訴訟に直面しながら大統領選に出馬しているトランプ氏に代わる候補を探している好奇心の強い共和党有権者らが集まった。
トランプ氏は最近、ニューヨーク市の民事訴訟で数十年前の性的虐待と名誉棄損で起訴され、マール・ア・ラーゴの自宅での機密情報に関わる連邦当局による犯罪捜査を受けており、さらに2021年1月6日の議会議事堂襲撃前の行動に関しても捜査を受けている。
アイオワ州の有権者の中には、デサンティス氏を法的問題を抱えていない保守派の候補者として注目している人々もいる。
デサンティス氏の集会に妻のコニーさんと参加したウィリアム・シーフカスさん(66)は、「私たちはただ、どんな人か見に来ただけ。今、トランプ氏に起こっているすべての騒動にうんざりしている」と述べた。
シーフカスさんは、民主党がエネルギー生産を削減して経済を破壊し、国境を大きく開放し、全米の都市で犯罪を増加させて犯罪者を野放しにしていると非難した。
デサンティス氏は「マルクス主義思想」や「ウォーク(差別などに敏感)な」政策が公教育や一部の企業に取り入れられていることを糾弾、新型コロナワクチン接種義務化と都市封鎖は今も国民を苦しめていると非難し、スタンディングオベーションを受けた。
デサンティス氏は封鎖とワクチン義務化に反対しており、これらを推進したアンソニー・ファウチ博士を新型コロナ対策の最高顧問に据えたことについてトランプ氏を名指しを避けながらも非難した。
「ファウチのような人物に権限を与えてはいけない。オフィスに連れてきて、荷物をまとめるように言うべきだった」
また、デサンティス氏は、政府の歳出を抑制し、国の債務を削減することを約束した。この債務は、経済にダメージを与え、中産階級を苦しめていると述べた。
「バイデン政権は、一般家庭が生活費を稼ぐこと、中流階級のライフスタイルを獲得、維持することを困難にするために、あらゆることをしている」
デサンティス陣営と支持者は、アイオワ州はキリスト教徒が多いため、トランプ氏の優位を崩すチャンスだと考えている。
陣営や支持者によると、デサンティス氏は、フロリダ州で進めてきた保守的で、プロライフ(中絶反対)の政策で共和党の有権者にアピールでき、トランプ氏につきもののトラブルや法的問題がない。
州南東部のワシントンに住むマット・ウェルズさん(42)は、デサンティス氏の清廉な経歴と家族への献身を理由に、デサンティス氏を強く推している。
デサンティス氏は強固な保守主義者で、公立学校でのLGBTQ教育を制限するフロリダ州法を成立させたり、妊娠6週以降の中絶を禁止したり、ディズニーや他の企業のウォークな方針を非難したりしている。
ウェルズ氏はデサンティス氏のこれらの政策を支持しており、デサンティス氏は、小規模な集会で直接、政策に精通していることを示していくことで、アイオワ州の有権者、特に同世代の保守派を獲得できると考えている。
ウェルズ氏は「デサンティス氏は、私と同世代の人たちにアピールしやすいと思う。心配なのは、団塊の世代だ。この世代の人々が、一人の男に夢と希望を託しているように見えるからだ」
その「一人の男」であるトランプ氏は、週内にアイオワ入りし、FOXニュース・チャンネルのショーン・ハニティ氏とテレビ中継でタウンホール集会を行い、6月1日にはアーバンデールの「ウェストサイド・コンサーバティブ・クラブ」で、対面で有権者の質問に答える予定だ。
アイオワ州の党員集会は来年1月に行われる可能性が高く、共和党予備選の最初の争いとなる。
同州のベテラン政治活動家らは、デサンティス氏、あるいは同州で小売政治に取り組む共和党候補者の誰もが、トランプ氏の大きなリードに切り込むチャンスがあると語る。
アイオワ州共和党全国委員会のスティーブ・シェフラー氏は、「今はトランプ氏が優勢と言うのが妥当だが、それで決まりというわけではない。何が起こるか分からない。ここに来て、活発に活動する人なら誰でも、受け入れられる可能性はある」と述べた。