大統領選候補が大会で保守系ママ組織にお墨付き
By Kerry Picket – The Washington Times – Saturday, July 1, 2023
親の権利に焦点を当てた活動家による組織「マムズ・フォー・リバティ(自由を求めるママたち)」は、共和党の大統領選有力候補たちが、発足して間もない同団体による全国集会に駆け付けたことで、新たに得た政治的影響力を見せつけることになった。
ドナルド・トランプ前大統領やロン・デサンティス・フロリダ州知事、ニッキー・ヘイリー元国連大使が登壇したことは、新型コロナウイルスのパンデミックの最盛期である2021年に発足して以来、この組織が飛躍的に成長し、影響力を増していることの証しである。
「教育委員会の選挙やPTAの会合、そして全米の公会堂で、あなたたちは急進左派のマルクス主義者や共産主義者たちに、決して忘れないであろう教訓を教えた。それは、全米のママたちに手を出してはいけないということだ」。トランプ氏は6月30日、フィラデルフィアのマリオットホテル内の「ボールルーム」で聴衆に語った。
29日に開幕した4日間の集会では、共和党の大統領候補であるビベック・ラマスワミ氏と元アーカンソー州知事のエイサ・ハッチンソン氏も演説を行った。
共和党の大統領候補たちが、子供の教育カリキュラムを支持者を活気づける争点として選挙戦を展開するのは初めてだ。共和党は、幼稚園から高校までの教育問題で、民主党とその支持基盤である教職員組合にほとんど主導権を譲ってきた。だが、パンデミックは、リベラル寄りの学校指導者に反発する親たちに活力を与え、米国の文化戦争に新たな戦線を開いた。「サッカーママ」の有権者が保護者の権利を求める有権者に変貌する中、共和党の候補者たちはこの動きを利用したのだ。
マムズ・フォー・リバティの活動家たちは、教職員組合と学校組織が、パンデミックによる学校閉鎖、マスクや新型コロナワクチンの義務化などで親や子供たちを不当に扱ったことから、この運動が生じたという。
「今年は親の年であると米国では認識されており、親たちは学校で政府が子供たちに与えるすべてのことにうんざりしている。親たちは、ついにそれにうんざりしたのだと思う」。サウスカロライナ州コルトン郡に住むマムズ・フォー・リバティのシンディ・ロバーツ委員長(50)はこう語った。
デビ・フィルマンさんは、親たちの声がようやく第一線に届いたと語った。
「政治家たちは、親たちの声が耳を傾けるべき重要な有権者であることに気付いている。納税者が学校にお金を払っているのだから、それはもっともなことだ」。ノースカロライナ州シャーロットの自宅から同集会に参加した57歳のフィルマンさんは語った。
親たちが立ち上がる理由は極めて単純だと彼女は言う。
「パンデミックから学校閉鎖までの間、そしてその後、多くのケースでオンライン教育が学習損失をもたらしたことを目の当たりにして、親たちは動きだし、もっと最前線に立ってこの問題に取り組む必要があることに気付いたのだと思う」
この組織は、政治的左派から激しい反感を買っている。
南部貧困法律センターは、マムズ・フォー・リバティを「過激派」グループとし、「ヘイト団体リスト」に載せている。この公民権擁護団体は、マムズ・フォー・リバティがLGBTQの人々に嫌がらせをし、反同性愛の誤った情報を広め、学校教材を巡って多様性と包括性に反対していると非難している。
マムズ・フォー・リバティは45州に10万人以上の会員を擁し、その規模を生かして志を同じくする候補者を教育委員会など地方の役職に選出し、州議会にロビー活動を行っている。