中国の米EV市場進出を「警戒」
By Ramsey Touchberry – The Washington Times – Thursday, August 3, 2023
米通商当局者は3日、米国は化石燃料を大量に消費する自動車から環境に優しい電気自動車(EV)に転換することを目指しており、その中でバイデン政権は中国がもたらす脅威をはっきりと認識していると述べた。
米通商代表部(USTR)中国貿易執行局の主任顧問ブライアン・ジャノビッツ氏によると、中国がEVへの影響力を拡大しないよう米国は何段階もの防衛策を講じている。例えば、中国製EVへの27.5%の関税や、米国内生産を強化するための新たな税制優遇措置などだ。
ワシントン国際貿易協会主催のオンラインイベントでジャノビッツ氏は「今後もこの困難な課題に向き合っていく。脅威に対して目を光らせ、見逃すことは絶対にしない。不公平な貿易から労働者を守るため、必要な対応を取る」と述べた。
環境保護庁が提示している規則によると、米国の自動車メーカーは販売する車の大半を2030年までにEV車にすることを義務付けられている。これに対し業界と共和党は懸念を表明、このような急激な変化は、EVバッテリーに欠かせない鉱物資源の世界市場に対する中国の優位性を高めるだけだと主張している。
米国のEV市場シェアは、2022年販売された新車のおよそ7%だ。
業界アナリストも、中国の自動車メーカーによる急激な世界進出に警鐘を鳴らし、中国が米国のEV市場に浸透したり、他国で事業を行うことで関税を回避したりしやすくなるだけだと懸念を強めている。
バイデン大統領の中国との貿易問題への最近の対応から、グリーンエネルギー計画の強化と中国への厳しい対応との間で選択を迫られた時どのような措置を取るだろうかを巡って議論が巻き起こった。
バイデン氏は、中国の太陽光パネル企業が東南アジア諸国を通じて製品を投入することで、米国の貿易法を回避したと判断したにもかかわらず、安価な海外の製品で国内の太陽光発電プロジェクトを支えるために、2年間の関税一時停止を維持した。
これを受けて一部の民主党議員が共和党と連携して、関税一時停止を終わらせるための法案を通過させたものの、バイデン氏は拒否権を行使した。
カリフォルニア州に拠点を置くEV・自律走行車コンサルティング会社ZoZoGoの創設者マイケル・ダン氏は3日のイベントで、中国の自動車メーカーは世界中でEV生産を増やすことで米国の関税を回避する方法を模索している可能性が高いと警告した。これには東南アジア、欧州、中東、アフリカ、メキシコ、南米など、基本的に米国以外のあらゆる場所が含まれる。
ダン氏は、「今日の中国の自動車製造業について考える時、邪魔なものはすべて力で踏み付け破壊する現代のゴジラを想像してみてほしい。中国は地球上の車の3台に1台を製造している。中国は現在、100カ国以上へ輸出しており世界第1位の自動車輸出国だ。中国がまだ大きな攻勢を始めていない唯一の市場はここ米国だ」と述べた。
ダン氏は、中国の自動車メーカーが米国へ参入する際、三つの主な障壁があると述べた。ジャノビッツ氏によると、バイデン政権は現在、そのうちの二つに依存している。この三つの障壁とは、27.5%の自動車関税、税制優遇措置を受けられないこと、ここ数十年で最も高い米中間の政治的緊張だ。