ペンス氏、来年の予備選は保守対トランプ・ポピュリズムの戦い
By Seth McLaughlin – The Washington Times – Wednesday, September 6, 2023
マイク・ペンス前副大統領は6日、2024年の共和党大統領候補指名争いを、トランプに触発され、国家と党を「破滅への道」に追い込む政治的ポピュリズムから、保守的な考え方や思想を救う最後のチャンスと位置づけていることを明らかにした。
ペンス氏は、1964年の共和党大会でのロナルド・レーガン氏の演説を引用し、党にとって「選択の時」だと述べた。
ポピュリズムの高まりは、世界の舞台での米国のリーダーシップを放棄し、憲法を踏みにじり、妊娠中絶の問題を州に譲ることにつながると述べた。
ペンス氏はセントアンセルム大学のニューハンプシャー政治研究所での演説で「共和党の仲間たちに問いたい。これからの時代、われわれは保守主義の党となるのか、それとも保守主義の原則から解き放たれたポピュリズムのサイレンの歌に従うのか。この運動、この偉大な党の未来は、どちらか一方であり、両方ではない」と語った。
「それは、この二つの派閥の間にある根本的な溝は埋められないからだ」
ペンス氏は、予備選への糸口を探っているが、今のところ思い通りになっていないようだ。
一方でペンス氏はトランプ・ペンス政権の功績を称えている。
しかし、中絶やトランプ氏の選挙が盗まれたという主張、ウクライナ支援などの問題では、トランプ前大統領と距離を置いている。
トランプ氏の忠実な支持者は依然、ペンス氏には、2021年1月6日の投票結果の承認を阻止するためにもっとできることがあったはずだと考えている。だが、投票結果の正当性を示す証拠はあるものの、ペンス氏は、トランプ氏支持者らの説得に苦労している。
ペンス氏はまた、大統領在任中のトランプ氏の行動を抑制するためにもっとできることがあったはずだと考える非トランプ支持の有権者を味方につけることにも苦労している。
ペンス氏は6日、トランプ氏は保守派として統治するという2016年の約束を実行したと述べたが、「トランプ氏と支持者らは今、その約束を守っていない」と述べた。
「ドナルド・トランプ氏や、ポピュリストの支持者や模倣者ら(その中には共和党の大統領候補指名を狙う者もいる)はホワイトハウスの進歩主義者らにとって代わろうとしているが、言っていることは似ていることが多い」
64歳のペンス氏のメッセージは、予備選の有権者にはまだ浸透していない。
世論調査では、トランプ氏がフロリダ州のロン・デサンティス知事を大きく引き離してトップであるのに対し、ペンス氏が支持率1ケタ台に低迷している。メッセージもスタイルもトランプ氏に似た選挙戦を展開しているビベック・ラマスワミ氏らよりも支持は低い。
トランプ陣営の広報担当ジェイソン・ミラー氏は、ペンス氏のメッセージは時代遅れだと述べた。
ミラー氏は声明で「2016年のトランプ大統領の勝利は、全米の有権者と、政界中枢の既得権益層との間の大きな溝を露呈させた。この既得権益層は、ひどい貿易合意を行い、南部国境が蹂躙されるのを許し、米国に世界の警官を演じさせてきた。保守運動と共和党はいい方向に変化しており、誰も以前のような状態に戻ることを望んでいない」と主張した。
しかし、ペンス氏は、予備選有権者が小さな政府、自由な企業活動、財政責任、伝統的価値観の原則に戻ることを望んでいる。これは、ペンス氏が尊敬するレーガン元大統領が広めたものだ。
そうでなければ、共和党は来年、バイデン大統領を追い出す機会を失うことになる。
元インディアナ州知事で元下院議員のペンス氏は、数カ月前から同じ主張を繰り返してきており、トランプ氏に触発された共和党の勢力は、個人の自由、小さな政府、法の支配、海外での力による平和、財政責任といった基本的な保守主義の信条を土台とする党にとって有害だと有権者に訴えてきた。
ペンス氏は、保守派はポピュリズムとの戦いを、リベラリズムからの挑戦と同じように捉えるべきだと述べた。
「間違いなく、彼らは破滅への道を進んでいる。この一派は成長しており、小さな政府への信頼と伝統的な価値観を、個人的な不満と怒りのパフォーマンスに置き換えてしまうだろう」
ペンス氏は、デサンティス氏が「自身の考えに反する政治的立場をとった」ことを理由に、ディズニーを「国家権力を使って罰した」と非難した。ペンス氏は、59%の相続税を支持していたとしてラマスワミ氏を非難した。
ペンス氏は「彼らは政治的な計算から、債務危機の到来を否定している」と主張、議会は、社会保障と高齢者向け公的医療保険(メディケア)が引き起こしている問題に対処すべきだとの考えを示した。
「ジョー・バイデンとドナルド・トランプは、いずれ訪れるこの問題は自分の問題ではないという点で一致している」