バイデン政権の規則、理念巡り学校が相次ぎ提訴
By Alex Swoyer – The Washington Times – Thursday, July 18, 2024
バイデン政権がイデオロギーの違いを理由に導入している連邦規定に反対し、営利・非営利の学校が訴訟を起こすケースが増えている。
営利目的の学校を支援する団体「キャリア教育大学協会」(Career Education Colleges and
Universities)は、バイデン政権による学生ローンの借り手保護規定と最低限規則の変更に対する訴訟を支持している。批評家らは、こうした変更によって営利・非営利問わず学校が閉鎖に追い込まれる可能性があると指摘している。
非営利学校であるカイザー大学も、学校教育無償化の要望に基づいているとされるバイデン政権の政策に反対している。
「イデオロギー的に思えるし、彼らが主張してきたように高等教育が無償であるべきだという一種の信念でもあるようだ」とカイザー大学のアーサー・カイザー学長は述べ、「どう考えても私立教育機関に問題を引き起こすものだ」と強調した。
また、航空整備士や美容師、医療従事者などを養成する営利目的の専門学校の代表で「キャリア教育大学協会」上級副会長兼法律顧問であるジェド・ブリントン氏は、「学位課程を伴わない労働力のための訓練を提供する学校も混在している」と語った。
さらにブリントン氏は、「民主党の中には、営利目的の学校をすべて廃止すれば高等教育の世界はより良くなると考える人もいる」とした上で、「私の考えでは、それは非常に有害だ」と述べた。
問題となっている規定の一つは、政府が2022年に実施しようと動いた借り手保護規定だ。あらゆる基準を満たした学生がローン免除を申請できるようにするものとなっている。
この規定ではまた、教育省は裁判所ではなく借り手の苦情に基づいて教育機関を裁くことができる。教育省が学校の怠慢や不正行為を認定すれば、借り手のローンは免除される可能性がある。
そうなった場合、連邦政府は教育機関から資金を回収できることになる。
ブリントン氏の団体は、テキサス州の職業専門学校グループが教育省に対しこの規定の施行を差し止めるよう求めた訴訟を支持した。このグループは、教育省の規定は違法であり、免除されたローンの回収で学校側に負担がかかると主張した。
連邦第5巡回控訴裁判所は4月、これに同意し、同省に規定の施行差し止めを指示した上で、訴訟を地方裁判所に差し戻した。
第5巡回区控訴裁判所は判決文で、「規定は損害賠償を前提としている」と述べた。
「借り手の免責請求が認められれば、その後の回収手続きにおいて学校側の責任が推定されるにもかかわらず、規定で定められた裁定手続きにおける借り手の保護または回収段階のいずれにおいても学校側には証拠開示や反対尋問の権利が与えられていない。また、規定には借り手の保護または回収裁定手続きを担当する職員が法律の研修を受けているという要件もない」
第9巡回控訴裁判所でも、借り手保護規定に関わる別の訴訟が係争中だ。営利・非営利の複数の学校によるグループが借り手と教育省の間の和解に介入しようとしたもので、同省は営利・非営利の教育機関約150校のローンを全額免除する措置を取ろうとしていた。
また、テキサス州の別の職業専門学校のグループは、バイデン政権による「最低限規則」の実施を中止した。この規則は、営利目的の学校が学資援助を受けるために、州の定めた最低限の時間内で免許を発行することを義務付けるものである。
例えば、テキサス州ではマッサージセラピストの免許取得に最低500時間の研修が必要である。600時間の免許取得研修を提供する学校は、連邦学資援助を受ける資格がない。
テキサス州の専門学校は、この規則は連邦法に違反していると主張した。