技術窃取防止策の廃止要求、親中大学教授ら司法省に書簡
By Bill Gertz – The Washington Times – Monday, September 13, 2021
トランプ政権時に米司法省が、中国による技術窃取を防止するために立ち上げたプログラム「チャイナ・イニシアチブ」の廃止を求める公開書簡を、スタンフォード大学の教授77人が提出していたことが明らかになった。
ガーランド司法長官に宛てた8日付の書簡で教授らは、米国の国家安全保障のために情報を守る必要性を認めた上で、「イニシアチブが当初の目的から逸脱し、研究と技術での米国の競争力を弱め、アジア系研究者らへの偏見と差別をあおっている」と主張、廃止を強く求めた。
公開書簡は、研究者らが「中国との個人的、職業的つながりだけを理由に」捜査の対象になっていると主張、「中国出身の研究者」が標的になっていると訴えている。
約3年前に発足したイニシアチブによってこれまで、研究者、中国国籍保有者、情報当局者ら数十人が起訴され、そのうちの多くは、中国の人材獲得プログラム「千人計画」に関わっていた。バイデン政権になってから、逮捕、起訴の数は減少している。
ボストン在住の中国人実業家、覃樹仁が今月に入って、10万㌦を超える米国製品を中国軍系の大学に違法に輸出したとして、懲役2年の判決を受けた。覃は、移転が制限されている空中・水中無人機、ミサイルを輸出。一部は、中国人民解放軍(PLA)に送られていた。
また、テネシー大学教授、胡安明氏は、中国政府との関係を隠したまま、米航空宇宙局(NASA)での研究プロジェクトへの助成金を申請したとして起訴されたが、今月に入って訴えは連邦裁判所で棄却された。情報機関員らの証言によると、胡氏は、テネシー大学で働く一方で、北京工業大学でも雇用されていた。
書簡には、国家情報長官室の元情報分析担当副部長で、現在はスタンフォード大学教授のトマス・フィンガー氏も参加している。フィンガー氏は親中派で知られ、情報担当国務次官補の経験もある。
参加者の多くは、科学、技術関連のプログラムに関わっており、中国系米国人も多い。