「秩序」確立し中国封じ込め AUKUS(オーカス)

(2021年11月21日)

2016年7月19日、オーストラリアのキャンベラにあるガバメントハウスで、ピーター・コスグローブ総督からニューサウスウェールズ州の上院議員として宣誓されるアーサー・シノディノス。(AP写真/Rob Griffith)

By Mike Glenn – The Washington Times – Thursday, November 18, 2021

 アーサー・シノディノス駐米オーストラリア大使は、9月に発足した米英豪の安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」について、豪州の原潜建造支援など兵器をめぐる合意にとどまるものではなく、「ルールに基づく秩序」を確立し、中国を封じ込めることが目的だと強調。国防費の国内総生産(GDP)比2・5%への増額を目指していることを明確にした。

 シノディノス氏は17日、ワシントンでの国防担当記者団との会合で、オーカスの主要目的は、戦略地政学的な焦点がインド太平洋にシフトする中で、「世界的なルールに基づく秩序」を構築することにあると指摘。20世紀後半から今世紀にかけての「主要テーマ」は中国の経済的、軍事的大国としての台頭だと強調した上で、「目指しているのは中国をこの秩序に取り入れることだ」と述べた。

 また、オーカスは「国家を超えた」枠組みとの見方を示す一方で、「情勢は変わった。自国だけでは対応できず、米国も同じことを考えている。力を合わせ、戦力を増強する」と、多国間で中国の封じ込めに取り組む必要性を訴えた。

 さらに、オーストラリアが軍事力の増強を進め、国防費のGDP比2・5%への増額を目指していることを強調した。

 シノディノス氏は、オーカス発足は大きな進展だが、「特効薬」ではないと指摘、「欧州各国は、インド太平洋で起きることが、自国に大きな影響を及ぼすことを知っている」と、欧州が太平洋地域への関心を強めることに期待を表明した。

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