電磁パルス兵器で米に壊滅的脅威 インフラ直撃で停電、人口9割死亡予測も

(2021年11月25日)

ドイツ・フランクフルトの電柱の向こうで昇る太陽。2020年6月23日(AP Photo/Michael Probst, File)

By Ben Wolfgang – The Washington Times – Tuesday, November 23, 2021

 米議会の諮問委員会「国家・国土安全保障タスクフォース」のプライ事務局長は23日に行われた安全保障に関するオンライン会合で、中国、北朝鮮などが、電磁パルス兵器(EMP)と極超音速兵器、サイバー攻撃などを組み合わせることで、米国にとって大きな脅威となると指摘、攻撃を回避するための軍備、EMPに耐えられるインフラ整備などの重要性を訴えた。

 プライ氏は、中国が既に、従来のEMPを上回る破壊力を持つ「スーパーEMP」を保有していると指摘。他の近代的な戦術と組み合わせれば、さらに破壊的となり得ると警告した。

 中国は8月に極超音速滑空飛翔体の実験を行い、米軍は警戒を強めている。専門家らは、これによって高高度にEMPを配備することが可能になり、長期的で広範囲の停電、食品流通・給水の遮断、軍の通信の遮断を招く可能性が高まったと懸念している。

 プライ氏は、「一発のEMP攻撃で戦争に勝利することが可能になるかもしれない。EMPだけではなく、サイバー攻撃、物理的破壊、非核EMPと組み合わせて使用される」と、その脅威は格段に大きくなるとの見方を示した。

 EMP攻撃を受けた場合、直ちに死傷者が出たり、インフラが物理的に破壊されたりするわけではなく、攻撃に対する政治的対応が遅れる可能性もあるという。プライ氏は、「時間がたてば、何億人もの命が失われる可能性がある」と指摘、1年間停電が続けば、米国民の90%は死亡するとの予測を明らかにした。

 また、「ロシア、中国、北朝鮮、イランはこれを、歴史上最も重大な軍事革命と考えている」と指摘、「米国などの技術的アキレス腱(けん)を攻撃することで、米軍と戦うことなく、一発で、24時間内で米国を屈服させられる」とEMPの脅威を強調した。

 米国の送電網などのインフラがEMPに対して非常に脆弱(ぜいじゃく)であることは長年、指摘されてきた。トランプ前政権時に、政府全体で協力してEMPに備えることを指示する大統領令が出されたが、その後、具体的な措置は取られていない。

 プライ氏は、「これは、技術的問題ではなく政治の問題だ」と指摘、連邦政府、企業などの組織が問題を複雑化させていることが対応が取られていない原因との見方を示した。

 中国はEMP開発を進めているとみられ、香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストは、中国が8月にEMPの初めての実験を行い、無人機の排除に成功したと伝えている。

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