同調国少ないバイデン米政権の北京五輪「外交ボイコット」

(2021年12月20日)

韓国の文在寅大統領は、2021年12月13日(月)、オーストラリアのキャンベラにある国会議事堂での調印式に立ち会いながら、マスクを外している。文大統領は2日間の日程でオーストラリアを公式訪問している。(Lukas Coch/Pool Photo via AP)

By Ben Wolfgang – The Washington Times – Monday, December 13, 2021

 バイデン米大統領が2022年北京冬季五輪の「外交ボイコット」を表明してからちょうど1週間だが、同調する国を探し出すことに苦慮している。世界中の米国の緊密な同盟国がこの取り組みを拒否し、公然と非難するケースも出ている。

 14日には韓国が新たに外交ボイコットに「ノー」を表明した。米国がバイデン氏の下で中国の最重要国家的優先課題に反対という共通の目標に友好国を結集させる能力に深刻な疑問が生じている。

 韓国の発表は、中国のアジアやその他の地域に対する強大な経済力を示す証拠でもある。中国が世界中で進める大規模な投資・建設プロジェクトにより、一部の国々は中国共産党と正面から衝突してまで米政府に同調することには消極的だ。

 これまでのところ、米主導の外交ボイコットに加わっているのは、カナダ、豪州、英国だけだ。この4カ国は五輪に選手を送るものの、高官や政府当局者は派遣しない。完全なボイコットではないが、バイデン政権はこの動きを、中国による人権侵害や台湾・香港への挑発、地域におけるその他の攻撃的行動に対する明確な公の非難と位置付けている。

 他に何カ国が加わるかは不透明だ。エマニュエル・マクロン仏大統領は外交ボイコットを除外し、公然とその効果に疑問を呈した。その他の欧州当局者は14日、五輪を政治化するという概念自体を非難。アルゼンチンが先週、外交ボイコットには従わないとする声明を発表したほか、イスラエルメディアの報道によると、米国の緊密な同盟国の一つであるイスラエルも、中国との経済関係を拡大させており、外交ボイコットを除外したようだ。

 韓国の文在寅大統領は14日、ボイコットは検討していないとはっきり述べた。

 「北京五輪の外交ボイコットに関して、韓国は参加要請も受けておらず、政府として検討していない」。文氏はキャンベラでスコット・モリソン豪首相との共同記者会見でこう語った。

 「今回の公式訪問は中国とは関係がない」と文氏。「主要天然資源のサプライチェーンを拡大すること、また(韓国と豪州の)2国間防衛協力を強化することは、国益上、極めて重要だというのが韓国の立場だ」

 日本は外交ボイコットに加わるかどうか表明しておらず、米国に続くかどうか曖昧な態度を示している。韓国と日本の判断は、一段と攻撃的になり、経済的にも競争力を高める中国に対して統一戦線を展開しようとする米政府の取り組みにとって極めて重要だ。

 中国は外交ボイコットをはねつけ、参加国はこれ以上増えないと明言している。文氏の発表は、中国の主張が正しいことを示すものかもしれない。専門家によると、韓国が18年平昌冬季五輪誘致に成功した際、中国が韓国を強く支持したことから、文氏は恩を返す圧力にさられている。

 特に韓国の場合、最優先の考慮事項は経済だ。韓国の全輸出の約4分の1は中国向けであり、中国は韓国にとって一番の貿易相手国である。アメリカン・エンタープライズ研究所の「中国国際投資トラッカー」がまとめた統計によると、中国による05年以降の韓国への直接投資は90億㌦を超える。

 近隣国に経済的圧力をかける中国の能力は、五輪をめぐる決定に影響を与えることは間違いない。

 米シンクタンク「民主主義防衛財団」のデービッド・マックスウェル上級研究員は、韓国は「米中間で綱渡りをしようとして」おり、中国からの経済的報復を恐れているのは明白だと指摘した。

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