ロシアの隣国への戦争はジョージアで始まった
By Mike Glenn – The Washington Times – Wednesday, February 16, 2022
ロシアの隣国への宣戦布告のない戦争は、昨年からのウクライナ国境への大規模な部隊の配備で始まったわけではない。2008年のジョージアへの軍事介入に始まり、2014年にはクリミアを併合した。エストニアの外交トップが16日、こう語った。
エバマリア・リーメッツ外相は、ロシアによるウクライナへの軍事的威嚇を知っても、特には驚かなかったと述べた。
ワシントンのシンクタンク「ニュー・アメリカン・セキュリティー・センター」で、「ロシアは民主的で、繁栄した国と国境を接することを望んでいない。周辺に緩衝地帯を再構築しようとしている」と主張した。
ウクライナと違いエストニアは、北大西洋条約機構(NATO)加盟国であり、同盟からの保護を受けられる。
「しかし、エストニアにはウクライナからの移民労働者が数多くいる。誰もがこの問題を気に掛けている。私たちは、経済的に支援し、軍事的、政治的にも支援している」
リーメッツ氏は、ウクライナ問題をめぐるNATO加盟国間と、欧州連合(EU)内の連帯に感銘を受けているという。
「欧州で現在起きている安全保障の危機では明らかに、米国が非常に重要な役割を担っている。米国によるリーダーシップがあることはとても重要なことだ。これが今後も続くことを望んでいる」
ウクライナ情勢が緊迫し、米国は欧州東部に6000人以上の兵員を派遣し、神経質になっているポーランド、ルーマニアなどのNATO同盟国を支援した。リーメッツ氏は、現在の危機が去っても、米兵がとどまることを望んでいると強調した。
「バルト海沿岸地域の米国のプレゼンスを歓迎する。わが国国民にとって明確なメッセージとなる」
エストニアはウクライナと同様、ロシアと国境を接しており、ロシア国民は社会的に強いストレスにさらされている。リーメッツ氏は、ロシアの反政府活動家らは投獄され、独立系シンクタンクは解散させられていると指摘、ロシア政府は、自国民を標的とした「巨大な」ディスインフォメーション機関であり、世論調査にも影響を及ぼしていると訴えた。
「世論調査を見ると明らかに、ロシア国民の大多数は、(ウクライナに対する)この戦争はロシアが仕掛けたものではなく、欧米、特にNATOが仕掛けたと考えている」
バイデン大統領は、ロシアのプーチン大統領が国境を越えてウクライナ領へと戦車を進撃させれば、ロシア政府に強力な制裁を科すと威嚇している。リーメッツ氏は、そのようなことがあれば、域内の他国にも悪い影響が及ぶと主張した。
「しかし、同時に、私たちの視点から見れば、(ロシアの侵攻に対して)強い、大規模な制裁を科すことは重要なことだ。だから、その影響についても話し合う。警戒を怠ってはならない」