カナダ首相の緊急事態は必要か
By Editorial Board – The Washington Times – Thursday, February 17, 2022
カナダのトルドー首相は、トラック運転手らの合法的かつ平和的な抗議デモ「フリーダムコンボイ」を攻撃しているが、そのやり方は的外れの度を増しており、ネットでは、トルドー氏は、キューバの独裁者だった故フィデル・カストロの隠し子ではないかといううわさが拡散している。
ネットで見たものすべてが信じられるわけではないが、2人を比較するために並べた顔写真は著しく似ており、親子という言い分も納得できる。1971年の初頭、彼の母親、カナダのファーストレディー(当時)、マーガレット・トルドーさんと、夫のピエール・エリオット・トルドー首相(当時)が行ったカリブ海の島国キューバへの「2回目のハネムーン」中の不倫の産物だと言われている。
トラック運転手らへの誹謗(ひぼう)中傷がエスカレートし、非暴力的な抗議デモを鎮圧するために、1988年以来使われたことのない鉄拳ともいうべき緊急事態法が14日に発動された。これは、恥ずべきことであり、カリブ海に浮かぶカストロの刑務所国家での、ありとあらゆる反対運動を冷酷に壊滅させたやり方によく似ている。
カナダの首都オタワの連邦政府議会にトラック運転手らが集結したことは、果たして、「緊急事態」だろうか。国境を越えるトラック運転手らにトルドー氏が課した無期限のマスク着用とワクチン接種義務を止めてほしいという要求は全く正当なものだが、無視された。
トルドー氏は緊急事態法を行使し、トラック運転手らの法人銀行口座を凍結するばかりでなく、車両保険も一時中止すると脅している。
クリスティア・フリーランド副首相兼財務相は、「あなたのトラックが、こういった違法な封鎖に使用されていれば、法人口座は凍結されることになる。車両の保険も中断されるであろう」と述べた。
トラック運転手らは、また、法外な罰金と懲役刑を科すと脅されている。資金援助のためのクラウドファンディングは凍結された。
CBC(カナダ放送協会)が16日に報じたところによると、緊急事態法下の「一時的措置」には、「18歳未満の子供を違法な集会に参加させることに対する数千㌦(の罰金)または懲役」が含まれる可能性がある。
結果的には、オンタリオとデトロイトをつなぎ、米加間貿易の4分の1を担うアンバサダー橋のフリーダムコンボイによる封鎖は、賢明な策ではなかった。封鎖によって不便が生じ、国境の両側の人たちの支持を勝ち取ることはできなかった。
その後、橋の封鎖は中止されたが、オタワの首都圏でのトラック運転手の「占領」は続いており、大きな渋滞を引き起こしている。
トルドー氏が本当に、抗議デモを終わらせたいなら、扇動的な発言をやめ、トラック運転手と交渉するであろう――忘れてはいけないが、彼らは最近まで、パンデミックで身動きできなくなっていた経済の生命を維持するために多大の貢献をした影の英雄に数えられていた。
このカナダの新進気鋭の独裁者は、2016年11月のカストロの死亡時に「偉大な指導者の喪失」を「深く悼む」とする哀悼文を発表しており、残念ながら、義務付けを終わらせるための誠意ある交渉はできそうにない。