揺れるヨーロッパ戦線

(2022年3月3日)

2022年2月24日木曜日、ウクライナのマリウポリ郊外でロシアの砲撃の余波を受け、破損したウクライナ軍施設。ロシアは24日未明、ウクライナに対する空爆とミサイル攻撃を開始し、ウクライナ当局者は、ロシア軍が北、東、南から同国に転進してきたと発表した。(AP写真/Evgeniy Maloletka)

By Editorial Board – The Washington Times – Thursday, February 24, 2022

 さあ、始まった。しかし、ロシアによるウクライナへの攻撃後のことについて問題は、それが、どこで、いつ終わるかということである。国際協定を侵して戦争に突入した人たちへの懲罰の話は後回しにすることにする。怒りと、仕返しの悪魔らは、ひとたび解き放たれると、再び捕まえて、拘束することは容易ではないからだ。

 世界中の多くの人々が破壊の閃光(せんこう)を目撃するにつれ、記憶に長く残っている認識が再浮上する。弱さの結果として生まれるものが戦争である。しかし、だからといって、こんなふうに、必ずしも、事が進展しなければならなかったわけでもない。

 ロシアのプーチン大統領は軍隊を派遣して、よその主権国家で暴れ回り、旧ソ連の再建に着手するという長年の夢の実現に踏み出した。ポーランド、スロバキア、バルト3国のような、他の元の衛星国は、北大西洋条約機構(NATO)の保護下にあって、まとまっていたら、プーチン氏がむさぼり食おうとすることはないだろうと思っている。防御を目的としたNATOは、創設の目的だったロシアの脅しのようなことに、いまだかつて直面したことはなかった。

 高校で「歴史」がまだ必要とされ、第1次世界大戦や第2次世界大戦を勉強した世代の米国民は、次の世界的な大混乱に火が付くのを目撃することになるのだろうかと思いを巡らせている。世界の平和を享受してきた彼らは、ほとんど、この不安な瞬間を目撃することがあるとは想像したことはなかった。

 バイデン大統領は、この恐ろしい出来事を和らげるために何もしてこなかったに等しい。彼は、ある声明文の中で「プーチン大統領は、破滅的な人命の喪失と、人類の苦しみをもたらす、あらかじめ熟考し、計画していた戦争を選択している」と当たり前のこと指摘したにすぎない。これまでのところ、彼の選び取った武器、すなわち、経済制裁は、プーチン氏を冷笑させているだけである。

 グテレス国連事務総長は、その立場上、侵略者に対抗する十分に重みのあるツイッターを掲げている。つまり「人類の名において言うが、プーチン大統領よ、あなたの軍隊をロシアに撤退させよ。この紛争は、今すぐに中止されなければならない」。それを強制するには、ほぼ無力な類いの強い口調だったが、道徳的権限などというものは、鉄製の武器にかなうはずがない。

 4分の3世紀の間、国連は地球という惑星の権威主義者らに武力衝突を止めるように懇願してきた。時には、その世界的機関は、青いヘルメットをかぶった平和維持軍を配備しさえした。しかし、最近の国連の主な関心事は、気候変動から地球を救うことに移っている。

 ウクライナに対して世界から警告が発せられている最中であるが、世界を支配している平和を打ち砕いている責任はプーチン氏に課さなければならない。もっとも、米国の筋肉がたるんでいるとロシアがしゃきっとする事実は否定できない。モスクワの独裁者は、バラク・オバマ大統領が「背後から指導する」と訴えていた時代にクリミアを併合したが、四角いあごのドナルド・トランプが出馬した時には、手も足も出さなかった。

 バイデン氏が2021年にアフガニスタンから無策な撤退をしたことを受けて、ロシアの熊は、再び檻(おり)から放たれて暴れだしている。悲しいかな、弱さのために、戦争をする機が熟した。

米空軍、シンクタンクを閉鎖 中国の脅威分析へ影響懸念

(2026年09月26日)
2025年2月18日、韓国の坡州市(北朝鮮との国境付近)で、韓国軍兵士が有刺鉄線沿いをパトロールしている。(AP通信/アン・ヨンジュン撮影)

米国から中東への軍派遣圧力、高まる北の脅威 板挟みの韓国

(2026年09月24日)
FBI長官のカシュ・パテル氏

FBI、中国によるスパイ活動の急増を明らかに

(2026年09月23日)
この写真は北朝鮮政府が提供したもので、1994年6月17日、北朝鮮の南浦市で西海防壁を視察するジミー・カーター元米大統領(左)と当時の金日成主席が写っている。(朝鮮中央通信/朝鮮通信社提供、AP通信経由、資料写真)

北朝鮮、個人崇拝のルーツはキリスト教 敬虔な家庭で育った金日成氏 カナダ人ジャーナリストが新著

(2026年09月22日)
2026年9月8日火曜日、モスクワのクレムリンで行われた会談で、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がトヴェリ州のヴィタリー・コロリョフ知事代行の話を聞いている。(ミハイル・メッツェル、スプートニク、AP通信経由クレムリン・プール写真)

ロシア、硬軟交え日本に揺さぶり 中朝と関係強化、国内ナショナリズムを鼓舞

(2026年09月15日)
北朝鮮政府が提供したこの写真には、2026年9月6日(日)、北朝鮮の元山港で行われた駆逐艦「康建」の就役式に出席する金正恩総書記とその娘が写っている。北朝鮮政府が配布したこの写真に写っているイベントを取材するために、独立系ジャーナリストは立ち入りを許可されなかった。この画像の内容は提供されたものであり、独自に検証することはできない。情報源から提供された画像には、朝鮮語の透かし「KCNA」と記されている。これは朝鮮中央通信社の略称である。(朝鮮中央通信社/AP通信経由)

北の「金王朝」、危機乗り越え盤石の体制に 正恩氏後継は未定―専門家

(2026年09月14日)
2022年8月20日土曜日、中国南西部重慶市龍泉村にある貯水池では、擁壁からの漏水により貯水池の水がほぼ枯渇し、ひび割れた乾燥した泥が見られる。周囲の農地や険しく美しい山々を含む巨大都市、重慶の景観そのものが、異常に長く激しい熱波とそれに伴う干ばつによって変貌を遂げた。(AP通信/マーク・シーフェルベイン撮影)

中国、気象を兵器化へ 軍事目的で環境を操作する技術開発

(2026年09月12日)
2026年8月19日(水)、ワシントンD.C.のワシントン記念塔から見た、ホワイトハウスの新舞踏室の建設工事が続く様子。(AP通信/アレックス・ブランドン撮影)

トランプ氏のホワイトハウス大宴会場計画が左派を激高させる理由

(2026年09月09日)
中央から、トルコのハカン・フィダン外相が、パキスタンのイシャク・ダル外相(右)、サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハン・アル・サウド外相(右から2番目)、トルコ、パキスタン、サウジアラビアの軍および民間高官らとともに、2026年8月31日(月)、トルコのイスタンブールで開催されたメッカ共同防衛協定に基づき設立された戦略政治防衛委員会の第1回会合で記念撮影に応じた。(AP通信/カリル・ハムラ撮影)

イスラム3カ国が新同盟 米国の信頼性に懸念 中東に新たな勢力図

(2026年09月07日)
2019年2月27日、ベトナムのハノイで、ドナルド・トランプ米大統領(左)が北朝鮮の金正恩委員長と写真撮影に応じた。(AP通信/エヴァン・ヴッチ撮影)

トランプ氏、金正恩氏との再会談模索 非核化巡り溝

(2026年09月05日)
→その他のニュース