ウクライナ飛行禁止区域の設定はない、米政府と議会
By Kerry Picket – The Washington Times – Sunday, March 6, 2022
バイデン政権と米国議員たちは、ウクライナ上空に「飛行禁止」区域設定することを拒否している。それは米国とロシアの戦争を意味すると懸念しているからだ。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は土曜日、オンライン会議システムを通じて米議会の超党派上院議員グループに対し、ロシアによるウクライナの侵入から国民を守るために、米国が飛行禁止区域を始めるべきだと主張した。
日曜日のABC放送「この一週間」番組で、上院特別委員会の副委員長マルコ・ルビオ上院議員(フロリダ州、共和党)は、飛行禁止区域が第三次世界大戦につながる恐れがあることを示唆した。
「基本的に、飛行禁止区域というものを理解すれば、それは第三次世界大戦を始めることにつながる。空爆とミサイル攻撃の両方からウクライナを守るために私たちができることはたくさんある。人々は飛行禁止空域の意味を了解する必要がある」、ルビオ上院議員は語った。
「それは単なる、皆さんが従うべき規則の類ではない。ロシア連邦の航空機を撃墜する覚悟が必要で、根本的に第三次世界大戦を始めることだ」、同議員は付け加えた。
クリス・マーフィー上院議員(コネチカット州、民主党)もルビオ議員に同意する。ウクライナでの飛行禁止区域設定は「第三次世界大戦の始まりであり、ヨーロッパ全体をはるかに広範な戦争に引きずり込むだろう」と指摘した。同議員は日曜日の「フォックスニュース」で、「世界で最大かつ徹底的に設備が整った核超大国の米国とロシアが直接戦争をすることは、我々の国益でもないし欧州の利益でもないと思う」と語った。
しかしマーフィー・ルビオ両氏とも、米国がウクライナに追加的な軍事装備と人道支援を提供すべきだと主張した。
アントニー・ブリンケン国務長官は日曜日、「ミート・ザ・プレス」の司会者チャック・トッドに対して、米国は「核保有国であるロシアとの直接戦争」に関与する意図はない、と言明した。
「大統領が一貫して明らかだったことは、米国をロシアと直接対立させるつもりはない、という点だ。ウクライナで米軍機がロシアの飛行機と交戦したり、米兵が陸で応戦することはない」、ブリンケン国務長官は明言した。
「我々が尽力しているのは、ウクライナでの戦争状態を終わらせることであって、もっと大きな戦争を始めることではない。飛行禁止区域が何を意味するか理解してほしい。飛行禁止空域を宣言して後に、そこにロシア機が飛んできたら、我々の航空機がそれを撃墜しなければならないのだ」、国務長官は指摘した。
一部の上院議員は、米国の無人航空機(UAV)をウクライナに直接送るか、またはポーランドなどNATOの同盟国を経由して送ることを提案した。
「ウクライナは緊急に空軍力を必要としており、米国はそれを送るべきだ。ゼレンスキー(ウクライナ)大統領のメッセージは明快だ。空域を閉鎖するか、飛行機を我々に提供してほしい。」我々に可能なオプションを見据えるべきだ:飛行禁止空域の設定は核保有国同士の戦いにつながり、米軍パイロットをロシアのジェット機や防空網との戦闘に送ることを意味する。上院情報委員会のベン・サッス上院議員(ネブラスカ州、共和党)は声明で述べた。
「だが米国民は絶対にウクライナ国民に航空機やヘリコプター、UAVを送るべきだ。今日にでもウクライナ空軍に補給して、『キエフの幽霊』(訳注:今回のロシア軍のキエフ攻勢の初日に、ウクライナ空軍のMiG-29戦闘機がロシア軍機6機を撃墜したとされ、そのパイロットに付けられたニックネーム)を空に留めておこう」、サッス氏は語った。
ゼレンスキー大統領は土曜日、首都キエフからの演説で、自国に飛行禁止区域を設定しようとしないNATO諸国の態度について、それはロシアにウクライナの街々を砲撃し続けさせる「青信号」のようなものだと非難した。同大統領は飛行禁止区域の設定が、「ロシアの対NATO直接攻撃を引き起こす」とは想定しなかったと語った。
ロシアのウラジミール・プーチン大統領は土曜日、ウクライナに飛行禁止区域を設けるような行動の一切を、ロシアとしては「当該国が武力紛争に参加した」ものと見なすだろうと警告した。同大統領はまた、ロシアに課せられた西側の制裁は「宣戦布告に似たものだが、まだそこまで行っていないことを神に感謝する」と述べた。