バイデン氏、ウクライナ侵攻は民主と独裁の戦い

(2022年4月1日)

ロシアのウクライナ侵攻について演説するジョー・バイデン大統領(2022年3月26日土曜日、ワルシャワの王城にて)。(AP Photo/Evan Vucci)

By Jeff Mordock – The Washington Times – Saturday, March 26, 2022

 バイデン大統領は26日、ロシアに対し、北大西洋条約機構(NATO)加盟国を攻撃しないよう警告し、そのような動きがあれば、30カ国からなる軍事同盟が「全力」で対応すると述べた。

 バイデン氏はワルシャワの王城の外で演説し、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に、NATOの領土を侵犯した場合、米国と同盟国は共に立ち上がるというメッセージを送ろうとした。

 また、プーチン氏が「権力の座にとどまることはできない」とも述べ、同盟国の安全を守るという米国の約束をNATO加盟国に改めて訴えようと努めた。

 これは、バイデン氏のロシアの体制転換を求める発言としては最も踏み込んだものであり、米国のロシアに対する発言の大転換を反映している。米政府高官はこれまで、体制転換は求めないと述べていた。

 バイデン氏が、プーチン氏にもはや権力の座に留まるべきではないと発言するとすぐに、ホワイトハウス当局者が、ロシアの体制転換を要求しているのではないと述べた。

 同当局者は電子メールで「大統領が言いたかったのは、プーチン氏が近隣諸国や地域に対して権力を行使することは許されないということだ。大統領は、ロシアにおけるプーチン氏の権力や、政権交代について議論していたわけではない」と主張した。

 バイデン氏はプーチン氏を「独裁者」と呼び、両国間の避難の応酬はエスカレートしている。26日にウクライナ難民と面会した際には、プーチン氏を「虐殺者」と呼び、25日には「戦争犯罪人の法的定義」を満たしていることを示唆した。

 バイデン氏は、プーチン氏が自国の民主主義を窒息させ、近隣諸国でも同じことをしようとしていると非難した。彼は、この紛争は「数十年にわたる戦争」をもたらす可能性があると述べた。

 また、ウクライナ人にこれからの長い戦いに備えるよう促し、プーチン氏にはNATOの領土に近づかないよう警告を発した。

 「NATOの領土に1インチたりとも入ろうとは思わないでほしい。われわれには、NATOの領土の1インチたりとも、集団の力をフルに発揮して防衛するという、第5条に基づく神聖な義務がある」

 NATO憲章の第5条では、同盟の一加盟国に対する攻撃には、全加盟国が集団で対応しなければならないとされている。

 バイデン氏は、ロシアの指導者の行動によって、NATOの結束はここ数年で最も緊密になったと述べ、プーチン氏の「残忍な戦術」によってNATOの決意が強まったと述べた。

 この発言は、ウクライナの都市リビウの当局者が、数回の強力な爆発があり、大きな煙が立ち上っていると報告した直後のことであった。リビウはNATO加盟国であるポーランドの国境から約60㌔のところに位置している。

 バイデン氏は、ロシアのウクライナ侵攻を民主主義と独裁主義の歴史的、世界的戦いと位置づけ、世界中の民主主義国がこのような権威主義的侵略に対して団結するよう求めた。

 「民主主義と自由を求める永遠の闘いにおいて、ウクライナとその国民は最前線に立ち、国を守るために戦っている。彼らの勇敢な抵抗は、すべての自由な人々を束ねる本質的な民主主義の原則のためのより大きな戦いの一部だ」

 バイデン氏はロシア国民に直接語りかけ、「あなた方はわれわれの敵ではない」と主張し、指導者から切り離そうとした。そして、ソ連時代に生きていた人々を含むロシア国民に、この戦争に反対する声を上げるよう呼びかけた。

 「罪のない子供や祖父母が殺されるのを歓迎したり、病院や学校、産科病棟がロシアのミサイルや爆弾で破壊されたりすることが受け入られるとは、私には思えない」

 「これはあなた方のものではない。あなた方の家族や子供たちにふさわしい未来でもない。私が話しているのは真実だ。この戦争は、あなた方、ロシア国民にふさわしいものではない」

 ロシア政府のドミトリー・ペスコフ報道官は、バイデン氏がプーチン氏の退陣を求めたことに反発した。

 「これはバイデン氏が決めることではない。あくまでロシア連邦の人々が決めることだ」

 バイデン氏は、ウクライナへの侵攻を正当化するプーチン氏のうそについても指摘した。プーチン氏は、ロシアの軍事侵攻はウクライナを「非ナチ化」するために必要だったと主張している。

 バイデン氏は、プーチン氏の発言は「不愉快」であり、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領がユダヤ人で、父親がナチスのホロコースト(ユダヤ人大虐殺)で殺されたことに言及した。

 「プーチン氏は堂々とウクライナを非ナチ化すると言うが、それはうそだ。ばかにしている。それを知っていて言っている」

 西側諸国がロシアに科している経済制裁についてバイデン氏は、「プーチンに責任がある」と断言。制裁がモスクワの経済と通貨を圧迫していると述べ、ロシアのルーブルは「ラブル(がれき)」になってしまったと述べた。

 この演説は、先進7カ国(G7)やNATO加盟国との会合で幕を開けたバイデン氏のベルギーとポーランド訪問の集大成であった。訪問は、ポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領との会談とウクライナ難民との対話で幕を閉じた。

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