バイデン氏の空理空論
By Editorial Board – The Washington Times – Monday, March 28, 2022
バイデン大統領は先週末、欧州を訪問、自由な人々が、独裁者との世代間戦争に打ち勝つためにはどうしたらよいかについて演説した。
残念ながら、バイデン氏や、彼の政権にとっては、演説は言葉の上だけのものだった。相互に絡み合ったエネルギーとロシアのウクライナ侵攻の問題へのバイデン氏や政権の対応は、両方の問題を悪化させ続けている。
ウクライナの戦争に関して、バイデン氏がしていないことのすべてを、簡単にリストアップしてみよう。
ロシアと取引をしている人々に二次制裁を科していない。ロシアからエネルギーを輸入し続けている欧州のどの国にも制裁を加えたり、厳しい言い方をしたりしていない(ドイツのことだ)。ロシアのエネルギーの購入に、ハードカレンシーで支払うと同時に、ウクライナには武器や物資を提供することによって、欧州連合(EU)諸国は実質的に、この戦争の双方の側に資金援助を行っていることになる。
この紛争を、自由な人々と独裁者の間の紛争としながら、上で述べた事実を少しでも分かっていれば、そういうことはさせなかったであろう。
筋の通らないことは他にもある。武器の追加支援に力を入れたり、ポーランドからウクライナに数十機の老朽化したミグ戦闘機を移転させたりすることさえもせずに、何とか、訪問を無事終了した。すべてよその国に任せて、独裁政権との闘いはこれで終了というわけだ。
自由主義と独裁体制との壮大な闘争は、明らかに、同盟国の防衛費要件(GDP2%)を満たすと約束するところまで至っていない。
バイデン氏の混乱は、エネルギーにも及んだ。米国とEUは3月25日、EUがロシアからの天然ガス購入の代わりに、米国から150億立方㍍の液化天然ガスを購入するという合意に達したことを発表した。これは、EUが昨年、ロシアから輸入した天然ガスの10%弱に当たる。
合意には、欧州の人々が自分たちの土地で石油や天然ガスを生産すべきだという考えは入っていない。言い換えると、EUによって、公式に全く検討されていない。
バイデン氏は、火が付いて手の施しようがないゴミ箱のようだ。今回の訪問中だけで、バイデン氏は3回、間違った発言をした。第82空挺師団は間もなくウクライナに入ると述べ、ロシアが化学兵器攻撃を実行すれば「相応の」対応を受けると述べ、ロシアのプーチン大統領は「権力の座を維持することはできない」と新しい政策を打ち出した。
とは言うものの、ワルシャワでの演説で次のように言ったのは正しい。「民主主義、自由、平等という高尚な言葉で話すだけでは足りない。ここポーランドにいる私たち皆が、来る日も来る日も、民主主義達成のための努力を重ねなければならない」
バイデン氏は、ウクライナでの戦争で勝利し、真の、意義のある、永続的なエネルギー独立を達成することに欧州大陸とここ合衆国の両方の力を集中させることによって、この難事業をスタートさせなければならない。