政権と共和党、ウクライナ戦争めぐり対立
By Ben Wolfgang – The Washington Times – Sunday, April 10, 2022
ウクライナ侵攻の幕引きをめぐる意見の違いが10日朝、鮮明になった。バイデン政権幹部は、ロシアとの交渉の場でのウクライナの立場を改善したいと主張し、議会共和党幹部は、米国はロシアの完全な敗北に貢献できると訴えた。
ロシアとウクライナの紛争の次の段階へ米国内で意見が割れている中、ロシアは、首都キーウ占領でみじめな失敗を喫し、戦闘プランの見直しを進めている。ロシア軍は現在、ウクライナ東部、特にドンバス地域に対する大規模な攻撃の準備を進めている。
ロシア軍が背後に迫り、犠牲者が増える中、米国と北大西洋条約機構(NATO)の同盟国はウクライナへの戦車や戦闘機などの攻撃用兵器の輸送を劇的に増加させるべきだと共和党の有力議員らは主張している。
その目的は、交渉による解決ではなく、ロシアのプーチン大統領とその軍隊を明確に敗北させることだという。
共和党の上院院内総務ミッチ・マコネル氏(ケンタッキー州)は「FOXニュース・サンデー」で、「ウクライナ人が勝利し、ロシア軍を打ち負かし、ロシア軍が撤退することを望んでいる。それがわれわれの目標であるべきだ」と語り、ロシア・ウクライナ戦争の最終的な終結に対する政権のアプローチを批判した。
「彼らはまだその目標を理解していない。目標はウクライナが勝つことだ 」
政権幹部は、ロシアのウクライナ侵攻が失敗に終わることを望んでいることをはっきりと表明している。しかし、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は紛争を永久に終わらせるためにモスクワに譲歩しなければならないかもしれないという事実も受け入れているようだ。
ホワイトハウスのジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)はCNNの「ステート・オブ・ザ・ユニオン」で、ウクライナ軍を強化する米国の努力は、ロシアに対してより大きな影響力を与えることが目的だと語った。
「ロシアは(キーウから)撤退した。それは、勇敢で激しいウクライナの抵抗に直面したからだ。しかし、ウクライナは、米国が提供した米国の武器と西側諸国の武器で武装していた。われわれはそれを誇りに思っている。今後も支援を続ける。そして、ウクライナ人が戦場で勝利し、交渉の席での立場を有利にするために、可能な限りの手段を講じ続ける」
これに対して、ロシアの敗北とウクライナからの無条件撤退に焦点を当てるべきだと言う批判もある。
共和党のリズ・チェイニー下院議員(ワイオミング州)氏は10日、CNNで、「米国がゼレンスキー氏の勝利に絶対的にコミットしていることを明確にすることが決定的に重要だ。私たちは、交渉の席でゼレンスキーの立場を向上させるなどという話をすべきではない。これはウクライナでロシア軍を打ち負かすためのものだ」と述べた。