米韓への圧力強める北朝鮮 核実験の再開間近か
By Guy Taylor – The Washington Times – Thursday, April 21, 2022
米国の安全保障専門家らは、北朝鮮が、発足から1年以上たったバイデン米政権への圧力をさらに強化しており、早ければ来週にも核実験を行うとの見方を示した。
元国防情報局(DIA)分析官で、テキサス州のアンジェロ州立大学政治科学教授のブルース・ベクトル氏は、北朝鮮がミサイルの発射実験を相次いで実施していることについてワシントン・タイムズとのインタビューで、「米国と韓国から何らかの動きを引き出そうとしている」と分析。その上で、現状は、トランプ前政権の初期に弾道ミサイルの試射、6回目の核実験を実施した時期と似ており、「次は間違いなく核実験だ」と述べた。
2013年と16年の核実験は25キロトン以下、17年には100キロトンにまで引き上げられており、「17年よりも出力の大きい核実験を行うのではないか」と指摘、米韓を動揺させ、交渉のテーブルに着かせることが狙いとみていることを明らかにした。
また、ベクトル氏は、核実験の時期として、韓国の尹錫悦次期大統領が就任する5月10日以降、「年内には実施される」とみている。
北朝鮮は06年から17年の間に北東部・豊渓里の実験場で6回の核実験を実施したが、18年の米朝首脳会談前に実験場入り口のトンネルを爆破、金正恩朝鮮労働党委員長(当時)は、米国との交渉が行われている間は大陸間弾道弾(ICBM)と核兵器の実験を凍結することを明らかにしていた。
ヘリテージ財団のブルース・クリングナー上級研究員は、「ICBMについては凍結を解除した」と指摘、豊渓里実験場で「核実験の準備を進めており」、早ければ、朝鮮人民軍創設記念日の4月25日にも「次のICBMの試射か核実験」が実施される可能性を示唆した。
また、これまでの米政権の制裁は不完全だったと指摘、完全に実施されれば、「ミサイル、核の開発を困難にし、外交交渉へと戻らせられる可能性はある」と制裁強化に期待を表明した。