映画トップガン人気にかける米軍
By Mike Glenn – The Washington Times – Wednesday, June 8, 2022
流線型のジェット戦闘機が太陽に向かって高速で飛行し、見えない敵に対して高速で起動飛行を行うF35ライトニング2とF22ラプターのパイロットに強いGがかかる。一方で、ヘリコプターと爆撃機が地上の重要な標的を攻撃し、標的は激しい爆発とともに破壊された。
1980年代の大ヒット映画の続編「トップガン・マーヴェリック」からのワンシーンのように感じるかもしれないが、これは、全米で公開されたこの映画の前に上映されている空軍の新兵募集動画だ。俳優トム・クルーズがピート・ミッチェル(コールサイン・マーヴェリック)として再び登場し、仮想敵の核施設を攻撃する新人パイロットらの海軍教官を演じている。映画の興行収入は、公開から2週間足らずで約3億ドルに達した。
米軍の募集担当者らはベトナム戦争後、厳しい募集状況に直面しており、この映画によって高まった愛国主義と興奮の中で、盛り返すことを期待している。
空軍募集サービスの指揮官、エド・トーマス少将は声明で、「非常に激しい動画で、座席にいる人々はポップコーンを握りしめ、空軍を身近に感じてもらえたのではないか。この偉大な国に奉仕することに興味を持ってほしい」と述べている。
86年に公開された本編は、海軍での生活は魅力的で、やりがいがあるという印象を与えた。公開後、海軍パイロット募集への応募が、6倍に増加したと報じられた。今回、募集担当者らは抜け目なく、劇場の前にブースを設置し、映画で興奮した人々が訪れるのを待った。
海軍募集コマンドの報道官、デーブ・ベンハム中佐は、「海軍が、トップガンとトップガン・マーヴェリックのようなプロジェクトを支援するのはそのためだ。トップガン・マーヴェリックは意識を高め、海軍への入隊を後押ししてくれるはずだ」と述べた。
トップガンでトム・クルーズは、サンディエゴ近くにあり「トップガン」の愛称を持つ海軍戦闘機兵器学校に送られた生意気で、優秀な戦闘機パイロットを演じている。空中戦のスキルを磨く一方で、教官と恋に落ち、上半身裸でバレーボールをする仲間に加わったりしている。
トップガンが公開された時期は、ベトナムで負った傷が消え始め、レーガン政権の愛国主義が高まっている時だった。公開された年は、空軍参謀長のチャールズ・ブラウン大将がパイロット訓練を終えた時でもあった。
ブラウン氏は、ナショナル・プレス・クラブでの2021年8月のイベントで、「これまで見た中で一番、実際に近い映画だったと思う」と当時を振り返った。
当時の応募数への映画の影響は、過大に伝えられていたという見方もある。関心は高く、収益も大きかったが、最終的な入隊者数の増加は、それほど多くはなかった。