バイデン氏、学生ローン帳消しで若者の支持急増
By Tom Howell Jr. – The Washington Times – Tuesday, September 6, 2022
これまでバイデン大統領を拒否していた若い有権者の民主党への支持が、中間選挙を前に急上昇している。これからの世代が強い興味を持つ妊娠中絶や気候変動、負担の大きな学生ローンなどの問題で大荒れの夏が去り、共和党の大勝利への夢をかなえることは難しくなる可能性がある。
CBSニュースの世論調査によると、30歳以下の有権者のバイデン氏の支持率は、7月末の49%から、8月末に59%に急上昇した。調査は、民主党が税と気候変動に関する法律を成立させ、バイデン氏が、年収12万5000㌦以下の人々への学生ローンを1万㌦帳消しにし、連邦政府の奨学金の返済のうち2万㌦を免除する計画を表明する前と後に実施された。
その間に若者の支持が10ポイント増加した一方で、30~44歳の有権者の支持は47%から51%へと4ポイント増加し、それ以上の年齢層ではほぼ変化がなかった。
キニピアック大が先週行った調査によると、バイデン氏の支持率は40%、不支持は52%で、7月の支持31%、不支持60%から劇的に改善した。
バイデン氏は再び、ローン免除計画を支持する若い有権者に支えられた。
キニピアック大の世論調査アナリスト、ティム・マロイ氏は、「この夏の急上昇でバイデン氏への支持率は、以前からの40%の水準に戻った。若者の支持が上昇したためで、学生ローンを帳消しにするというバイデン氏の決定が後押しした可能性がある」と指摘した。
一方で、有権者登録が急増したことで民主党の中では、「ドブス対ジャクソン女性健康機構訴訟」をめぐる最高裁判決を前面に出すことで、不利とされてきた中間選挙の予想を覆すことができるのではないかという考えが生まれてきている。この判決で、連邦レベルで中絶への権利が失われ、州レベルでの制限への引き金となった。
ドブス判決後、カンザス州で新たに有権者登録したのは7割以上が女性だった。新たな有権者と若い有権者が急増したことで、法律で中絶を制限することを可能にする州の住民投票への拒否が高まったとみられている。
これらの変化にホワイトハウスは沸いている。
バイデン氏は今、現在の若者からの支持急増という恩恵を受けているが、この数カ月間、気候変動や学生ローンなど、最も厄介な問題に対処するために、大統領権限を行使し、民主党がわずかだが多数派を占める議会を動員するのではないかとみられてきた。
ハーバード大学ケネディ行政大学院の世論調査担当ディレクター、ジョン・デラ・ボルペ氏は、「若い有権者は、バイデン氏が実行するまで、実行されるのかどうかに疑念を持ち、世論調査でバイデン氏に罰を科していた」と述べた。
これらは、バイデン氏にとっては弾みとなり、中間選挙の様相は数カ月前と比較すると変化した。だが、議会での民主党のわずかなリードを維持するには十分ではない可能性もある。
ワシントンの全機関で権力を持つ民主党にとって、弱いとはいえ、依然として逆風であることに変わりはない。