有権者のネット行動もとに選挙戦
By Ryan Lovelace – The Washington Times – Wednesday, October 12, 2022
選挙運動では、ネットフリックスで見た番組、読んだ本、食べたものなど、集められたあらゆるデータを基に、その有権者が今年の中間選挙で投票するかどうか、どの候補に献金するかが判断される。
民主党系のデータ分析企業スターリング・データはワシントン・タイムズに、これまでの行動とは無関係に、今後民主党候補者に献金する可能性のある有権者を発見できるアルゴリズムを開発したと語った。
CEOのマーティン・クルス氏は、「ほとんどの人々は自身の情報がどのように使われているか知らないと思う。悪い意味で言っているわけではない。すべての人々の情報は広告に使われ、そこに入らない人は地球上にはいない」と述べた。
スターリングは、イクスペリアン、アクシオムといった仲介企業から大量のデータを手に入れ、視聴する動画、フィクションが好きか、ノンフィクションが好きかなど、有権者ごとにオンライン上での行動を数百のカテゴリーに分けて、検証している。
クルス氏は、2020年の選挙戦でカリフォルニア州の民主党議員、ギル・シスネロス氏を支援したことでアルゴリズムの開発に取り組むようになったという。シスネロス氏は、選挙を前に資金調達で苦戦していた。クルス氏によると、このアルゴリズムの採用後、候補者が電話にかける時間当たりの調達資金は急増した。
シスネロス氏は選挙で負けたが、この技術に他の候補者らが興味を持った。クルス氏はこのアルゴリズムを、民主党の運動員らの協力を得てビジネスへと成長させた。
クルス氏のチームは、今回の選挙で1000人以上の民主党のクライアントを持っている。陣営、選対、非営利団体などだ。ペンシルベニア州上院選の民主党候補、ジョン・フェッターマン氏、テキサス州知事選の民主党候補、ベト・オルーク氏らもクライアントだ。
連邦選挙委員会の資料によると、選挙対策委員会は7月、スターリングに2万㌦を支払った。
民主党の候補者らが、献金や票を獲得するために国民のデータを取り入れているのは、スターリングなどの提携企業からだけではない。オルーク氏の陣営は、フェイスブックとインスタグラムのためのメタ社のツールを使って特定のテキサス州民へのターゲット広告を展開している。
メタ・アド・ライブラリーによると、10月9日までの30日間、オルーク氏はこれらのツールを使って、自動車レース、NASCAR(ナスカー)、鹿狩りに関心を持つ人を広告の対象から外した。その一方で、テレビ番組「パークス・アンド・レクリエーション」、ファストフードレストラン「ワッタバーガー」に関心を持つ人々、豆乳、アーモンドミルクの愛飲者、「ラテ」などのカテゴリーに興味を持つ人々への広告を強化した。
クルス氏は「民主党は、選挙戦全般でどこで対応が遅れているのかをめぐって、自ら墓穴を掘る非常に悪い傾向があるが、この点ではうまくやっている。AIのおかげで、適切な献金者を適切な組織とつなげ、それによって(献金が)生かされている」と述べた。