バイデンの危険な国境政策

(2023年1月5日)

2022年12月20日火曜日、メキシコのシウダー・フアレスのリオ・グランデ川岸でキャンプファイヤーに集まる移民たちと、米国とその国境の壁に向かって浅瀬を歩く人たち。多くの人が米国に亡命を求めるのを阻む規制は、予想される終了時期を過ぎても継続された。(AP写真/モーガン・リー)

By Editorial Board – The Washington Times – Wednesday, December 28, 2022

 クリスマスイブ、多数の移民を乗せたバスが、南部国境を越えて、氷点下8度の中、ワシントン州のカマラ・ハリス副大統領の家の外に到着した。 誰がこの移民集団が乗っているバスをハリス女史の家に送り込んだかは、すぐには、はっきり言うことはできないが、ホワイトハウスは、テキサス州の知事、グレッグ・アボット氏を、この動きの張本人とみて、「残酷で危険で恥ずべき行為」と呼んで、非難した。

 ホワイトハウスの報道官アブドラ・ハサン氏は、バイデン大統領の「包括的な移民改革と国境管理」を推し進める声明の中で、「アボット知事は、クリスマスイブに氷点下の気温の中で、連邦当局や地方当局と調整することなく、子供たちを道路脇に置き去りにした」と述べ、度重なるバス旅行は「何も成し遂げず、命を危険にさらすだけ」の「政治的ゲーム」だと主張した。

 ホワイトハウスは、クリスマスイブのバス移動を危険と主張しているが、テキサス州エルパソの気温が氷点下6度まで下がったことを認めようとしなかった。このことは、政権が自ら引き起こしている危機の現実を全く知らずにいる明らかな証拠だ。それらの移民は、また、連邦政府の政策のせいで、深刻な危険に放置されていたのである。

 NPR(公共ラジオ放送)は12月23日、「市は、1ブロック先のコンベンションセンター内に1000台の折り畳み式ベッドを備えた緊急避難所を開設したが、受け入れたのは、国境警備隊に出頭し、入国管理書類を持っている移民だけだった。市によると、連邦政府が方針を定め、資金面でも支援している。連邦政府は、何百人もの移民を寒冷地に置き去りにしている可能性もある」と伝えている。

 バイデン政権は、その移民政策が何十万人もの移民を危険にさらしているという全体像を認めていない。2022会計年度は9月30日に締めくくられるが、米南部国境で合計276万件の不法入国があり、2021年度の記録172万人を更新した。ホワイトハウスは、トランプ時代の「タイトル42」移民追放政策の撤廃に取り組んでおり、テキサス州当局者らによると、国境でさらに数万人が米国への入国を待っている可能性がある。

 しかし、今のところは、国境越えは問題ではない。直近の課題は、国を席巻している大寒波だ。アリゾナ州やテキサス州のような南部州でさえ、気温が氷点下になり、避難所を見つけることができなかった移民を重大な危険にさらした。メキシコ側の国境にいる、国境も越えられず、米国による避難所も見つけられない移民らは、どうなることやら。知る由もない。

 中南米から北への旅行は危険である。南米から逃れてきた多くの人々は、コロンビアとパナマの間の湿原と峰々の広大で深いジャングル「ダリエン地峡」を渡らなければならない。そのハードルに加えて移民は、犯罪カルテルの危険にも直面している。これらのカルテルは「コヨーテ」として知られ、移民ガイドが使用する通路を完全に支配している。共産主義のキューバから逃れてきた人々の多くが、飢餓や海での溺死の危険にさらされている。

 この冬の大寒波によって、移民が直面している危険が増大していることに、バイデン政権当局者は気づくはずだ。この危険性は、不作為の結果であれ、意図しない結果であれ、無辜の民が死亡する前に認識され、対処されなければならない。

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