バイデン氏再出馬、失われる自由

(2023年5月10日)

2023年4月29日(土)、ワシントンのヒルトンで開催されたホワイトハウス特派員協会のディナーでスピーチするジョー・バイデン大統領。バイデンは4月25日に再選挙キャンペーンを発表した。彼の支持率は前月40%だった。バイデンは2期目の終了時には86歳となり、このような過酷な仕事を続けるには高齢すぎるとの懸念がある。(AP写真/キャロリン・カスター、ファイル)

By Editorial Board – The Washington Times – Saturday, May 6, 2023

 バイデン大統領は、最高司令官としてさらに4年の任期を全うすることを目指している。バイデン氏には2期目を目指す理由があるが、国民には彼を辞めさせたい理由がある。両者の立場を比較検討すると、バイデン2.0が実現すれば、自由が失われるのは明らかだ。

 バイデン氏は4月25日、動画で2期目に向けた選挙戦の開始を表明、2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃の否定的な部分を強調しながら、「私たちが直面している問題は、今後数年間、もっと自由になるか、そうでないかということだ」と述べた。バイデン氏はこの事件直後に政権を引き継ぎ、国内の分断を招いた。

 「権利を拡大するか、縮小するか。その答えが欲しいと思っているし、皆さんもそう思っていると思う。今は、自己満足に浸っている場合ではない。そのために私は再選を目指す」

 米国民は誰よりも自由を愛する。それは、逆襲や報復を恐れることなく、考え、発言でき、行動でき、それを実感できることだ。しかし、バイデン氏の訴えとは裏腹に、自由は失われている。

 例を挙げればきりがない。1月6日の議会議事堂襲撃で、政府に不当性を訴える権利を行使するために混乱する議会近くに集まった平和的な市民が、懲役刑などの裁きを受けた。ホワイトハウスの命令により、国民は新型コロナのワクチン接種を受けるか、仕事を失うかの選択を迫られた。

 4月21日に発表されたAP通信―NORC公共問題研究センターの調査によれば、バイデン氏の再出馬を望む国民はわずか26%にすぎない。これは驚くには当たらない。民主党支持者すら、再選を支持する人は47%と半数に満たない。

 NBCの世論調査では、国民の70%がバイデン氏の再選を望んでおらず、民主党支持者でも再選を望まない人は51%に上る。

 バイデン氏の年齢がさらに足を引っ張ることが予想される。勝利すれば、2021年に78歳で就任した時に樹立した自身の現職大統領の最高齢記録を更新することになる。年齢より若く見える80歳代もいるが、バイデン氏は実年齢よりも老けて見え、言葉に詰まり、階段につまずきながら、目を細めぼんやりと世界を見渡す。

 米国民には、バイデン2.0を恐れる理由がもう一つありそうだ。バイデン氏は、地下室から演説する2020年の戦略を繰り返し、失言によるダメージを回避することもあり得る。再び謎の勝利を収めたバイデン氏は、そのまま引退し、ハリス副大統領にバトンを渡して任期を終え、ハリス氏の大統領選出馬に向け有利なスタートを切る可能性が高い。

 さらに気になるのは、バイデン氏が権力を行使し、自身を含むバイデン一族に向けられている疑惑の共和党による調査を阻止する可能性があるということだ。バイデン家には、ホワイトハウスへの口利きの便宜を図ることで資金を得ていたのではないかという疑惑がある。

 悲しいことに、バイデン時代は自由を蹂躙している。バイデン政権2期目に違った現実を期待するのは、考えが甘い。

LGBTへの保護を強化、バイデン政権が教育改正法見直し

(2024年04月24日)

陪審員12人選任へ-トランプ氏公判、出廷で行動制限も

(2024年04月19日)

トランプ氏の支持率は上昇 裁判めぐり義理の娘

(2024年04月17日)

トランプ氏、中絶の全国規制に反対 民主党の選挙戦術に対抗

(2024年04月10日)

移民問題がトランプ氏に追い風、女性票獲得へ

(2024年04月08日)

ウクライナ支援の難問

(2024年04月06日)

ウィスコンシン州 行方左右-バイデン、トランプ氏再戦へ

(2024年04月04日)

オバマ夫人と対決でもトランプ氏が勝つ―世論調査

(2024年04月02日)

ヘイリー氏支持者取り込み狙うバイデン陣営

(2024年04月01日)

選挙妨害が再び阻止される

(2024年03月30日)
→その他のニュース