米環境保護局のCO2排出規制で停電リスクが増大

(2023年5月22日)

石炭火力発電所の煙突から蒸気が放出されている(2021年11月17日、コロラド州クレイグにて)。ジョー・バイデン大統領は、炭素排出量を規制し、風力や太陽光発電などのクリーンエネルギーを後押しする能力を制限する二重の後退にもかかわらず、気候変動と戦うための「強力な行政行動」を約束している。(AP Photo/Rick Bowmer)

By Susan Ferrechio – The Washington Times – Monday, May 15, 2023

 米環境保護局(EPA)は、天然ガス・石炭火力発電所について、2040年までに二酸化炭素の排出をほぼゼロにすることを提案している。しかし、発電・送配電事業者は、この規則は全米の電力の大部分を生む発電所を停止させるか、信頼性の低いグリーンエネルギーを使用せざるを得ないため、電力網を弱体化させると話している。

 この提案の反対派は、昨年夏にカリフォルニア州とテキサス州を脅かした計画停電や、クリスマス休暇中の厳しい寒さの中で8州を苦しめた停電が、全米の多くの地域で常態化する可能性があると指摘している。

 化石燃料をエネルギーとする発電所は米国の電力供給の6割を占めており、この規則の排出枠に抑えることは簡単ではない。風力や太陽光のような不安定な電源が優先され、電力網から消えてしまう発電所も出てくるだろう。

 全米地方電力協同組合のトップを務めるジム・マシソン氏は、4200万人に電力を供給する発電・送配電事業者の利益を代表している。同氏は、規則にある排出枠によって、特に厳しい寒さや猛暑で全米の電力需要が著しく増加した場合、「常時利用可能な電力」が大幅に縮小すると警告した。

 「われわれはそれが電力網の信頼性を危険にさらすと考える」。マシソン氏は、ワシントン・タイムズ紙にこう語った。

 EPAのマイケル・レーガン長官が先週発表した規則案では、新たな排出枠に抑えるため、全米の3400の石炭・天然ガス発電所に炭素回収・貯蔵技術の導入が求められるが、この技術はまだ開発中で実用可能とは見なされていない。炭素回収技術はEPAで足かせになっており、貯蔵施設の建設許可が大幅に長引き、承認が遅れている。

 電力会社は、現在全米の電力網に13%のエネルギーを供給する風力や太陽光、または約6%を供給する水力などの再生可能エネルギーに切り替えることで排出量を削減できる。

 現在化石燃料を使用しているが、炭素回収技術を導入できない発電所が基準を満たすには、水の電気分解から得られ、製造に膨大な再生可能エネルギーを必要とする、より高価なグリーン水素に切り替えることになる。

 天然ガス・石炭発電所が基準を満たすため、EPAの用意する第3の選択肢は、「稼働停止」だ。

 この基準案は、石炭火力発電所の閉鎖を促すため、2035年までの閉鎖を約束すれば、新たな要件の多くを免除するとしている。

 自由市場経済派のエネルギー調査研究所のトーマス・パイル所長は、国内の電力会社は「最も抵抗の少ない道を選ぶだろう」と指摘した。「彼らは規制を順守するための最善の方法を考える。もしそれが信用を得るために発電所を停止させることであっても、それはビジネスというものだ。数字のゲームなのだ」

 バイデン政権に化石燃料の使用廃止を強く求めていたグリーンエネルギー団体は、この規則を歓迎した。彼らは化石燃料が気候変動の大きな要因だと信じている。環境保護団体は、再生可能エネルギーは電力網の信頼性を高めると主張し、昨冬の天然ガス・石炭火力発電所の故障がテネシー川流域の停電につながったと指摘している。

 レーガンEPA長官は、この規則により一部の石炭火力発電所が閉鎖されることを認めた上で、排出規制を提案するEPAの第一の責任は、健康と環境を守ることだと述べた。

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