ネット・ゼロの幻想を暴く

(2023年7月29日)

2023年7月13日木曜日、インドのガンジナガルで開催されるG20会合に向けてロゴを設置する作業員たち。グジャラート州の州都ガンジナガールでは、7月14日から16日まで第3回財務・中央銀行副次官(FCBD)ワーキンググループ会議が、17日と18日には第3回財務大臣・中央銀行総裁(FMCBG)会議が開催される(AP Photo/Ajit Solanki)。

By Editorial Board – The Washington Times – Wednesday, July 26, 2023

 世界で最も繁栄している国々のエネルギー相たちは、先週のG20会合で、石油、天然ガス、石炭の即時廃止を価値のある目標とは認めなかった。このことは、従来のエネルギー源を風車やソーラーパネルに置き換えることで二酸化炭素排出量を「可能な限りゼロに近づける」という「ネット・ゼロ」計画を推進してきた活動家たちを失望させた。

 単純な事実として、石油、天然ガス、石炭が地球上のエネルギーの80%以上を供給している。将来のある日に、世界は魔法のように別のエネルギー源にシフトできると主張する人々がいる一方で、最近の二つの研究は、こうした目標が可能かどうか、ましてや望ましいかどうかに疑問を投げ掛けている。

 エネルギー政策研究財団の専門家は、このようなエネルギー転換は、より多くの費用と労働力を使いつつ、エネルギー生産を減少させることになると結論づけた。同財団は、2030年までにネットゼロ目標を達成するためには、エネルギー部門の労働者が2500万人増え、16兆5000億㌦の設備投資が必要となる一方で、エネルギーは全体として7%減少するという国際エネルギー機関による試算を指摘した。

 マンハッタン研究所のマーク・P・ミルズ氏もまた、2035年までにガソリン車やディーゼル車を電気自動車に置き換えることの難しさを指摘する報告書を作成した。

 「電気自動車の普及によって二酸化炭素排出量がどの程度減少するかは、誰にも分からない」とミルズ氏は書いた。「電気自動車が排出量を削減するという主張はすべて、平均値や近似値、あるいは願望に基づく概算、あるいはまったくの推測である」

 同氏の報告書によれば、電気自動車の価格は重要鉱物のコストによって左右され、その鉱物は外国、しばしば敵対的な国で採掘または加工される傾向にある。その結果、「補助金の有無にかかわらず、電気自動車のコストと燃料補給の利便性が(内燃機関車と)同等になるのはいつになるか分からない」という。

 両研究とも、ネット・ゼロ政策に関する一連の問題点を明らかにしている。しかし、より大きな問題は、ネット・ゼロが常に国家目標とされていることである。それは完全な間違いだ。バイデン大統領はバラク・オバマ大統領(当時)からネット・ゼロの概念を受け継ぎ、G20や世界経済フォーラムなどさまざまなエリート会議でこの概念が称賛されてきた。常にトップダウンで推し進められる概念なのだ。

 議会は、ネット・ゼロに関わるいかなる条約も批准するよう求められたことはない。「脱炭素化」の達成を国家目標として定めた連邦法はなく、漠然とした国家の願望としても設定されていない。

 ネット・ゼロ体制のためには、エネルギーをより高価なものにすることが必要になるが、あまりに不人気であるため、誰も二酸化炭素税を課すかどうかの採決を行うような軽率なことはしない。

 国民による政治に欠点がないわけではないが、この制度が機能しているのは、国民が議会の代表者による決定に関与しているからである。ある程度の熟議を経て、通常は多くの意見交換が行われた後、少数派の意見は取り入れられる傾向がある。多数派の意見は緩和される。

 こうした重要なプロセスが、国家目標として二酸化炭素排出量のネット・ゼロ目標を設定しようする際に欠けているのだ。その目標と現実的な結果が議会で検討されるまで、このような計画はことごとく拒否されるべきである。

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