「バイデノミクス」が労働者階級に打撃

(2023年9月9日)

バイデン経済とバイデノミクス イラスト:Greg Groesch/The Washington Times

By Editorial Board – The Washington Times – Sunday, September 3, 2023

 バイデン大統領が就任した当時、労働統計局が1982~84年のドルに換算したインフレ調整後の平均時給は11・39ドルだった。現在は11・09ドルであり、バイデン氏がホワイトハウスに入って以来、米国人労働者は2・6%の賃下げに遭ったことになる。

 労働者階級が退職基金を切り崩し、請求書を支払うためにクレジットカードを使い果たす中、裁量的支出に関しては、ますます財布のひもが固くなりつつある。

 TモバイルやCVSなどの大手小売業がこの1カ月で一時解雇を発表した。米国の長期失業者数は7月に5万9千人増加し、約400万人がパートタイムで働いて生計を立てている。

 バイデン氏が大統領に就任し、連邦政府支出を前例のない水準に急増させて以来、物価は16・9%上昇し、2022年3月以降、中間層は2・4兆ドルの負担増を被った。米国人のブルーカラー労働者は、過去1年間で3万3千ドル以上の実質的な富を失い、米国人の61%がギリギリの生活をしている。

 レーバーデー(労働者の日)には、米国人の61%が、食料品店からガソリン・ポンプまで、あらゆるものの値段が上がるため、旅行に出掛ける可能性が低くなる。85%以上が、この祝日を祝う費用を節約する予定である。外食を選ぶ人は、昨年より平均7・1%多く支払うことになる。

 これは、バイデン氏が休暇の合間に国内を回り、「バイデノミクス」と称して誇らしげに自分の経済的功績を宣伝している間に起きていることだ。

 米国人はその宣伝を受け入れない。「労働市場に対する見方の悪化、借入コストの上昇、長引くインフレ」によって、消費者信頼感は最近2年間で最大の落ち込みを見せた。各種世論調査によると、バイデン氏の経済再生への取り組みを評価する人は半数以下だ。

 米連邦準備制度理事会(FBR)は2022年3月以来11回の利上げを実施し、金利は過去22年間で最高水準にある。初めて住宅を購入する人は、金利上昇のために住宅市場からはじき出されている。住宅価格の上昇率は、賃金の上昇率を上回っている。

 連邦政府の学生ローンの返済が10月に再開される中、米国人労働者への負担増は続き、小売売上高は低迷を続けるだろう。バイデン氏は「ミドルアウト(中間層支援)とボトムアップ(貧困層支援)」により経済を構築すると主張している。しかし、同氏の横暴な税金の使い方は、米国をより貧しくするだけだ。

 共和党政権下でガソリン価格が1ガロン2・38ドル、インフレ率が1・3%、30年固定金利住宅ローンの金利が2・77%だったのは、それほど昔のことではない。

 黒人、ヒスパニック系、アジア系米国人の世帯所得の中央値が2019年に過去最高を記録した。経済諮問委員会によれば、「2019年の貧困率は、すべての人種・民族グループにおいて過去最低を記録した」。

 子供の貧困率は50年ぶりの低水準だった。給与はインフレ率を上回るペースで伸びており、全労働者の平均週収は8・7%増加した。減税が、連邦支出を減らしたのだ。

 バイデン氏の政策はこれと正反対のものだ。2024年にバイデン氏を退任させるかどうかは、米国人とその懐具合次第だ。

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