バイデン再選を邪魔するインフレ
By Dave Boyer – The Washington Times – Friday, February 16, 2024
バイデン大統領は再選へ多くの問題に直面している。就任後の高インフレがすでに有権者の毎月の家計に打撃を与えていることもそのうちの一つだ。
バイデン氏と側近らは、年間インフレ率は2022年夏の9.1%の高率から1月の3.1%に着実に低下したと指摘する。
たが、それで食料品の価格が下がるわけではない。インフレ率の低下は、多くの商品価格が1年半前ほど速くは上昇していないことを意味しているにすぎない。
卵の価格は2023年1月から先月まで28.6%下落した。いいニュースではあるが、卵の価格は前年、59.9%上昇した。従って、今の卵1パックの平均価格は2021年よりも約3分の1高い。
他の消費財の中には価格が上昇し続けているものもある。牛ひき肉の価格は、2022年にわずかに上昇した後、昨年は6.7%上昇した。砂糖は、2022年に14.3%急上昇し、次の年には6.9%上昇した。
労働省は16日、米国の卸売価格は1月に上昇したと発表した。消費者に届く前のインフレを示す生産者物価指数は、前月に0.1%下落した後、12月から1月にかけて0.3%上昇した。
イリノイ州を拠点とするファースト・トラスト・ポートフォリオのチーフエコノミスト、ブライアン・ウェズベリー氏は、1月の小売販売、工業生産、住宅着工・建築許可はすべて、投資家を「失望させた」と語った。
同氏はソーシャルメディアで「失望どころではない。すべてが本当に弱かった。インフレはさらに急速に進んだ。これはよくない。株式は低金利か高利益が必要。どちらも起こりそうにない」と述べた。
国家経済会議(NEC)のブレイナード委員長は、消費者心理は過去3カ月間で30%改善し、「バイデン大統領のリーダーシップの下で実質賃金、富、事業創出、雇用機会の増加を反映して、過去30年で最速の増加だ」と指摘した。
それでも、価格はバイデン氏が就任した時よりも平均して約19%高い。
連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、失業率が歴史的に見て低いにもかかわらず、国民は経済に対してそれほど安心感を抱いていないようだと指摘した。「2年前、3年前よりもはるかに多くのお金を生活の基本物資に払っている」からだ。
パウエル氏は直近の記者会見で、「それは人々が不満である理由の一つに違いない。彼らが不満を持つのも当然だ」と述べた。
世論調査員は、経済への不安がバイデン氏の支持率の低さと、国が「間違った方向へ進んでいる」と考える有権者の割合の多さの主な理由だと語る。
1月26~30日のNBCニュースの世論調査によると、有権者の73%が国は間違った方向へ進んでいると答え、22%が正しい方向に進んでいると答えた。同じ調査で、経済運営については55%対33%で、バイデン氏よりもトランプ大統領を支持した。
同じ世論調査で、国境の確保と移民の管理(35ポイント)、大統領になるために必要な心身の健康(23ポイント)、犯罪と暴力への対処(21ポイント)、有能で効果的なこと(16ポイント)、世界での米国の地位向上(11ポイント)に関して、トランプ氏がバイデン氏を上回った。