ハマス支持団体が学生抗議デモを主導―調査
By Susan Ferrechio – The Washington Times – Wednesday, May 1, 2024
パレスチナ自治区ガザへのイスラエル攻撃に反対する学生抗議デモを支えている団体のほとんどは、テロ組織ハマスの支持者であり、その一部は、少なくとも間接的に左翼の富裕層から資金援助を受けている。
非営利団体を分析するキャピタル・リサーチ・センター(CRC)が近々発表する分析によると、大学キャンパスで相次いでいる抗議デモを推進している団体の大半は、イスラエルの破壊とユダヤ人の殺害を目的とするハマスの隠れ蓑として活動していることが分かった。
CRCの調査員ライアン・マウロ氏は、ワシントン・タイムズに「彼らは、デモがハマス主導であるという事実を特段、隠そうとしていない」と述べた。
マウロ氏は、キャンパスでの抗議活動に参加した100以上の団体を調査した。それによると、そのほとんどがハマスとつながりがあり、ハマス寄りのメッセージを発信しており、抗議活動がガザ地区の人道的危機に集中しているのはそのためだという。
イスラエルは昨年10月7日以来、戦争状態にある。何千人ものハマスのテロリストがイスラエル南部を襲撃し、およそ1200人を殺害し、250人以上の人質を取った。約130人の人質は依然、拘束されたままだ。
CRCのデータによると、キャンパスでの抗議活動を支援する団体の一部は左翼団体から資金を得ている。中でも「パレスチナ人の権利のための米キャンペーン」は、2018年に左翼の億万長者ジョージ・ソロス氏が設立した慈善団体「オープン・ソサエティー財団」から30万㌦を受け取っている。
この団体は、「自由と人種差別と抑圧のない世界」を目指しており、オープン・ソサエティー財団からはさらに2021年に15万㌦、2022年に25万㌦を受け取っている。
左派系のロックフェラー・ブラザーズ基金からは、2017~2021年までに41万㌦が提供された。
コロンビア大学(ニューヨーク)などの教員、学生は、抗議活動は、ガザで何千人もの民間人の犠牲者を出しているイスラエルのハマスへの攻撃の停止を求めていると言う。デモ参加者らも、デモは反ユダヤ的なものではないと主張している。
ところが、抗議活動で重要な役割を果たしている団体は、反イスラエル、反ユダヤの強力なメッセージを送っている。
「コロンビア大学アパルトヘイト・ダイベスト」という団体は、記者会見を開き、同校での親パレスチナ・デモで指導力を発揮した。この抗議デモで、キャンパスは数日間にわたって封鎖され、4月30日に警察が介入した。
この団体はソーシャルメディア上で、「パレスチナの解放と、大量虐殺に加担するコロンビア大学の終焉のために闘う」100以上の学生団体の連合体であると自らを定義している。
マウロ氏によると、この団体は、ガザ地区とヨルダン川西岸を拠点とし、イスラエルを破壊し、中東から西欧資本主義を排除することを目指すテロ組織、パレスチナ解放人民戦線(PFLP)と共同でイベントを開催している。
PFLPは、先週のデューク大学での抗議活動にも姿を現した。ノースカロライナ州ダーラムのキャンパスでデモが行われた際、PFLPの旗が一時的に掲揚されたとデューク大学の学内新聞が報じた。この旗は学校管理者の要請で下ろされた。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)では、ネトゥレイ・カルタという団体が抗議デモに現れた。
このグループはユダヤ教超正統派の一派で、反シオニストであり、宗教的な理由でイスラエルという国家の存在に反対している。
昨年、ネトゥレイ・カルタのメンバー数人が、ヨルダン川西岸の難民キャンプで現地のテロ組織のパレスチナ人と会ったとタイムズ・オブ・イスラエル紙は報じた。
主催団体の中でも特によく知られているのは「パレスチナの正義のための学生」で、コロンビア大学、UCLA、ジョージ・ワシントン大学など、多くの大学キャンパスでの抗議活動を主導しているが、アメリカ・ユダヤ委員会はこの団体が「ハマスのテロリストと罪のないイスラエル市民の死を公然と称賛している」と報告している。また、大学キャンパスでユダヤ人や親イスラエルの学生に嫌がらせをしているとして非難されている。
「パレスチナの正義のための学生」は、間接的にだが、ソロス氏から資金援助を受けている。同氏のオープン・ソサエティー財団は、長年にわたってタイズ財団に数百万㌦を提供している。タイズ財団はウェストチェスター人民行動連合財団(WESPAC)に資金を提供している。マウロ氏によると、WESPACは「パレスチナの正義のための学生」の「スポンサー」であり、この団体への税控除の対象となる寄付を管理している。
「パレスチナの正義のための学生」の代表は、WESPACから直接的な資金援助を受けていないと述べた。
マウロ氏は、抗議行動に反ユダヤ主義的な性格はないと主張する人々がいるが、そのような人々は、抗議行動が広がり反ユダヤ的なメッセージが増えるにつれ、大学キャンパスに何度も現れる主要な主催者の存在を無視していると述べた。
マウロ氏によると、ハマス支持団体が抗議活動を始めている一方で、学生らはカメラの前で、目的はハマスの宣伝ではないと主張している。
1日、警察はウィスコンシン大学マディソン校でテントを撤去し、抗議活動の野営地を解散させた。同校の新聞によれば、この抗議デモは「パレスチナの正義を求める学生の会」と「アメリカ民主社会主義青年団」によって組織されたもので、反ユダヤ主義的と見なされるようになってきているという。
マウロ氏は、「確かに、学生たちはある程度独自に組織している。しかし、他のどこから支援を得られるというのか。まず、こういった団体から始まり、学生らが独自の活動を展開することになる」と述べた。