物議を醸すトランプ氏 モデルは1890年代のマッキンリー大統領

(2026年1月2日)

この絵は、1896年にオハイオ州カントンにある自宅で、共和党の大統領候補ウィリアム・マッキンリー少佐が精巧な玄関ポーチ演説を行う様子を描いている。建国初期の数十年間、自ら選挙運動を行うことは単に許されなかった。それは無礼で非礼と見なされていた。しかし1880年のジェームズ・ガーフィールドを皮切りに、オハイオ州出身の3人の大統領が伝統を巧みに回避する方法を編み出した。彼らは自宅の玄関ポーチから選挙運動を行ったのである。(AP通信写真、ファイル)

By Jeff Mordock – The Washington Times – Wednesday, December 24, 2025

 米共和党の大統領が物議を醸している。貿易相手国に厳しい関税を課し、海外での米国のプレゼンス拡大を図り、「犯罪者」と見なした移民を締め出し、政府職員の解雇を容易にした。

 民主党の前任者の下での経済に対する有権者の不満を背景に、政権の座に押し上げられた。

 これは2025年の話ではなく、大統領はドナルド・トランプ氏でもない。1896年に当選したウィリアム・マッキンリーであり、彼こそがトランプ政権2期目のモデルとなっている。

 トランプ氏は、ほとんど忘れ去られたこの第25代大統領の熱烈なファンであることを公言した。124年前に暗殺されて以来、マッキンリーがこれほど注目を浴びるようになったのはそのためだ。

 トランプ氏は11月の「アメリカ・ビジネス・フォーラム」で、マッキンリーを「偉大な大統領」と称賛し、その場で歴史の講義を始めた。セオドア・ルーズベルト(第26代大統領)はマッキンリーの政策を横取りしたと不満を漏らし、オハイオ州知事時代のマッキンリーの功績をたたえた。

 「彼は素晴らしい仕事をした。国を非常に豊かにした」

 トランプ氏は就任後すぐに、北米最高峰の名称を「マッキンリー山」に戻した。オバマ前大統領が在職時に、古くからの名称を尊重して「デナリ山」とする大統領令を出していた。

 歴史家のクレイグ・シャーリー氏は「大統領は、自らの政策を正当化するために過去の大統領を引き合いに出すことがよくある。トランプがマッキンリーに関心を持つのは、マッキンリーが党再編の一部を担い、工業州で共和党を優位に立たせたからだと思う。そこからトランプはインスピレーションを得ている」と述べた。

 シャーリー氏は、トランプ氏がマッキンリーを支持するのは意外だと言う。トランプ氏は、元大統領のロナルド・レーガンやエイブラハム・リンカーンの流れを汲む党の旗手だからだ。レーガン氏もトランプ氏と同様、小さな政府を目指し、教育などの特定の政策を州の管理下に戻そうとしていた。

 シャーリー氏はまた、政治のアウトサイダーとして出馬したポピュリスト、アンドリュー・ジャクソン元大統領とトランプ氏の類似点も指摘した。

 いずれにせよ、トランプ氏とマッキンリーの間には多くの類似点がある。

 おそらく最も明白で、トランプ氏自身も最も頻繁に言及するのは、共に関税が好きだということだ。トランプ氏は、英語の中で「関税」は「神と家族」に次いで3番目に素晴らしい言葉だと主張しているが、マッキンリーは「関税の基盤に立つ関税マン」を自称していた。

 両氏とも、高関税が米国の繁栄を取り戻し、労働者を守ると何度も主張している。マッキンリーは在任中、毛織物、リネン、絹、陶磁器、砂糖の関税率を引き上げた。12年間に及ぶ関税を課し、初年度は52%という米国史上最高水準で始まり、期間中の平均は約47%に達した。

 マッキンリーの関税は1億4500万ドルの収益をもたらした。これは現在の約50億ドルに相当する。

 トランプ氏の関税政策は、他国との貿易交渉が続いており、依然として流動的だ。しかし、米国の平均実効関税率は17.9%に達し、これは1934年以来最高だ。

 大統領任期の終盤、マッキンリーは関税に対して柔軟な姿勢を見せ始めた。1901年9月の演説で、自由貿易と関税引き下げの必要性を説いたが、その翌日、アナキスト(無政府主義者)に撃たれ、8日後に死亡した。

 マッキンリーは「他国との相互貿易協定は、寛容な精神で、慎重に作成し、推進すべきだ。貿易戦争は利益をもたらさない。善意と友好的な貿易の下では報復は起きない」と語っていた。

 トランプ氏とマッキンリーは、拡張主義的な政策でも共通している。マッキンリーはフィリピン、グアム、プエルトリコを掌握し、ハワイを併合した。米国領を大幅に拡大した最後の大統領となった。

 マッキンリーはまた、大西洋から太平洋への移動を容易にするため、南米を通る輸送ルートを米国が建設する計画を立案した。これは最終的に、ルーズベルトの下でパナマ運河として実現した。

 トランプ氏は、カナダの併合やグリーンランドの買収など、自身の拡張主義的な政策目標を公言している。特に関心を寄せているのは、パナマ運河の奪還だ。米国が建設し、カーター大統領の下でパナマに引き渡した。

 トランプ氏は、運河に対する中国の影響力が米国の貿易に数十億ドルの損失を与え、国家安全保障に対する脅威となっていると述べてきた。中国側は、パナマに圧力をかけて運河への影響力を強化しようとしているというトランプ氏の主張を否定している。

 シャーリー氏は、「パナマ運河の構想が出てきたのはマッキンリー政権下だった。そして今、トランプはそれを奪い返そうとしており、マッキンリーへの心酔が一周回って元に戻った格好だ」と述べた。

 類似点は移民政策にも及ぶ。トランプ氏もマッキンリーも、移民を米国への脅威として非難する一方で、経済的な配慮から政策を転換させた。

 マッキンリーは「旧世界の堕落した犯罪者階級」が米国に入ることを拒否した。これは、1890年代のアナキストやテロリストを指す。一方で、富を生み出し、国の価値の向上に献身する移民に対しては寛容で、「市民になろうとする」移民を歓迎すると述べていた。

 マッキンリーは、移民がもたらす経済成長と多様化が国に利益をもたらすと主張した。

 国土安全保障省のデータによると、トランプ氏は米国への不法入国を取り締まり、10月下旬までに52万7000人の移民を強制送還した。

 トランプ氏も、経済を混乱させる懸念から、反移民政策の一部を転換した。6月、ホテル、レストラン、農場などの特定の業界の職場では、移民税関捜査局(ICE)による摘発を避けるべきだと述べた。

 トランプ氏は、韓国人を中心とする500人の労働者の強制送還を一時停止した。これは、強制送還がソウルとの間で進めていた有利な貿易協定を台無しにする恐れがあったためだ。

 両大統領は、政府職員の解雇を容易にしたいと思っているという点でも共通している。マッキンリーが大統領に就任した当時、共和党員らは、民主党の前任者グローバー・クリーブランド大統領が、成績や能力によって公務員を採用、昇進させる資格任用制の対象を拡大したことに憤慨していた。クリーブランドのこの措置により、正当な理由や欠格事由がなければ解雇できない、固定化された官僚層が形成された。マッキンリーは即座に大統領令を発令し、そのリストから約4000の職務を削除した。

 この命令は、トランプ氏が1月に署名した命令と似ている。この命令は、数万人におよぶキャリア官僚を「随時雇用」職員に再分類し、保護を廃止して解雇を容易にするものだった。

 トランプ氏はまた、政府規模の縮小を目的とした政府効率化省(DOGE)を通じて、数千人の政府職員を解雇した。

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