マンチン議員: 「ビルド・バック・ベター」式社会主義のか弱い門番
By Cheryl K. Chumley – The Washington Times – Tuesday, December 21, 2021
ウェストバージニア州選出の民主党上院議員、ジョー・マンチン3世は、バイデン大統領が看板政策にしようとしている 「ビルド・バック・ベター」の議案にとりあえず断固「ノー」を突き付けてくれた。おかげで、大規模支出と諸権利の補償措置から構成されて、アメリカを社会主義に引きずり込んでいくパンドラの箱に、少なくとも当分はくさびを打ち込んでくれた。
それは朗報に違いないが、今のところの話だ。とりあえずだ。しかし考えてみよう、アメリカの将来と憲法の運命が、たった一人の民主党議員に委ねられている状況は、贔屓目に見ても懸念される事態ではないか。
結局のところ、マンチン議員は依然として民主党員なのだ。当然、大半の採決で民主党側に投票する人物だ。
実際に彼は大半の場合、バイデン大統領を支持している民主党員だ。大半と言えるのは、「FiveThirtyEight.com」による投票傾向分析で、マンチン議員が12月14日に国の債務上限引き上げに賛成投票したのを入れて更新された数字では、97%の賛成率だという。
その少し前に、同議員は企業に対するCOVID-19のワクチン接種と検査規則に関して、ホワイトハウスの政策に反対した。だがそれが、バイデン大統領の意に反した唯一のケースだ。
マンチン議員はすべて、本当にすべての議案で、バイデンチームの政策案件に賛成票を投じてきた。少し見てみよう。
8月11日、マンチン議員は大統領の3.5兆ドル予算の通過に協力した。
6月22日、選挙法改正に関する採決でバイデン側に立った。
5月28日、バイデン支持のボタンを押して、「1月6日事件」調査委員会の立ち上げを支持した。
3月18日、マンチン議員は、保健福祉長官としてバイデン指名の、極左と言っていいザビエル・ベセラを承認した。
3月10日、司法長官としてバイデン大統領が選んだ、もう一人の左翼、メリック・ガーランドを了承した。
1月25日、マンチン議員は大統領が財務長官として白羽の矢を立てたジャネット・イエレン女史に同意を与えた。
このようにマンチン議員は、バイデン政権チームに選ばれたほとんど全ての極左の連中に支持を与えた。しかもロイド・オースティンが国防長官に指名されるために、投票権を放棄するという便宜を図った。どういうことか。
「国防長官」というポストは、極めて政治的な位置で、潤沢な予算を管理し、強烈なロビー活動に影響を受ける国防総省の主人だ。そのため少なくとも7年間は、軍務から離れている必要がある。その規準で見れば、オースティン氏は5年も足らない。そのため特別の免除措置を必要としていたのだ。 その翌日、マンチン議員は、オースティン氏の国防長官指名を了承して、大統領の肩を持った。さらにその数週間後、同議員は再び大統領側に立ち、オースティン氏を国防総省に送り出したのだった。
我々はその首尾がどうだったか、目撃したではないか。アフガニスタン、あれは何だったのか。災害の方はどうだったか。
バイデン・オースティンのペアによるアフガニスタンのシナリオは、「一人も置き去りにしない!」どころか、「全員を置き去りにする!」ものではなかったか。
オースティンという人物は、バイデン政権にとって、そしてマンチン議員にとっても、よほど優れた軍事指導者のように見られたようだ。少なからざる候補者たち、すなわち他の軍事の専門家や軍務関係者たちを脇に追いやってまで、オースティン氏に特別の免除措置を与えた事実は、実に興味をそそられるものだ。それは「しまった!」で済まされる話ではない、途方もなく悪い判断だったと言うべきだ。
だがしかし、それがバイデンなのだ。それこそがバイデンのホワイトハウスだ、と知るべきだ。
そして厚塗りをはがし、投票記録を精査して、うわべの言葉遣いやソーシャルメディアに発信するメッセージの裏を凝視してみれば、マンチン議員の本性が現れてくる。
米国の過激な環境保護と社会正義を教条にした社会主義を推し進める「ビルド・バック・ベター」と、巨額の権利擁護支出を阻止する番兵として、その門口に立っているのが、このような人物だとしたら、アメリカは深刻だ。
実際、米国はどう見ても深刻な状況にある。「ビルド・バック・ベター」政策のような、大規模で正真正銘の社会主義的な富の再分配計画を進めているときに、たった一人の上院議員だけがそれを押しとどめているとすれば、それはこの国について何を物語っているのか。
社会主義化の目盛りは、極端に左に傾いている。マンチン議員がその角際で孤軍奮闘している姿こそ、そのことを際立たせているようだ。