日米豪印「クアッド」は対中国で他の国々にも門戸を開けよ
By Ben Wolfgang – The Washington Times – Tuesday, January 4, 2022
米国は日本、豪州、インドとの民主主義連合の強化に取り組んでいる。中国が21世紀のアジアやそれ以外の地域の支配を目指す中、他の国々も攻撃的な中国を押し返す方法を模索しており、この連合は拡大する余地がある。元米政府高官や地域の専門家が4日、このような見方を示した。
ワシントン・タイムズ財団が主催する月例フォーラム「ワシントン・ブリーフ」で、専門家たちはこの4カ国の非公式同盟が韓国など太平洋地域の戦略的重要国を巻き込む可能性について議論した。「4カ国戦略対話」として知られるこの枠組みは、一般的に「クアッド」と呼ばれている。
クアッドは中国共産主義体制に対抗する地域的な重しの形を取っているが、中国の純然たる経済力や中国市場の魅力が韓国やその他の国々の計算を非常に複雑にしている。韓国は米国の緊密な同盟国だが、経済的には中国と深く結び付いている。
韓国が公にクアッドに加わり、中国を怒らせることによる潜在的経済コストは、得られる利益を上回る。専門家からはこうした見方が出ている。
ただ、地域の専門家たちは4日、米国やクアッド参加国はあからさまに韓国に圧力をかけるべきではないものの、参加国拡大の門戸は開いていることを明確にしなければならないと指摘した。中国の経済力や軍事プレゼンスが世界中で拡大する中、クアッドの拡大が一段と重要になる。
「大学フットボールでは、ビッグ10カンファレンスが14チーム、ビッグ12カンファレンスが10チームだ。クアッドは4チームだけでなければならないとは言っていない」。退役海軍大将のハリー・ハリス前駐韓米大使は語った。
「クアッドに門番はいない。誰が参加できて、誰が参加できないと言う人や国はいない」と、ハリス氏は4日のイベントで述べた。「(参加国を)増やすかどうかは4カ国の間で決める必要がある。米国は門番ではない。豪州、日本、インドもそうではない」
ハリス氏や他の専門家たちは、クアッドについて、中国を封じ込めるために構築されたものだが、軍事同盟ではなく、NATO(北大西洋条約機構)のような相互防衛組織にも似ていないと強調した。中国との競争や起こり得る紛争に関して、クアッドができること、できないことを調べれば、その違いは大きい。
例えば、中国が台湾への軍事侵攻を開始した場合、クアッド参加国は必ずしも一致して行動するわけではない。専門家からは、クアッドの結束をめぐる最も深刻な疑問はインドだという指摘が出た。
「この枠組みの中で、本当に最も弱い関係はインドだろう」。こう語ったのは、ジョージタウン大学安全保障研究センターのアレクサンダー・マンスロフ教授だ。
「クアッドの枠組みでインドに期待するのは、希望的観測なのか、あるいは先走りしているのか」。マンスロフ氏は4日のオンラインイベントでこう述べた。司会は、ベテラン外交官のクリストファー・ヒル元駐韓大使が務めた。
ハリス氏は、インドが最も弱い関係だという考え方に反論したものの、米国の長年の安全保障パートナーである豪州や日本とは違い、「インドは米国の安全保障上の同盟国ではない」と認めた。
中国はクアッド参加国、特に米印間にあつれきをもたらそうとしている。
「インドが同盟国を選ぶとすれば、それはまず第一に中国であって、米国ではない。これはグローバリゼーション時代の経済発展の法則や両国民の利益のニーズに合致するものだ」。中国国営の「環球時報」は12月26日付社説でこう主張した。