バイデン氏、兵器削減の推進を約束

(2022年6月10日)

2019年10月1日、北京で行われた共産中国建国70周年記念パレードで、DF-41核弾道ミサイルを積んだ軍用車両の中、観客が中国国旗を振っている。中国の軍備管理トップは2022年1月4日(火)、自国政府が核兵器を急速に拡大していることを否定したが、安全保障環境の変化の中で核抑止力が存続できるような措置を取っていると述べた。(AP写真/Mark Schiefelbein、ファイル)

By Bill Gertz – The Washington Times – Thursday, June 2, 2022

 バイデン大統領は1日の書簡で、中国による核兵器の「大増強」や、ロシアによる新戦略兵器削減条約(新START)対象外の最先端戦略兵器の配備にもかかわらず、兵器削減はバイデン政権の国家安全保障政策の中心であり続けると述べた。

 バイデン氏は、核兵器に関する拘束力のある取り決めの必要性が、ソ連崩壊後のどの時期にも増して重要になっていると述べた。

 バイデン氏は、民間の権利団体、軍備管理協会(ACA)に対し、「今、おそらく冷戦以来最も意欲的に、軍拡競争や核増強のリスクを減らすために努力しなければならない。私の政権は、核兵器がもたらす国家の存亡にかかわる危機を減らし、米国民を保護し、核兵器の使用や拡散のリスクを減らすために、世界の核秩序を活性化させることに尽力している」と述べた。

 バイデン氏は、数十年にわたる軍備管理への支持が、2021年2月に失効する予定だったロシアとの新STARTを5年間延長する決断を後押ししたと述べた。

 トランプ政権と民間の専門家らは、ロシア政府が、2011年にオバマ政権が交渉した当初の新STARTの対象外の、新型で従来存在しなかったような戦略兵器を製造し、条約の制限を回避したと主張してきた。これら新兵器には、メガトン級の核弾頭を搭載した高速魚雷「ポセイドン」、原子力・核搭載巡航ミサイル「スカイフォール」、極超音速滑空飛翔体「アバンガルド」などがある。

 新STARTに加盟していない中国は長年、自国の核兵器保有量ははるかに少ないとして、米国との核削減交渉を拒否してきた。中国政府は、協議への参加を検討する前提条件として、米ロの核兵器を大幅に削減することを要求している。しかし、中国は、核兵器と運搬手段の増強を急速に進めており、米戦略軍のチャールズ・リチャード司令官は、過去の限られた兵器からの「核の大増強」と呼んでいる。

 中国は、1970年の核拡散防止条約(NPT)第6条に基づき、核軍拡競争の終結と核軍縮のための交渉を進めるよう求められている。中国は1992年に同条約に加盟した。

 中国とロシアは、米国の宇宙戦争能力を制限するために、国連軍縮会議に宇宙での兵器を禁止する兵器削減条約の草案を提出し、協力してきた。米国は、米露両国が複数の宇宙兵器を開発しているとして、これらの提案を拒否している。

 中国が保有する核弾頭は約250発で、中国西部の三つの陸上核ミサイル基地の開発によって急速に拡大しつつあり、そこには推定350発の新しい東風41(DF41)多弾頭ミサイルが配備される予定だ。また中国は最近、地球を周回し、あらゆる方向から地上の目標を攻撃でき、探知や追跡が困難な戦略極超音速滑空飛翔体の実験を行っている。

 バイデン氏は、兵器削減の進展は、米露の核弾頭を1550発に制限する新STARTの延長にとどまるべきでないと主張。ロシアが2月に隣国ウクライナへの侵攻を決定したことによって関係が急激に悪化したにもかかわらず、戦略的対話を継続しなければならないと述べた。

 「ウクライナでの残忍でいわれのない戦争の責任をロシアに問うために世界を結集しても、戦略的安定の問題ではロシアを関与させ続けなければならない」

 バイデン氏の書簡は、ACAのツイッターで公開され、ボニー・ジェンキンス国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)のツイッターアカウントで確認された。ホワイトハウスの報道官に、この書簡についてコメントを求めたが、すぐに返答はなかった。

 米国はウクライナ侵攻を受け、2月にロシアとの戦略兵器交渉を打ち切った。この交渉は、新たな兵器削減条約の締結とサイバー攻撃や高度な核技術の制限を追求する目的で、2021年に開始された。

 リチャード司令官は3月の上院での証言で、兵器削減の見通しに悲観的な見方を示した。ロシアの核戦力には、核弾頭を素早く搭載できるさまざまな兵器が含まれているという。

 「戦域核兵器や戦術核兵器は、いかなる条約の枠組みからも完全に外れている」

 リチャード氏は、中国の通常戦力と核戦力は秘密裏に近代化が進められていると述べた。

 「中国の核兵器保有量は現在、ロシアや米国のそれより少ないが、前例のない拡大を続けている。その国の兵器保有量は、その国の全体的な戦略的能力をざっくりとだが測ることができる」

 「中国の脅威を完全に評価するには、関連する運搬手段、指揮統制、即応性、体制、ドクトリン、訓練の能力も考慮する必要がある。これらの指標によれば、中国はすでに域内で核兵器使用戦略を立派に実行する能力を備えており、まもなく大陸間でも実行できるようになる。中国はもはや、核の脅威の先頭を走るロシアを『追う存在』ではない」

 リチャード氏は、新STARTは今のところ、ロシアの核兵器について米国の戦略家にとって有益な透明性と予測可能性を提供していると述べた。しかし、「配備されていない核兵器や条約が触れていない新しいシステムなど、ロシアの核兵器の範囲や特性については、かなりのレベルの不確実性が残っている」と指摘した。

 リチャード氏は、条約の範囲外の戦略兵器が増加することは問題だと指摘した。ロシアの核兵器製造システムでは、年間数百の核弾頭を配備できるが、「米国の製造能力は事実上存在せず、ロシアは制約を受けずに核兵器を増産する計画に基づいて」全体的な核保有量を増加させることができるからだ。

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