トランプ、デサンティス両氏が圧倒 共和党大統領候補争い

(2023年2月15日)

2022年11月19日、ラスベガスで開催された共和党ユダヤ連合の年次指導者会議で講演するフロリダ州知事ロン・デサンティス氏。デサンティス氏は2023年1月23日(月)、州が提案したアフリカ系アメリカ人研究上級コースを拒否したことについて、政治的アジェンダを押し付けるものだと繰り返し述べた–州の批判に挙げられた3人の著者は、その見返りとして彼を非難しているのだ。(AP Photo/John Locher)

By Seth McLaughlin – The Washington Times – Friday, February 10, 2023

 2024年の米共和党大統領候補指名争いへの出馬表明を控えたニッキー・ヘイリー氏、それに続く他の候補者らは厳しい現実に直面している。候補争いがすでにドナルド・トランプ前大統領とフロリダ州のロン・デサンティス知事の2人による戦いになっているからだ。

 トランプ氏とデサンティス氏は、強い支持を得、知名度も高く、世論調査で上位を独占し、ライバルに差をつけている。上位にいるのはこの2人だけだ。

 アイオワ州の共和党ウオッチャー、クレイグ・ロビンソン氏は、2人の大物が政治のリングにひしめいている中、あまり知られていない「B級アクター」がそこに割って入るのは非常に難しいと述べた。

 指名争いが本格化するのは、トランプ氏とデサンティス氏がアイオワ州など序盤の州で戦いを開始するか、討論会の舞台で対決した後だという。

 ロビンソン氏は、「上位ではトランプ氏とデサンティス氏がにらみ合い、下位では何とか這い上がろうとする人々がいる一方で、一気に盛り上がらせるだけの起爆剤がない。この大物2人は、8月か9月まで直接対決はしないかもしれない」と述べた。

 モンマス大学の最新の調査によると、誰に大統領候補になってほしいかと共和党支持の有権者に聞いたところ、大部分がトランプ氏とデサンティス氏の名前が真っ先に思い浮かんだという。

 かろうじて名前が挙がったのはヘイリー氏で、マイク・ペンス前副大統領、テッド・クルーズ上院議員(テキサス州)、ランド・ポール上院議員(ケンタッキー州)、マイク・ポンペオ前国務長官と同じグループだった。

 回答した566人の共和党支持者のうち、66%がトランプ氏かデサンティス氏を最有力候補に挙げ、24%は分からない、残りの10%は下位候補に分散していた。

 モンマス大学世論調査研究所のパトリック・マレー所長は、「今のところ、トランプ氏とデサンティス氏以外の候補者は、せいぜい上位候補の足を引っ張る程度になりそうだが、どうなるかはまだ分からない。例えば、トランプ氏は福音派の間で比較的強い支持を得ている。しかし、ニューハンプシャー州のような福音派が少ない州でも、他の候補者が福音派以外の票を分け、デサンティス氏への支持を下げることになれば、トランプ氏に有利になる可能性はある」と述べた。

 「だが、それは、実際に誰が舞台に上がってくるかが分かるまで、焦点にはならない」

 アイオワ州の共和党ストラテジスト、デイブ・コシェル氏は、トランプ氏やデサンティス氏以外の人物が浮上してくるのは難しいかというワシントン・タイムズの質問に、「メディアが彼らを取り上げると決めない限り難しい」と答えた。

 「それはあなた方次第だ」

 デサンティス氏はフロリダ州議会閉会後、大統領選に向かって活動を開始するとみられている。一方、選挙戦は、トランプ氏が2022年の中間選挙の数日後に開始して以来、トランプ氏が独占している。

 15日には、サウスカロライナ州のチャールストンでヘイリー氏が立候補を表明するため、選挙戦が活発化するのは必至だ。そこから、全米最初の予備選挙が行われるニューハンプシャー州、そして、伝統的に指名争いの開始とされてきた党員集会が行われるアイオワ州を候補者として初めて公式に訪問する予定だ。

 共和党支持者は、サウスカロライナ州初の女性知事として実績を積み、トランプ政権の国連特使として重要な役割を果たしたヘイリー氏に注目している。

 ヘイリー氏は、一連の選挙での敗北、それらの一部がトランプ氏の推薦候補だったことを受け、新しいリーダーシップと世代交代の必要性を主張する方針であることを示唆している。

 ヘイリー氏は、自身の支持が低調であることを認め、トランプ氏が勝利する可能性を示唆する一方で、自信を過小評価すれば、その責任は有権者にあると警告した。

 ヘイリー氏の考えをよく知る人物は、「ヘイリーが飛び込んでくるのは、作戦が決まっていて、準備が整っているからだ。彼女は、強くて誇り高い米国人というビジョンを、ジョー・バイデンの弱くて、ウォーク(差別などに敏感)な政治と対比させるだろう」と話した。

 ヘイリー氏は、米国の誇りを取り戻し、リベラル派の社会主義や敗北主義に対抗することに焦点を当てることが期待されている。

 この人物は、「私たちは、米国人を憎むように教えられている世代を見ている。この国は地球上で最も偉大な国だ。それがヘイリーのメッセージであり、彼女の個人的な物語がそれを証明している」と述べた。

 インド系移民の娘で、結婚して2児の母であるヘイリー氏は、今週、チャールズ・マッケイ氏の詩「ノー・エネミーズ(敵はいない)」を使った印象的な動画で行動派としてのイメージを高め、出馬表明をにおわせていた。

 動画には「自由の女神」と海兵隊戦争記念碑の画像が登場し、最後にヘイリー氏が「私はヒールを履いている。ファッションのためではなく、間違っているものを見たら、そのたびに蹴りを入れるつもりだからだ」と述べている。

 有権者はまだヘイリー氏のことをよく知らない。モンマス大の調査によると、経歴のほぼ全てがうそだったことが明らかになり、非難されているニューヨーク州選出の新人下院議員、ジョージ・サントス氏について聞いたことがある共和党支持者の方が多いことが分かった。

 ヘイリー氏にとって良いニュースは、彼女を知った人が彼女を支持する傾向が強く、彼女には今後、成長の余地があるということだ。

 モンマス大の調査では、共和党員の半数近くがヘイリー氏を好意的に見ていると答えたのに対し、好意的でない人は11%、分からない、あるいは知らないという人は41%だった。

 トランプ氏は、ヘイリー氏出馬の可能性を受け入れる一方で、トランプ氏が大統領選に出馬すれば、出馬しないとヘイリー氏が約束した動画を改めて公開した。

 だが、トランプ氏の攻撃のほとんどはデサンティス氏に向けられたものだ。1枚の写真をソーシャルメディアに再び掲載し、教師だった時に未成年の女性と飲酒したことを非難したり、「グルーマー(小児性愛者)」のレッテルを貼るなどしている。

 モンマス大の調査では、デサンティス氏の方が有権者の好感度は高く、トランプ氏に低い評価をつけた回答者が18%だったのに対し、デサンティス氏は6%だった。

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