バイデン氏のアフガン撤退の帰結
By Editorial Board – The Washington Times – Thursday, February 23, 2023
ロシアによる隣国、ウクライナへの破壊的な軍事侵攻は、完璧と言うにはほど遠く、さらに長期にわたって悲しみと死をもたらすとみられている。紛争が2年目に入る日を迎えて、平和は力によって確保されるものだという基本的な公理を思い起こさせる。悲しいかな、バイデン大統領は、同じように重要な命題の正しさを何とか思いつき、立証するに至った。すなわち、「弱さ」は戦争を招く。
独裁者ウラジーミル・プーチン氏は伝えられるところによると、ウクライナの国境に沿って何十万人もの軍隊を集めて、反撃する敵対者を押さえ込もうとしたものの、失敗した最初の年の損害を埋め合わせようと新たな攻撃の準備をしている。プーチン氏はロシア市民を前に行った火曜日の演説で、「ウクライナの紛争の火に油を注ぎ、犠牲者の数を増やした責任は…完全に西側のエリート層にある」と自身の行動を正当化した。
プーチン氏はまた、新戦略兵器削減条約(新START)の履行停止を発表した。2010年のこの条約で米国とロシアは、核弾頭を1550発に、兵器を発射するための車両を700台に減らすことに合意した。先が思いやられるが、プーチン氏の忠告のすぐ後に、核「スーパー兵器」の実験が行われた。米当局者は、ミサイルは失敗したとみているが、新たな核軍拡競争が間近に迫っているのではないかと懸念している。
プーチン氏の発言は、月曜日にバイデン氏が突然キーウを訪問した直後のもので、バイデン氏はウクライナのゼレンスキー大統領に次のように語った。「自由は金では買えない。自由は戦ってでも手に入れる価値があるものだ。どんなに時間がかかっても。私たちは必要な限りずっと共にいる」。時間とカネを無限に供与すると約束をするのは容易だが、実行するのは容易でない。
自由は、値段が付けられないほどの価値があるどころか、バイデン氏がウクライナに代わって追求する自由は、米国の納税者にべらぼうに重い経済的な負担を課すことになる。短い滞在中、バイデン氏は、5億ドルの先進兵器供与を約束した。その結果、ウクライナ防衛のための米国の累計支出は1000億ドルを超えた。
バイデン氏は、50年以上もの間、政府で国際問題に関する専門知識を磨いてきたと公言したにもかかわらず、アフガニスタンで自由を嫌悪する勢力に屈服した時、合衆国史上、最高に愚かな戦略的失策を犯してしまった。
当時、大統領は、自分の行動が致命的な結果をもたらすだろうとは理解していなかったかもしれないが、プーチン氏を含む米国の敵対者らには、はっきり分かっていた。ロシアの暴君は、パンデミックで荒廃し、人種暴動で引き裂かれた米国は、問題の大統領選挙も揉めそうで、張り子の虎と化していると結論付けたようである。半年後、彼はウクライナに侵攻した。
バイデン氏が、ある時はタリバンの前で頭を下げ、別の機会にはロシア人に対してこぶしを振り上げるのを見て、米国人は、彼の政策は曖昧でちぐはぐだと考えた。2021年8月にアフガンから撤退した数日後、ピュー・リサーチ・センターが行った調査では、ぎりぎり過半数の54%が大統領の対応に合意していることが分かった。最近のピューの調査によると、ウクライナに対する米国の支持は、ほぼ正しいか、不十分であると答えた回答者の割合は、1年前の74%から51%に減少した。
バイデン大統領は力による平和の擁護者として振る舞うが、遅過ぎる。アフガンで彼が引いた弱さを表す線は、真っすぐにウクライナの戦争につながっており、あしたは不幸な記念日となる。