訴訟問題はホワイトハウスを目指すトランプ氏の機会を損なう
By Seth McLaughlin – The Washington Times – Tuesday, May 2, 2023
ドナルド・トランプ前大統領の法的な災難は、まるで意図されたものであるかのように、大統領選の選挙活動を停滞させる恐れがある。
トランプ氏は政治的かつ現実的な課題に直面しており、バイデン大統領や民主党議員たちは、トランプ氏が一連の訴訟問題に巻き込まれることで、最終的に大統領選への打撃になるという期待を高めている。
ジョージ・ワシントン大学の法学教授であるジョナサン・ターリー氏は「たとえトランプ氏が勝利したとしても、少なくとも三つの裁判所での審理や出廷で資源と時間の両方を消費することになる」と述べた。「トランプ氏はまた、有権者をうんざりさせる一因となる絶え間なく続く報道に直面することになる」
トランプ氏は先月、2016年の大統領選挙期間中に不倫を口止め料で隠蔽しようとした罪で34件の重罪に問われたことで、フロリダ州パームビーチのリゾート地マールアラーゴの自宅からマンハッタンまで移動せざるを得ず、選挙モードから引き離されることとなった。
法廷に無表情で座ったトランプ氏は、刑事責任を問われた初めての元大統領となり、政治的な報道が過熱した。
この一連のテレビ番組向きの出来事は、トランプ氏がさらなる刑事責任を問われたり、ニューヨークで進行中のレイプと名誉毀損の民事裁判で敗訴した場合に起こりそうなことを示唆している。
それでもトランプ氏は、議論の余地なく2024年の共和党大統領候補の最有力候補のままだ。世論調査では、共和党有権者の多くがトランプ氏の忠実な支持者で、マンハッタン地方検事アルビン・ブラッグ氏がトランプ氏を告発した後も、トランプ氏支持に回った。
「ニューヨークの訴訟は、トランプ氏を弱体化させるためのものだ」とサウステキサス法科大学ヒューストンの教授、ジョシュ・ブラックマン氏は述べる。「一時の熱狂ではない。それがこの訴訟の特徴なのだ」と述べた。同氏は、ブラッグ氏の前任者がトランプ氏に対する告訴を拒否したことを指摘した。
トランプ氏の弁護団は、同氏が訴訟や自分に不利な証拠について公に言及することを禁止するというブラッグ氏の提案と戦っている。弁護団は、この提案は「極めて厳しい制限」であり、トランプ氏の大統領選に打撃を与える可能性があると述べている。
トランプ弁護士は、ニューヨーク州のフアン・メルチャン判事に、「彼らは米大統領選の有力候補に前例のない、極めて広範な口封じを提案している」との文書を提出した。
地方検事が求めている命令は、トランプ氏の 「自身の人格や連邦政府公職への資格について自由に議論する憲法修正第1条の権利と、トランプ(前)大統領の言い分を聞く米国民の憲法修正第1条の権利」を侵害することになると述べている。
この箝口令についての決定がどうであれ、トランプ氏が裁判所に足を踏み入れるたびに注目を集め、同氏の政治的な復活の計画から焦点をそらすことになる。
「彼は、選挙運動の取り組みをすべて停止させなければならない」とブラックマン氏は語る。「だから、彼に間違いなく負担がかかる」