トランプ氏勝利の確率は66% 世論調査の第一人者が予想
(2024年6月29日)
By Valerie Richardson – The Washington Times – Wednesday, June 26, 2024選挙予想の専門家ネイト・シルバー氏はドナルド・トランプ前大統領のファンではないが、11月の選挙ではトランプ氏がバイデン大統領に勝利すると予測している。それも僅差ではないという。
政治統計学の第一人者シルバー氏は、自身が作り上げた最初の2024年大統領選挙モデルで、共和党の候補指名が確定しているトランプ氏が選挙人投票で勝利する確率を65.7%、民主党のバイデン氏が33.7%とした。
シルバー氏はニュースレター配信プラットフォーム「サブスタック」の自身のアカウント「シルバー・ブレティン」で、「このモデルでは、トランプ氏が選挙人投票で勝利する確率が66%、バイデン氏が勝利する確率が34%となった」と明らかにした。
シルバー氏のモデルはまた、バイデン氏が得票数で勝利する確率を51%とし、トランプ氏の確率を49%とした。
「選挙人の過半数を獲得する候補がいない可能性もわずかだがある。269対269の同数となるか、RFK(ロバート・ケネディ・ジュニア氏)がどこかで選挙人を獲得するかどちらかの場合だ。その場合、トランプ氏が勝利するだろう。下院では共和党が優勢のようだからだ。修正第12条に基づくとそうなる」
シルバー氏の結論は「大統領選は五分五分ではない」だ。同氏によると、選挙分析サイト「ファイブサーティーエイト」などによるほとんどの選挙予想とは逆の結果が出た。ファイブサーティーエイトは、シルバー氏が2008年に設立し、現在はABCニュースが「538」として運営している。
538は26日の分析で「トランプ氏とバイデン氏が勝つ確率はほぼ互角」という結論をはじき出した。シミュレーションではバイデン氏が100回中51回勝ったという。
シルバー氏は、トランプ氏が7つの激戦州でリードしていることを示す世論調査データの平均を用いた。
同氏は、バイデン氏にはまだ選挙の流れを変える時間があるとし、その機会として27日夜のCNNでの大統領討論会を挙げた。
「バイデンはまた、戦略を変更し、スタッフを変え、あるいは緊急レバーを引き、退いて他の誰か(カマラ・ハリス氏か党大会で選ばれる誰か)に指名を譲ることで、民主党に有利になると判断する可能性もある(それはそれでひどい考えで、あるとは思わない)」
「それに、バイデン氏はそんなに後れを取っていないというが、選挙戦は五分五分ではない。それはとんでもない大うそ、自分の予想や決断に対する責任を回避するためにでっちあげる都合のいい作り話のようなものだ」
統計学者であるシルバー氏は、2008年の大統領選挙で50州中49州の結果を正確に予測し、政治の舞台で注目を浴びた。
トランプ氏よりもバイデン氏を推していることを率直に認めながらも、バイデン氏が有利なように見せかけることはしないと強調、そんなことをしてもバイデン氏のためには何もならないと述べた。
「長年こう言ってきた。世論調査は往々にして間違うものであり、実際にある程度は間違っているけれども、世論調査の誤差がどちらに向いているかを予測することは難しい。バイデン氏が現在の世論調査よりもいい結果を出すことは容易だ。だが、どうも悪い結果の方向に向いているようだ」
その上でシルバー氏は、「トランプ氏は2016年と2020年の世論調査を大幅に上回っている」と述べた。
「世論調査を参考にすることは、おそらく経済などに関するこれまでの例と同様に、近所の看板の数や友人の考え、自身の希望を参考にするよりもずっとうまくいく」