ペンス氏、中絶反対巡る「後退」を警告 共和党、新綱領採択へ
By Seth McLaughlin – The Washington Times – Tuesday, July 9, 2024
マイク・ペンス前副大統領は、共和党全国大会(RNC)の代議員に対し、生命の尊厳を重視する党の方針に対する疑念を払拭するため、共和党綱領にプロライフ(中絶反対)の文言を復活させるよう呼びかけている。
この要請は、RNCの綱領委員会が今週、トランプ前大統領の指示を受けたこの提案を承認したことを受けたもの。この提案によって共和党は、党が以前から重視してきた人命に関する憲法修正条項案と、連邦政府による20週以降のほとんどの人工妊娠中絶の禁止を取り下げた。
ペンス氏は9日の声明で、「今は、生命への権利のための闘いで、一歩も後退すべきときではない。2024年綱領は、長い間綱領の基礎となってきた歴史的なプロライフの原則を削除した。私は、来週の共和党大会に出席する代議員に、人間の生命の尊厳を認識し、胎児に侵害されてはならない生命の基本的権利があることを確認する文言を、党の綱領に復活させるよう求める」と訴えた。
ペンス氏は、トランプ氏の忠実なパートナーを4年間務めたが、現在は、党の中枢にはいない。両者の関係は今は冷え切っている。ペンス氏が、2020年の選挙結果を承認しないようトランプ氏に求められたものの、憲法の規定を理由にその要求を受け入れなかったためだ。
中絶問題はペンス氏の政治キャリアの根幹をなしてきた。実際、トランプ氏が2016年にペンス氏を政権に取り込んだのは、生命尊重のために戦う政権であることを社会的・宗教的保守派に訴えるためでもあった。
一方、トランプ氏は、2022年に(中絶の憲法上の権利を認めた1973年の)ロー対ウェイド判決を覆す判断が下されたことについて、自身が指名した判事がいたからだと宣伝している。トランプ氏は、連邦政府ではなく、州がこの問題を解決すべきだと述べている。
トランプ氏の主張は、新共和党綱領に反映され、来週代議員がこの綱領を巡る投票を行う。バイデン大統領と民主党は選挙戦で、トランプ氏と共和党は人工妊娠中絶に関して過激派であり、全米的な禁止を推し進めるだろうと主張している。
ペンス氏は、新綱領は「党内で見られるさまざまな後退のうちの一つ」であり、「政治的便宜」のために使われていると述べた。
「新綱領は、この闘いを各州に任せ、カリフォルニア州やイリノイ州の胎児を極左の過激な中絶政策に委ねている。生命の権利は州の問題であるだけでなく、道徳の問題であり、わが党は、連邦、州、地方レベルで生命の大義を推進することについて、道徳的な立場を明確にし、思いやりをもって発言し続けなければならない」
RNCで来週、全会一致で採択される予定の綱領には、「われわれは誇りを持って家族と生命を守る」と書かれている。
「私たちは、合衆国憲法修正第14条が、何人も適正手続きなしに生命や自由を否定されることはないと保証しており、それゆえ州はこれらの権利を保護する法律を制定する自由があると考える。51年がたち、私たちのおかげで、その権限は州と国民の投票に委ねられることになった」